【R-18】 Inner Chocolate

「大切」

神田｢これで、今回の治療は、終了です。お疲れ様でした｣
(主人公、複雑な表情をする)
(SE：イスが軋む音)
(SE：衣擦れの音)
(主人公｢先生……｣)
神田｢どうしましたか……？｣
(主人公｢私は、ここにもうこれなくなるのが、淋しいです……｣)
神田｢大丈夫ですよ。また、何かあったら、いつでもお越し下さい｣
(主人公｢……先生に会えなくなるのが、淋しい、です……｣)
(SE：衣擦れの音)
(神田、一息つく)
神田｢……淋しい、ですか。あなたが以前恐れていたことが、起こってしまったのでしょうか……？」
(主人公｢え……？」)
神田｢治療が進むと僕以外の男性に感じなくなってしまうんじゃないかと、恐れていると……｣
(主人公｢私は、先生に接することができなくなるのが、なんだか淋しいだけです｣)
(SE：衣擦れの音)
(神田、ゆっくり立ち上がる)
(SE：イスが軋む音)
神田｢……こちらに……来てください｣
(神田、腕を広げる)
(主人公、ゆっくりと近づき、神田とハグをする)
神田｢(耳元で)……あなたはよく頑張りました……。自分の殻を破ろうと、よく勇気を出しましたね……。偉いです｣
(主人公、少し泣き出す)
(神田、主人公の後頭部を撫でる)
神田｢……ひとつ、提案があるのですが……。あなたが外でも素直に過ごせるかどうか、私に観察させて下さい……｣
(主人公｢観察……ですか……?｣)
神田｢観察と言っても、あなたはそのままリラックスしていればいい……。あなたがセックスに嫌悪感を抱いたひとつの要因は、素直に伝えたいことを伝えられなかったことがあると思うんです……。だから、日常生活でも……｣
(主人公｢……それは、ここ以外でも先生に会えるということ、ですか……?｣)
神田｢……そうですね……。これは、観察というか、私の独断でやることなので、治療ではないというか……｣
(主人公｢ありがとうございます！｣)
(主人公、神田をぎゅっと強く抱き締める)
(SE：衣擦れの音(大きめ))
神田｢ふふ……、そんなにぎゅっとしたら、苦しいですよ……｣
(神田、主人公の頬に１回キスをする)
神田｢最初に来た時の様子が、嘘のようですね……｣
(神田、主人公をぎゅっと抱き締める)
(神田、耳元で囁く)
神田｢あなたは大切にされていい存在だ……。それを忘れないで｣