【短編集】気ままにショートストーリー

「父親の残した遺言」

今日、父親が死んだ。
家で首を吊って死んでいた。
傍らには遺書のような物が見つかった。
そこには、
『パチンコ屋に通っている姿を見られたら、近所の人にみっともないから行かなかったが、パチンコ屋に行ってみたかった』
『家計のために、酒やタバコをやらなかったが、本当はやってみたかった』
『生きる意味が分からなくなったので、死にます』
等と書かれていた。

母が
「死ぬぐらいだったら、やってくれて良かったのに……」
と言っていた。

後悔してこんな風に死ぬなら、やってみたいことはやった方がいいなと、改めて、思った。