【短編集】気ままにショートストーリー

「～ある人の独り言～【平穏と退屈】」

毎日、退屈な日常だ。
平和と言えば平和。
きっと贅沢な悩みなんだろう。
それなりの人間関係。
それなりの仕事。
それなりの給料。
それなりの日常。
それほどの刺激もなく、なんとなく一日が過ぎていく。

……私が欲しかったものってこれなんだろうか？

そう思ったりする。

退屈。
でも、この平和を手放したくない。
そうも思う。

執着。
飽きてきているはずなのに、この平安な地が揺らいでしまうのは嫌だと思っている。
手放したくないと思っている。

もう味のしないガムなのに、まだ取っておきたいような。
なんだか不思議な感覚。