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「お嬢様が書いた小説を執事に見せてみた」

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お嬢様「ねぇ、執事。
私小説を書いてみたの。読んでみてくれない?」
執事「かしこまりました。お嬢様。お嬢様のお書きになった小説を読めるだなんて幸せでございます」
お嬢様「これよ」
執事「失礼致します……。『清純な執事ボクが旦那様に抱かれた理由』……?何ですか……?これは……?」
お嬢様「知らないの?BLよ」
執事「ビーエルとは……?」
お嬢様「ボーイズラブの略よ。男性同士で恋愛したりイチャイチャしたり、あんなことやこんなことをするの」
執事「……それは、分かりましたが……。この清純な執事とは一体……?」
お嬢様「それは、あなたのことよ」
執事「今すぐこの小説を捨ててください」
お嬢様「なぜ?小説の主人公になれるなんて、滅多にないこと思うけれど?」
執事「いや、内容がまずいんですよ!だ、旦那様に抱かれてるじゃないですか……!」
お嬢様「嫌なの?」
執事「当たり前だろ」
お嬢様「……でも、あなたは私のお父様を慕っているし。そういう人とそういう関係になるって、嬉しいことじゃないかしら?」
執事「いや、確かに尊敬はしていますが、旦那様をそういう対象としては、見ていません!」
お嬢様「今はまだ……ってこと?」
執事「誘導しないで下さい!!とにかく……、この小説は処分させて頂きます!」
お嬢様「……そんなこと言っておいて、後で読むんでしょう?」
執事「はぁっ!?そ、そんなことねーし!」
お嬢様「その言い方がBLに出てくるキャラっぽいのよね……執事。あなた素質あるわ」
執事「や、やめてくださいって、言ってるじゃないですかっ!」
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