猫と人間

黒子猫

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「クリスマスの夜に、男with猫」

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クリスマスの日……。
俺は、独身。彼女もいない。
一人ぼっちだった……。
街はカップルだらけだし、最悪だ……。
正直、目も開けたくないくらい、2人でいちゃついてるカップルが目に入る……。
俺はなるべく下を向いて歩いた。
「あーあ、最悪……!」
誰かに聞こえるのも構わず俺は呟いた。

……そうだ、こんな時は……。
俺の中で名案を思い付いた。
どうせ、一人暮らしの俺の家に帰っても、寂しいんだから……。
温かいモノ同士、仲良くしたいじゃないか……。
そうだ……。そうしよう……。

俺は、近所の公園に向かった。
そこは、野良猫がよくいる場所だった。
俺は早速、近くにいた猫に話しかけた。
「なぁ……、俺んち、来ない?今、寒いし、クリスマスだし……。俺の部屋、暖かいよ?」
猫は冷めた目で言った。
「お前はクリスマスに寂しいからと言って、自分に温もりが与えられるなら何でもいいと思って、この公園に来たのだろう……。
そんなのはお見通しじゃ……」
「なっ……。なんだよ!そんなことないよ……!俺はただ、楽しいクリスマスを……」
「我が種族にはクリスマスなどない……。
私達にとっては、毎日が1日一生なのだから……」
「な……、なんだよ!ケチくせぇな!」
『別に俺はそんなつもりじゃないんだよ……』
そうぶつぶつ言いながら、俺はその場を去った。
「せっかく、可愛がってやろうと思ってたのに……。あー……、今日は一人の家に帰りたくねーなー……」
そんなことを言いながら歩く。
……そもそもクリスマスって、何?
そんなにうかれるモノ?
クリスマス終わったら、大晦日だーとかいい始めるだけじゃん。
どーせただのイベント事なんだから、もっと静かに過ごせよな。
みんな周りに合わせて振り回されてるだけだわ。
俺は夜空を見上げた。
雪がちらついていた。
それでも……。
「……来年は彼女がいたらいいなぁ……」
星は見えないけれど、夜空に願うのだ。
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