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第三章 中核都市エームスハーヴェン
第四十七話 兄妹の禁忌の関係
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ティナの部屋は、ラインハルトとティナの二人きりになる。
ラインハルトは、眠るティナの顔を覗き込み、右手でその頬を優しく撫でる。
右手に柔らかい義妹の肌の感触が伝わる。
ティナの目が開く。
ラインハルトがティナに話し掛ける。
「気が付いたか?」
ラインハルトの言葉に、泳いでいたティナの栗色の瞳がラインハルトの顔を捕らえ、しっかりと見据える。
「お兄ちゃん?」
「ああ」
ラインハルトの声を聞いたティナは、ラインハルトに首に腕を回して抱きつくと、ラインハルトにキスする。
「んん・・・」
ラインハルトの口の中に差し込まれたティナの舌は、その想い人の舌を探り当てると、離すまいというようにねっとりと絡みつく。
キスし終えたティナは、ベッドの上で上半身を起こすとラインハルトの服を脱がす。
ティナは既に全裸であり、起き上がったことで胸の双丘が顕になる。
ラインハルトは覚悟を決め、覆い被さるようにティナを抱くと、首筋にキスする。
「ああっ・・・」
ティナは、ラインハルトのキスに敏感に反応すると、短く喘ぎ、ラインハルトに縋り付く。
ラインハルトはティナを抱きしめ、頭を撫でながら呟く。
「ティナ。もう苦しまなくて良い」
「お兄ちゃん。ずっと、こうして欲しかったの」
ティナは、茶色の瞳を潤ませてラインハルトを見詰める。
その夜、二人は禁忌を犯し、互いを知った。
ラインハルトがティナの純潔を奪い、その胎内に子種を注ぎ込むとティナは性的絶頂に達し、力を失った呪いの額冠はティナの頭から枕元へと滑り落ちた。
ラインハルトは、枕元の呪いの額冠を手に取ると、握り締める。
ティナは痙攣する下半身をそのままに、ラインハルトに抱き付いてキスし微笑み掛けると想い人の腕の中で満足げに眠りについた。
--翌日の早朝。
ラインハルトは、穏やかな寝息を立てるティナを起こさないようにベッドから起き上がると、ティナの部屋を後にして宿屋の一階へと降りていった。
宿屋の一階の食堂には、ジカイラが長机のテーブルの席に一人で座っていた。
ラインハルトがジカイラに話し掛ける。
「ずっと、起きていたのか?」
「ああ。寝付けなくてな」
徹夜三日目になるであろうジカイラの顔には無精髭が伸び、疲れ切っているのは明らかであった。
ジカイラがラインハルトに尋ねる。
「済んだのか?」
「ああ」
そう答えるとラインハルトは、ジカイラに呪いの額冠を見せる。
「ティナは?」
「眠っているよ」
ジカイラが再びラインハルトに謝罪する。
「そうか・・・。すまなかった。ティナだけでなく、お前やナナイにまで辛い思いさせて・・・」
「お前の責任じゃない。何度も言わせるな」
ジカイラの目に映るラインハルトは、平静を装っているものの、アイスブルーの瞳には、呪いを解くためとはいえ、愛妻を裏切り、妹の純潔を奪うという禁忌を犯した『背徳の罪悪感』が浮かんでいた。
ジカイラとしては、ラインハルトやナナイから、口汚く罵られたほうが精神的に楽であった。
(あの時、オレがダークエルフのシグマ・アイゼナハトを倒していれば。オレに奴が倒せれば、こんな事にはならなかった)
ジカイラは、ダークエルフとの戦闘と、呪いの額冠に纏わる一連の事の顛末を『敵を倒せず仲間を守れなかった自分の責任』として、自らを責めた。
しばしの沈黙の後、ジカイラが口を開く。
「なぁ、ラインハルト。食人鬼を一撃で葬り、ダークエルフを斬れる武器は無いか?」
ラインハルトが尋ねる。
「愛用の斧槍や海賊剣は?」
ジカイラが先の戦闘について答える。
「斧槍は、野戦でゴブリンや人間相手には使える。しかし、ダークエルフが連れている食人鬼相手には力不足だ。それに、ダークエルフの速さを捕らえられない。・・・信じられるか? ダークエルフは、オレが振り下ろした斧槍の上に両足で立ったんだぞ?」
「ふむ」
「海賊剣は、屋内戦や船内なら使い勝手は良いが、野戦で食人鬼やダークエルフが相手じゃ、リーチが短すぎる」
「なるほどな」
そう言うと、ラインハルトは顎に手を当て、少し考える素振りを見せる。
「心当たりがある。エリシスが起きて来たら、彼女に持って来させるよ」
「ダークエルフは、食人鬼を連れている。すまんな。助かるわ」
ラインハルトへの礼を口にしたジカイラの目には、強い決意が表れていた。
(次は必ず!!)
ラインハルトとジカイラが話していると、宿屋の二階からエリシスが階段を降りてくる。
エリシスが口を開く。
「『起きて来たら』って、陛下。私達、不死者に睡眠は不要。基本的に眠らないわよ。私に何か御用かしら? 陛下」
「エリシス。宝物庫から、魔剣シグルドリーヴァを持ってきてくれ」
「畏まりました。すぐに」
エリシスは転移門を開くと、その中に入り、すぐ魔剣を持って戻ってきた。
「陛下。こちらに」
エリシスは、ラインハルトに魔剣を渡す。
「ジカイラ。これを使うと良い」
ラインハルトは、エリシスから受け取った魔剣をジカイラに渡す。
「これが・・・」
ジカイラは、ラインハルトから受け取った魔剣を観察する。
魔剣シグルドリーヴァは両刃の両手剣であり、その刀身は長く、柄や鞘には、豪華で凝った意匠が施されていた。
ジカイラは、魔剣シグルドリーヴァを抜刀して、その刀身を見分する。
魔剣シグルドリーヴァの漆黒の刀身は、妖しげな光を放っていた。
ジカイラは、魔剣を片手で、両手で、それぞれ数回、振ってみる。
魔剣の長い漆黒の刀身が空を切るが、魔力によりその重さを感じることはなく、体の一部のように扱うことができた。
「コイツは良い。コレなら食人鬼も、ダークエルフも、イケそうだ」
そう言うとジカイラは、ラインハルトとエリシスに笑顔を見せる。
ラインハルトは、眠るティナの顔を覗き込み、右手でその頬を優しく撫でる。
右手に柔らかい義妹の肌の感触が伝わる。
ティナの目が開く。
ラインハルトがティナに話し掛ける。
「気が付いたか?」
ラインハルトの言葉に、泳いでいたティナの栗色の瞳がラインハルトの顔を捕らえ、しっかりと見据える。
「お兄ちゃん?」
「ああ」
ラインハルトの声を聞いたティナは、ラインハルトに首に腕を回して抱きつくと、ラインハルトにキスする。
「んん・・・」
ラインハルトの口の中に差し込まれたティナの舌は、その想い人の舌を探り当てると、離すまいというようにねっとりと絡みつく。
キスし終えたティナは、ベッドの上で上半身を起こすとラインハルトの服を脱がす。
ティナは既に全裸であり、起き上がったことで胸の双丘が顕になる。
ラインハルトは覚悟を決め、覆い被さるようにティナを抱くと、首筋にキスする。
「ああっ・・・」
ティナは、ラインハルトのキスに敏感に反応すると、短く喘ぎ、ラインハルトに縋り付く。
ラインハルトはティナを抱きしめ、頭を撫でながら呟く。
「ティナ。もう苦しまなくて良い」
「お兄ちゃん。ずっと、こうして欲しかったの」
ティナは、茶色の瞳を潤ませてラインハルトを見詰める。
その夜、二人は禁忌を犯し、互いを知った。
ラインハルトがティナの純潔を奪い、その胎内に子種を注ぎ込むとティナは性的絶頂に達し、力を失った呪いの額冠はティナの頭から枕元へと滑り落ちた。
ラインハルトは、枕元の呪いの額冠を手に取ると、握り締める。
ティナは痙攣する下半身をそのままに、ラインハルトに抱き付いてキスし微笑み掛けると想い人の腕の中で満足げに眠りについた。
--翌日の早朝。
ラインハルトは、穏やかな寝息を立てるティナを起こさないようにベッドから起き上がると、ティナの部屋を後にして宿屋の一階へと降りていった。
宿屋の一階の食堂には、ジカイラが長机のテーブルの席に一人で座っていた。
ラインハルトがジカイラに話し掛ける。
「ずっと、起きていたのか?」
「ああ。寝付けなくてな」
徹夜三日目になるであろうジカイラの顔には無精髭が伸び、疲れ切っているのは明らかであった。
ジカイラがラインハルトに尋ねる。
「済んだのか?」
「ああ」
そう答えるとラインハルトは、ジカイラに呪いの額冠を見せる。
「ティナは?」
「眠っているよ」
ジカイラが再びラインハルトに謝罪する。
「そうか・・・。すまなかった。ティナだけでなく、お前やナナイにまで辛い思いさせて・・・」
「お前の責任じゃない。何度も言わせるな」
ジカイラの目に映るラインハルトは、平静を装っているものの、アイスブルーの瞳には、呪いを解くためとはいえ、愛妻を裏切り、妹の純潔を奪うという禁忌を犯した『背徳の罪悪感』が浮かんでいた。
ジカイラとしては、ラインハルトやナナイから、口汚く罵られたほうが精神的に楽であった。
(あの時、オレがダークエルフのシグマ・アイゼナハトを倒していれば。オレに奴が倒せれば、こんな事にはならなかった)
ジカイラは、ダークエルフとの戦闘と、呪いの額冠に纏わる一連の事の顛末を『敵を倒せず仲間を守れなかった自分の責任』として、自らを責めた。
しばしの沈黙の後、ジカイラが口を開く。
「なぁ、ラインハルト。食人鬼を一撃で葬り、ダークエルフを斬れる武器は無いか?」
ラインハルトが尋ねる。
「愛用の斧槍や海賊剣は?」
ジカイラが先の戦闘について答える。
「斧槍は、野戦でゴブリンや人間相手には使える。しかし、ダークエルフが連れている食人鬼相手には力不足だ。それに、ダークエルフの速さを捕らえられない。・・・信じられるか? ダークエルフは、オレが振り下ろした斧槍の上に両足で立ったんだぞ?」
「ふむ」
「海賊剣は、屋内戦や船内なら使い勝手は良いが、野戦で食人鬼やダークエルフが相手じゃ、リーチが短すぎる」
「なるほどな」
そう言うと、ラインハルトは顎に手を当て、少し考える素振りを見せる。
「心当たりがある。エリシスが起きて来たら、彼女に持って来させるよ」
「ダークエルフは、食人鬼を連れている。すまんな。助かるわ」
ラインハルトへの礼を口にしたジカイラの目には、強い決意が表れていた。
(次は必ず!!)
ラインハルトとジカイラが話していると、宿屋の二階からエリシスが階段を降りてくる。
エリシスが口を開く。
「『起きて来たら』って、陛下。私達、不死者に睡眠は不要。基本的に眠らないわよ。私に何か御用かしら? 陛下」
「エリシス。宝物庫から、魔剣シグルドリーヴァを持ってきてくれ」
「畏まりました。すぐに」
エリシスは転移門を開くと、その中に入り、すぐ魔剣を持って戻ってきた。
「陛下。こちらに」
エリシスは、ラインハルトに魔剣を渡す。
「ジカイラ。これを使うと良い」
ラインハルトは、エリシスから受け取った魔剣をジカイラに渡す。
「これが・・・」
ジカイラは、ラインハルトから受け取った魔剣を観察する。
魔剣シグルドリーヴァは両刃の両手剣であり、その刀身は長く、柄や鞘には、豪華で凝った意匠が施されていた。
ジカイラは、魔剣シグルドリーヴァを抜刀して、その刀身を見分する。
魔剣シグルドリーヴァの漆黒の刀身は、妖しげな光を放っていた。
ジカイラは、魔剣を片手で、両手で、それぞれ数回、振ってみる。
魔剣の長い漆黒の刀身が空を切るが、魔力によりその重さを感じることはなく、体の一部のように扱うことができた。
「コイツは良い。コレなら食人鬼も、ダークエルフも、イケそうだ」
そう言うとジカイラは、ラインハルトとエリシスに笑顔を見せる。
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