夢追う人

黒子猫

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「夢への第一歩」

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私の好きな物。
それは、人に見られることなんじゃないかと思った。
小さい頃、発表会とか好きだったし、写真とか、お洒落して人に誉められるのが好きだった。
誉められるためなら、頑張れた。特にお母さんに誉められるのが嬉しかった。
お母さんが私のことを自慢そうに話していると、私も鼻高々になった。

また……、あんな幸せな温かい気分を味わいたいな……。

私は、色々考えた末、SNSに自分の写真をアップしてみることにした。
妹のことはバカにしてたけど、私もSNSはやっていた。
でも、ほとんど投稿したことはなくて、ほとんど見る専門だった。
だから、写真を載せるなんて、すごく勇気がいったけど……。
実名とか載せないし、なんかモヤモヤしてるのも嫌だし……。
ちょっとやってみることにした。
自分のお気に入りのコーデを載せてみる。
服を着て、ポーズを作って、写真撮って……。
それをしている間、ずっと、
「こんなことして、笑われたらどうしよう」
「こんなことしたってムダじゃないか?」
「『ブスがポーズ撮ってんじゃない』って言われるんじゃないか」
とか、そういう言葉と不安が私を何度も襲った。
嫌気がさした。
たった、写真1枚載せるだけで、こんなに抵抗感が出るなんて。
顔だって、隠して載せるから心配いらないのに……。
変な汗をずっとかいていた。
写真は、顔がぎこちなくひきつり、何度撮っても、自分で見るのが嫌になるくらいだった。

こんな風に必死になって、バカみたい……。

自分が本当に滑稽に思える。
また、自分をバカにする声が聞こえる
「この程度でSNSに写真あげてんじゃねーよ」
「マジださいんですけどwこんなんでお洒落って言ってウケるw」
「これはないわ」

誰かに言われた訳じゃないのに、自分で思い浮かべた言葉に、自分で傷付く。
こんなことなら、もうやめてしまった方がいいのかな、とも思う……。
でも……、ずっとこれからもモヤモヤするの嫌だな……。
私は、意を決して投稿のボタンを押した。
……投稿しちゃった……。
どうしよう……。
大丈夫かな……。
投稿したものの、だんだん怖くなってきた。
否定されるのが、怖い……。
自分も今まで色んな人のこと、否定してきたし、バカにしたし……。
私は、しばらく恐怖で脇に変な汗をかいていた。



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