夢追う人

｢私を見捨てたわたし｣

私は、すっかりSNSへの投稿をやめていた。
投稿しようとすると気分が滅入るし、なんだか怖くなってしまって、出来ずにいた。
気付いたら、妹のSNSばかりチェックするようになってしまっていた。
上手くいっているのが羨ましかった。

私は、妹だけにじゃなく、今まで好きだったモデルやタレントにも嫉妬するようになっていた。
好きだったはずなのに……、SNSで好意的なコメントをされてるのを見たり、フォロワーが沢山いて上手くいってるのを見ると、嫌な気分になった。
上手くいっているのが羨ましくて、上手くいっていない自分は、欠陥がある気がした。
そのうち、見ていて苦しくなる人のフォローは外すようにした。
上手くいっていない自分を責めてしまうから……。
最近は、妹のSNSも見なくなっていた。

『そもそも、何かを始めてみようと思ったのが、間違いだったのかもしれない……』

私はため息をついた。

『始めなければ、傷つくこともなかったのに……』

苦しくて、涙が出てきた。

『私になんて、何の才能もないんだから……』

自分で自分にそう言ってることが、悲しかった。
そういえば、時々自分にそう言っていたことを思い出した。
自分の言葉に傷ついた。
自分に自分で『ダメ』って言ってる気がして、悲しかった。

私は、そうやって、色んなことを諦めて来たように思う。
『才能がない』って言い聞かせて、やってもムダって思って、諦めて来たように思う。
私は、自分を根拠なく諦めていた。
私は、自分が自分を見捨てていたようで、悲しかった。