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第七章 天覧試合
第百四十六話 準決勝戦、その後
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--準決勝戦後。
バジリスク小隊との試合に勝利したアレク達は、意気揚々と寮へと帰る。
夕食時、アレク達は小隊の仲間達で食卓を囲みながら、試合の話で盛り上がる。
アルが上機嫌で口を開く。
「いやぁ~。久々の出番だったけど、開幕の一撃を決めることが出来た! あれは決まったな!!」
トゥルムがアルに同意する。
「その通りだ、アル! あの開幕の一撃は決まったな! 共に皇帝陛下の御前で槍術を披露することが出来たぞ!!」
アルは機嫌良くナタリーに話し掛ける。
「ナタリーも魔法で相手を倒したよね」
ナタリーも笑顔で答える。
「うん!」
アレクが口を開く。
「女の子同士の戦いって、容赦無いのな」
アレクの言葉を聞いたナディアがアレクに言い返す。
「あら、そう? アレクなんて、試合の度に毎回毎回、敵の僧侶の女の子を捕まえて、悪戯しようとしているのに??」
ナディアの言葉をアレクは全力で否定する。
「いや! だから、何もしてないって!!」
アレクの傍らに座るルイーゼは、うっとりとアレクの顔を見詰めながら呟く。
「アレク。一騎打ち、凄くカッコ良かった」
ルイーゼの言葉を聞いたアレクが、照れながら答える。
「そう? なら、良かった」
ドミトリーがルイーゼに続く。
「うむ。拙僧が感服したのは、隊長の一騎打ちよりも、その後の立ち振る舞いだ! 隊長が賭けの対象にされた四人の女子達に見せた、あれは本物の帝国騎士の儀礼だった! 一体、隊長は『騎士典礼』など、どこで身に付けたのだ?」
ドミトリーからの問いに、「帝国第二皇子なので、皇宮で帝国騎士としての教育を受けました」とは言えず、アレクは答えに困る。
アレクは、帝国第二皇子として、家庭教師やナナイから帝国騎士としての教育を受けていた。
身に付けた教養や教育は、無意識の内にその人の『人となり』を醸し出す。
アレクがバジリスク小隊の女の子達に無意識に帝国騎士として振舞えたのは、皇宮で受けた教育の賜物であった。
ドミトリーへの答えに困っているアレクに、ルイーゼが助け舟を出す。
「・・・アレクの実家はお金持ちだから、家庭教師から色々と教わっていたのよね?」
アレクは、ルイーゼからの助け舟に乗る。
「そ、そう。家庭教師から、色々とね・・・」
エルザがアレクをからかう。
「アレクがえっち上手いのも、家庭教師から教わったからなの?」
「え!?」
エルザの言葉にアレクはギクリとする。
まさか「皇宮でメイド達を相手に悪戯して実演していました」とも言えず、額に脂汗がにじむ。
アレクは、苦しい言い訳をする。
「家庭教師から、知識だけはね・・・」
エルザは、疑うような視線をアレクに向けながら呟く。
「ふ~ん」
ナディアがエルザに続く。
「アレクのあの儀礼には、私も驚いたわよ。・・・私は、てっきりアレクなら、賭けの対象にされた四人の女の子達を手籠めにすると思っていたのに」
ドミトリーもナディアに続く。
「・・・拙僧も、それが心配だった。隊長は煩悩に捕らわれ過ぎているからな」
アレクが抗議する。
「手籠めって・・・。オレって、そんなに『女に飢えている』ように見えるのか?? 頼むから変な話を広めないでくれ」
アルがアレクをフォローする。
「おいおい、みんな。相手は貴族子女だぞ? それも、四人。・・・いくらアレクがエロいからって、一度に四人も犯したりしないだろ? アレクの将来の奥さんが、四人から八人になっちまうし」
アレクは、苦笑いしながらアルに答える。
「アル・・・。それ、あまりフォローになってないぞ・・・」
アルとアレクのやり取りを聞いた小隊一同が笑う。
準決勝戦の後、アレクが一騎打ちの勝利後に四人の貴族子女に見せた『騎士典礼』に則った帝国騎士の儀礼によって、士官学校内でのアレクの名声は、平民組だけでなく貴族組でも一気に上がった。
『皇帝陛下から帝国騎士十字章を授与された、本物の帝国騎士』
それが士官学校内でのアレクの名声になっていた。
対象的に、天覧試合で醜態を晒したキャスパーの悪評は、士官学校内で最悪なものになっていた。
『仲間を盾にして隠れ小隊の女の子を差し出す卑屈な卑怯者』というだけでなく、「お漏らしキャスパー」「フリ●ン男爵」「鼻血ブー男爵三世」といったキャスパーの不名誉な二つ名、通り名が広まり、定着していった。
バジリスク小隊との試合に勝利したアレク達は、意気揚々と寮へと帰る。
夕食時、アレク達は小隊の仲間達で食卓を囲みながら、試合の話で盛り上がる。
アルが上機嫌で口を開く。
「いやぁ~。久々の出番だったけど、開幕の一撃を決めることが出来た! あれは決まったな!!」
トゥルムがアルに同意する。
「その通りだ、アル! あの開幕の一撃は決まったな! 共に皇帝陛下の御前で槍術を披露することが出来たぞ!!」
アルは機嫌良くナタリーに話し掛ける。
「ナタリーも魔法で相手を倒したよね」
ナタリーも笑顔で答える。
「うん!」
アレクが口を開く。
「女の子同士の戦いって、容赦無いのな」
アレクの言葉を聞いたナディアがアレクに言い返す。
「あら、そう? アレクなんて、試合の度に毎回毎回、敵の僧侶の女の子を捕まえて、悪戯しようとしているのに??」
ナディアの言葉をアレクは全力で否定する。
「いや! だから、何もしてないって!!」
アレクの傍らに座るルイーゼは、うっとりとアレクの顔を見詰めながら呟く。
「アレク。一騎打ち、凄くカッコ良かった」
ルイーゼの言葉を聞いたアレクが、照れながら答える。
「そう? なら、良かった」
ドミトリーがルイーゼに続く。
「うむ。拙僧が感服したのは、隊長の一騎打ちよりも、その後の立ち振る舞いだ! 隊長が賭けの対象にされた四人の女子達に見せた、あれは本物の帝国騎士の儀礼だった! 一体、隊長は『騎士典礼』など、どこで身に付けたのだ?」
ドミトリーからの問いに、「帝国第二皇子なので、皇宮で帝国騎士としての教育を受けました」とは言えず、アレクは答えに困る。
アレクは、帝国第二皇子として、家庭教師やナナイから帝国騎士としての教育を受けていた。
身に付けた教養や教育は、無意識の内にその人の『人となり』を醸し出す。
アレクがバジリスク小隊の女の子達に無意識に帝国騎士として振舞えたのは、皇宮で受けた教育の賜物であった。
ドミトリーへの答えに困っているアレクに、ルイーゼが助け舟を出す。
「・・・アレクの実家はお金持ちだから、家庭教師から色々と教わっていたのよね?」
アレクは、ルイーゼからの助け舟に乗る。
「そ、そう。家庭教師から、色々とね・・・」
エルザがアレクをからかう。
「アレクがえっち上手いのも、家庭教師から教わったからなの?」
「え!?」
エルザの言葉にアレクはギクリとする。
まさか「皇宮でメイド達を相手に悪戯して実演していました」とも言えず、額に脂汗がにじむ。
アレクは、苦しい言い訳をする。
「家庭教師から、知識だけはね・・・」
エルザは、疑うような視線をアレクに向けながら呟く。
「ふ~ん」
ナディアがエルザに続く。
「アレクのあの儀礼には、私も驚いたわよ。・・・私は、てっきりアレクなら、賭けの対象にされた四人の女の子達を手籠めにすると思っていたのに」
ドミトリーもナディアに続く。
「・・・拙僧も、それが心配だった。隊長は煩悩に捕らわれ過ぎているからな」
アレクが抗議する。
「手籠めって・・・。オレって、そんなに『女に飢えている』ように見えるのか?? 頼むから変な話を広めないでくれ」
アルがアレクをフォローする。
「おいおい、みんな。相手は貴族子女だぞ? それも、四人。・・・いくらアレクがエロいからって、一度に四人も犯したりしないだろ? アレクの将来の奥さんが、四人から八人になっちまうし」
アレクは、苦笑いしながらアルに答える。
「アル・・・。それ、あまりフォローになってないぞ・・・」
アルとアレクのやり取りを聞いた小隊一同が笑う。
準決勝戦の後、アレクが一騎打ちの勝利後に四人の貴族子女に見せた『騎士典礼』に則った帝国騎士の儀礼によって、士官学校内でのアレクの名声は、平民組だけでなく貴族組でも一気に上がった。
『皇帝陛下から帝国騎士十字章を授与された、本物の帝国騎士』
それが士官学校内でのアレクの名声になっていた。
対象的に、天覧試合で醜態を晒したキャスパーの悪評は、士官学校内で最悪なものになっていた。
『仲間を盾にして隠れ小隊の女の子を差し出す卑屈な卑怯者』というだけでなく、「お漏らしキャスパー」「フリ●ン男爵」「鼻血ブー男爵三世」といったキャスパーの不名誉な二つ名、通り名が広まり、定着していった。
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