上 下
115 / 117

「私の可能性」

しおりを挟む
もう、私は死のうと思う。
私は、何をやっても上手くいかなくて。
いつもバカにされる側で……。
損ばかりで、怒られてばかりで、なんでちゃんとやろうとしてるのに出来ないんだろうって、自分が嫌な気持ちになってた。
適当にやってる人が上手くいって、なんで私だけ……?って。
この無力感から、私は自分の人生を終わらせることにした。
このビルから飛び降りたら、私の人生は終わるだろう。
そんなときに、羽の映えた私が現れた。
「もう終わりにするの?」
「……そう」
「これからが面白いのに……?」
「え?」
「これから自分の人生を変えていけるとしたら、どうする?」
「そんなこと言って、死なないようにしようとしてるだけでしょ?」
「別に。ただ、これからが面白いのに、見ないなんてもったいな~って」
「どうせ生きたって大したことないわよ」
「それは、この先を見ないと、分からない」
「今までだって、ろくなことなかったのに……」
「そうかもしれないけど、その先は生きてみないと分からない」
「止めようとしないで」
「止めてない」
「じゃあ、なんで……」
「でも、生きてみたら、もっと面白いものが見えると思うよ」
しおりを挟む

処理中です...