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「自分とのコミュニケーションも大事✨😃」
しおりを挟む 大穴が空いてしまった家から、悠然と歩み寄ってくるアマミヤさん。
「なかなかやるわね。流石に無双していた人達でも、この国で二番目の実力を持つ私とならば、そう簡単には倒せないようね」
「本当だよ――。ったく。俺の仕事を増やすんじゃない」
この声――。聞き覚えがある。
声がする後ろを振り返ると、そこには黒髪をオールバックにした黒いスーツの男がいた。以前会った時と同じく葉巻を吸っている。
「お姉様――。流石にこれはマズいのでは?」
「だね――。大物が出てきたわ」
「ミク・アサギだな? 少し顔つきが大人っぽくなった。そしてもう一人は誰だ? あの時いなかった奴だな」
「まさか――。また対面するとはね」
「仕事だからな。だから残念ながら捕らえさせてもらうぞ。アードルハイム皇帝の命令だ」
「私としてはあまり戦いたくないんだけどね」
「それは無理な話だ」
「ですよね~。アリスちゃん、アマミヤさんの相手をお願い」
「かしこまりましたお姉様」
私はアリスちゃんと背中合わせになって、認識した敵と睨みあった。
「俺には少々分が悪いな。しかし関係の無い事だ。遠慮なくいかせてもらう!」
マカロフ卿はそう言ってピストルを放ってきた。
同じ名前だからって別に銃までマカロフ使ってこなくてもいいじゃん!
放たれた弾丸は3発。刀で横薙ぎを入れて全ての弾を斬り落とした。
「なっ――」
「遅いぜミク・アサギ」
マカロフ卿は既に私の懐に入っていた。左手にはスペツナズナイフを持っている。私は身体向上と防御力アップの強化をかけた。
何が起きたか分からなかった。強烈な一撃が腹部に入り、視界がぐるぐると回って仰向けで倒れた。
強化をかけていたお陰で痛みは全然無いけど――。
ふと、マカロフ卿の方を見ると、葉巻を吸いなが右足が中段の位置にあった。
そうか――。私がマカロフ卿の手に意識している間、お腹に蹴りを入れられていたんだ。
「ったくやりづいな。全然手応えがねえ」
「それお互い様じゃない?」
「それもそうだ」
マカロフ卿はそう言ってニッと笑みを浮かべた。そして吸っていた葉巻を地面に落とし、靴の裏で火を消していた。ベルゾーグさんにやっていたような舐めプはもうしないらしい。
「でもこうすると貴方には勝ち目が無いんじゃないかしら?」
私がそう言うとマカロフ卿は怪訝な表情を浮かべていた。その刹那、私は背中から天使の翼が展開した。
「まさか!」
「そのまさかよ」
私はそう言い放って空を飛び、マカロフ卿を見下ろしていた。
「成程な。確かにそれなら俺は苦戦するな」
マカロフ卿はそう言って苦笑いを浮かべていた。鋼の体を持っている人は、何故か近距離に特化している人が多い。銃も私にはまず当たらないし、あとは上から攻撃を与え続けるのみ。鋼の体と言えど、ナリユキさんみたいに、バラバラにしても再生するわけでもないし、体力が回復するわけでもない。勝機はある。
「仕方ない」
すると、マカロフ卿は突如5人の分身体を出した。あれは悪魔の分身だ。ロシア人なのに忍者みたいな事しないでよ。
それにしても分身をして一体何をする気だろう。
じっくりと見ていると、5人のマカロフ卿が、オリジナルのマカロフ卿を持ち上げた。その後、オリジナルのマカロフ卿が5人のマカロフ卿にタッチ。
「一体何をする気?」
「見てのお楽しみだ」
マカロフ卿がニヤリと笑みを浮かべると、5人の分身体のマカロフ卿が、オリジナルのマカロフ卿を砲弾のように撃ちだした。
そして、撃ち出したと同時に、分身体が一気に小規模の爆発を起こして、爆風でさらに加速した。あの爆発は恐らく復讐の時限爆弾だ。小規模の爆発とは言え、民間人なら一撃で死ぬような爆発だった。ということは自分に恨みがあるってことよね? 何気に闇が深いんだけど。
当然のように、分身体達も身体向上を使っていたのだろう。
私と同じ高度になるまでほんの数秒でやってくる。私は急いで高度を上げた。流石に真上に行けばそのまま別の方向へ行くだろう。
そう思って真上に飛んで高度を上げた。
「よしこれで――。っ――!」
呆気を取られるとはこの事だろうか。何とマカロフ卿は方向転換をしていた。
「一体どうやって――」
そう思った矢先、マカロフ卿の両手から、巨大で邪悪なエネルギー光が噴出されていた。
「まさか悪の破壊光で!?」
「ご名答!」
私はバリアーを展開しようとしたが――。
「遅い!」
気付けば片足を掴まれていた。
「ほうら」
私の目に映る世界はグルグルと回っていた。数十秒間、落下しながら回された後、そのまま放り投げられた。あっという間に地面だ。これはマズい!
直後、頭に強い衝撃を受けた。そのときの衝撃は凄いもので、まるで地震が起きたかのような大きな揺れも同時に感じた。
頭が痛い――。それに額がジンジンする。
手で触れて見ると頭から血が出ていた。
「血を流したなんて久しぶりだな」
そう思いながら、回復《ヒール》を行った。これで体力も全回復で血も出ていない。
それにしても――。
辺りは砂煙を巻き上げて視界は悪かった。今のままでは自分が一体どうなっているのか全く分からない。
しばらく待っていると煙はだんだんと晴れてきた。
上を見上げると、お日様の光がこの私がいる場所を照らしていた。片目を閉じざるを得ない程眩しい。
そしてどうやら、さっきの一撃で軽いクレーターができたようだ。辺りは急な斜面が円形に広がっているから一目で分かった。
地上までの高さは7m程かな? 意外と深いね。
「何だ? お嬢様ったらピンピンしているじゃないか」
マカロフ卿はそう言って驚いているのが半分と、もう半分は、まあその程度じゃ大ダメージ入らないわな。と――。いうような表情だ。
「これでも額から血が出たんだから、ピンピンって程じゃないけど。お蔭様で、中盤辺りのカルベリアツリーを思い出した」
「血? そんなもん出ていないじゃないか」
「回復《ヒール》したのよ」
「骨が折れるなそれは」
マカロフ卿はそう言って苦笑いを浮かべていた。
「第2ラウンド開始ね」
「長期戦になりそうだからあまり気が進まないが仕方あるまい」
「なかなかやるわね。流石に無双していた人達でも、この国で二番目の実力を持つ私とならば、そう簡単には倒せないようね」
「本当だよ――。ったく。俺の仕事を増やすんじゃない」
この声――。聞き覚えがある。
声がする後ろを振り返ると、そこには黒髪をオールバックにした黒いスーツの男がいた。以前会った時と同じく葉巻を吸っている。
「お姉様――。流石にこれはマズいのでは?」
「だね――。大物が出てきたわ」
「ミク・アサギだな? 少し顔つきが大人っぽくなった。そしてもう一人は誰だ? あの時いなかった奴だな」
「まさか――。また対面するとはね」
「仕事だからな。だから残念ながら捕らえさせてもらうぞ。アードルハイム皇帝の命令だ」
「私としてはあまり戦いたくないんだけどね」
「それは無理な話だ」
「ですよね~。アリスちゃん、アマミヤさんの相手をお願い」
「かしこまりましたお姉様」
私はアリスちゃんと背中合わせになって、認識した敵と睨みあった。
「俺には少々分が悪いな。しかし関係の無い事だ。遠慮なくいかせてもらう!」
マカロフ卿はそう言ってピストルを放ってきた。
同じ名前だからって別に銃までマカロフ使ってこなくてもいいじゃん!
放たれた弾丸は3発。刀で横薙ぎを入れて全ての弾を斬り落とした。
「なっ――」
「遅いぜミク・アサギ」
マカロフ卿は既に私の懐に入っていた。左手にはスペツナズナイフを持っている。私は身体向上と防御力アップの強化をかけた。
何が起きたか分からなかった。強烈な一撃が腹部に入り、視界がぐるぐると回って仰向けで倒れた。
強化をかけていたお陰で痛みは全然無いけど――。
ふと、マカロフ卿の方を見ると、葉巻を吸いなが右足が中段の位置にあった。
そうか――。私がマカロフ卿の手に意識している間、お腹に蹴りを入れられていたんだ。
「ったくやりづいな。全然手応えがねえ」
「それお互い様じゃない?」
「それもそうだ」
マカロフ卿はそう言ってニッと笑みを浮かべた。そして吸っていた葉巻を地面に落とし、靴の裏で火を消していた。ベルゾーグさんにやっていたような舐めプはもうしないらしい。
「でもこうすると貴方には勝ち目が無いんじゃないかしら?」
私がそう言うとマカロフ卿は怪訝な表情を浮かべていた。その刹那、私は背中から天使の翼が展開した。
「まさか!」
「そのまさかよ」
私はそう言い放って空を飛び、マカロフ卿を見下ろしていた。
「成程な。確かにそれなら俺は苦戦するな」
マカロフ卿はそう言って苦笑いを浮かべていた。鋼の体を持っている人は、何故か近距離に特化している人が多い。銃も私にはまず当たらないし、あとは上から攻撃を与え続けるのみ。鋼の体と言えど、ナリユキさんみたいに、バラバラにしても再生するわけでもないし、体力が回復するわけでもない。勝機はある。
「仕方ない」
すると、マカロフ卿は突如5人の分身体を出した。あれは悪魔の分身だ。ロシア人なのに忍者みたいな事しないでよ。
それにしても分身をして一体何をする気だろう。
じっくりと見ていると、5人のマカロフ卿が、オリジナルのマカロフ卿を持ち上げた。その後、オリジナルのマカロフ卿が5人のマカロフ卿にタッチ。
「一体何をする気?」
「見てのお楽しみだ」
マカロフ卿がニヤリと笑みを浮かべると、5人の分身体のマカロフ卿が、オリジナルのマカロフ卿を砲弾のように撃ちだした。
そして、撃ち出したと同時に、分身体が一気に小規模の爆発を起こして、爆風でさらに加速した。あの爆発は恐らく復讐の時限爆弾だ。小規模の爆発とは言え、民間人なら一撃で死ぬような爆発だった。ということは自分に恨みがあるってことよね? 何気に闇が深いんだけど。
当然のように、分身体達も身体向上を使っていたのだろう。
私と同じ高度になるまでほんの数秒でやってくる。私は急いで高度を上げた。流石に真上に行けばそのまま別の方向へ行くだろう。
そう思って真上に飛んで高度を上げた。
「よしこれで――。っ――!」
呆気を取られるとはこの事だろうか。何とマカロフ卿は方向転換をしていた。
「一体どうやって――」
そう思った矢先、マカロフ卿の両手から、巨大で邪悪なエネルギー光が噴出されていた。
「まさか悪の破壊光で!?」
「ご名答!」
私はバリアーを展開しようとしたが――。
「遅い!」
気付けば片足を掴まれていた。
「ほうら」
私の目に映る世界はグルグルと回っていた。数十秒間、落下しながら回された後、そのまま放り投げられた。あっという間に地面だ。これはマズい!
直後、頭に強い衝撃を受けた。そのときの衝撃は凄いもので、まるで地震が起きたかのような大きな揺れも同時に感じた。
頭が痛い――。それに額がジンジンする。
手で触れて見ると頭から血が出ていた。
「血を流したなんて久しぶりだな」
そう思いながら、回復《ヒール》を行った。これで体力も全回復で血も出ていない。
それにしても――。
辺りは砂煙を巻き上げて視界は悪かった。今のままでは自分が一体どうなっているのか全く分からない。
しばらく待っていると煙はだんだんと晴れてきた。
上を見上げると、お日様の光がこの私がいる場所を照らしていた。片目を閉じざるを得ない程眩しい。
そしてどうやら、さっきの一撃で軽いクレーターができたようだ。辺りは急な斜面が円形に広がっているから一目で分かった。
地上までの高さは7m程かな? 意外と深いね。
「何だ? お嬢様ったらピンピンしているじゃないか」
マカロフ卿はそう言って驚いているのが半分と、もう半分は、まあその程度じゃ大ダメージ入らないわな。と――。いうような表情だ。
「これでも額から血が出たんだから、ピンピンって程じゃないけど。お蔭様で、中盤辺りのカルベリアツリーを思い出した」
「血? そんなもん出ていないじゃないか」
「回復《ヒール》したのよ」
「骨が折れるなそれは」
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