【短編集】気ままにショートストーリー

「viva！変人」

職場の休憩中、悪口を言っている人達がいた。
「三村さんって、なんか変だよね」
「分かる～。服装も個性的っていうか……」
「この間リュック持ってきてたんだけど～」
「リュックはヤバイよね～」
「しゃべり方も独特っていうか……」
「なんか三村さんが話し出すと、変な空気流れるんだけど～」
「ヤバイよね～」
「うちの会社もなんであんな人採用したんだろ？」
「もっと、明るくてワイワイできるだけ人が良かったのにね～」
私は、ふと後ろを振り返った。
そこには三村さんがいた。
「……三村さん……」
三村さんは少し悲しそうな顔をして笑っていた。
少しすると、悪口を言っていた人達はどこかに行ってしまった。
「……三村さん……。すいません、なんか、あんなこと言う人達がいて……」
「いいえ……。こんなことを気にしていたら、変わった人間なんてやってられませんよ」
そう言って、見たこともないお菓子を差し出してきた。
「珍しいなと思って、買ってみたんです。良かったら」
それはアジアンテイストのなにやら不思議なお菓子だった。
私は、こういうお菓子が多分苦手なのだが、貰いたくなった。
こんな物を職場に持ってくるなんて、ずれてるのかもしれないけど、そんな三村さんが、私は結構好きだなと思った。