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第六章 解放戦線
第百四話 ジカイラの説明
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ジカイラに呼ばれたユニコーン、グリフォン、セイレーン、フェンリル、の各小隊長は、揃って会議室に行く。
会議室で待っていたジカイラは、アレク達、小隊長四人に座るように告げると説明を始める。
「お前達に来て貰ったのは他でもない。先日未明、帝都の繁華街の酒場で『トラキア解放戦線』を名乗る組織による自爆テロが発生した」
ジカイラの言葉に、小隊長達は互いに顔を見合わせて思わず口々に漏らす。
「『自爆テロ』だなんて・・・」
「酷いな・・・」
爆弾テロの発生を告げられた小隊長達の動揺を他所に、ジカイラは説明を続ける。
「非武装民間人を標的にした『自爆テロ』の発生に皇帝陛下は激怒されている。・・・そこでオレ達と帝国南部方面軍のエリシス伯爵達に勅命が下った。『トラキア解放戦線を名乗るテロ組織を探し出して、叩き潰せ。皆殺しにしろ』とのことだ」
ジカイラが続ける。
「まず、裏社会の情報網から当たる。あの手の組織は、人目を惹かないように地下に潜っている。・・・表立って行動しないからな。裏社会の連中なら、縄張りによそ者が来たら、何かしら気付いて情報を持っているだろう。オレ達は『腹筋同盟』からの情報収集を担当し、エリシス伯爵達が『フナムシ一家』からの情報収集を担当する」
アレクが手を挙げる。
「中佐、質問よろしいですか?」
「構わん」
「『腹筋同盟』って、あの半グレ集団の?」
「そうだ。怖いか?」
アレクはきっぱりと言い切る。
「いいえ」
ジカイラは笑顔で続ける。
「はっきり言って、半グレ集団なんて雑魚だ。鼠人と戦って実戦経験を積み、命のやり取りをしてきたお前達の方が、群れて粋がるだけの半グレ集団より遥かに強い。『トラキア解放戦線』の情報を収集するためには、殺して構わん」
ルドルフが尋ねる。
「・・・殺しても良いのですか?」
ジカイラが答える。
「ああ。皇帝陛下は帝国領内に『反社会勢力』の存在そのものを許さない。従って、手加減無用だ」
「了解しました」
ジカイラが小隊長達に尋ねる。
「ここまでは良いか?」
「「はい」」
ジカイラが四人の小隊長達に説明を続ける。
「具体的な作戦内容について説明する。お前達も聞いただろうが、『腹筋同盟』は、帝都の繁華街のジェノバ通にあるエインヘリアルという酒場を根城にしている。明日の夜、オレとお前達四個小隊で酒場に突入し、腹筋同盟の首領であるヴィッキー・ジントックを逮捕する」
ジカイラの説明にアレク達、四人の小隊長は緊張した面持ちになる。
ジカイラが続ける。
「尚、今回の任務に当たり、皇帝陛下から飛行空母『ユニコーン・ゼロ』を寸借してきた。お前達は、小隊メンバーに明日の正午までに出発準備をして、士官学校の飛行場に集合するように伝えろ」
「「了解しました!」」
「以上、解散!」
ジカイラの言葉でアレク達小隊長四人は、ジカイラに敬礼すると会議室を後にする。
アレクは、寮に戻る。
寮では、アレクの帰りを待たずに小隊メンバー達が夕食を取っていた。
アルが返ってきたアレクに声を掛ける。
「おっ!? 隊長、帰って来たか。お疲れ~」
アレクはアルに答えると食堂の自分の席に着く。
「ただいま」
アレクが帰ってきた事を知ったルイーゼがアレクの夕食を用意する。
「お帰りなさい。お腹空いたでしょ?」
「うん」
アルがアレクに尋ねる。
「ジカイラ中佐は、なんて言ってたんだ?」
アレクはルイーゼが用意した夕食を食べながら、会議室で聞いたジカイラとの話の内容を小隊メンバー達に説明した。
再び飛行空母に乗れると知ったエルザは大喜びする。
「やったー! また、飛行空母で遠征だね!!」
アレクの話を聞いたトゥルムは考え込む。
「ふむ・・・。人間の社会には、『半グレ集団』という連中が居るんだな・・・・。我々、蜥蜴人には、居ないタイプの集団だな」
ナタリーがトゥルムに聞き返す。
「そうなの?」
トゥルムがナタリーに答える。
「うむ。部族の掟を破る者は、追放されるからな。その手の連中は、部族の中で集団や組織になりようがない」
ナディアも口を開く。
「私達、エルフも同じよ。『半グレ集団』なんていないわね」
ドミトリーも口を開く。
「ドワーフもだ。そんな連中はさっさと追放したら良い」
ナタリーが納得する。
「なるほどね~」
アレク達は、新しい任務の事や他愛もない話をしながら夕食を終える。
会議室で待っていたジカイラは、アレク達、小隊長四人に座るように告げると説明を始める。
「お前達に来て貰ったのは他でもない。先日未明、帝都の繁華街の酒場で『トラキア解放戦線』を名乗る組織による自爆テロが発生した」
ジカイラの言葉に、小隊長達は互いに顔を見合わせて思わず口々に漏らす。
「『自爆テロ』だなんて・・・」
「酷いな・・・」
爆弾テロの発生を告げられた小隊長達の動揺を他所に、ジカイラは説明を続ける。
「非武装民間人を標的にした『自爆テロ』の発生に皇帝陛下は激怒されている。・・・そこでオレ達と帝国南部方面軍のエリシス伯爵達に勅命が下った。『トラキア解放戦線を名乗るテロ組織を探し出して、叩き潰せ。皆殺しにしろ』とのことだ」
ジカイラが続ける。
「まず、裏社会の情報網から当たる。あの手の組織は、人目を惹かないように地下に潜っている。・・・表立って行動しないからな。裏社会の連中なら、縄張りによそ者が来たら、何かしら気付いて情報を持っているだろう。オレ達は『腹筋同盟』からの情報収集を担当し、エリシス伯爵達が『フナムシ一家』からの情報収集を担当する」
アレクが手を挙げる。
「中佐、質問よろしいですか?」
「構わん」
「『腹筋同盟』って、あの半グレ集団の?」
「そうだ。怖いか?」
アレクはきっぱりと言い切る。
「いいえ」
ジカイラは笑顔で続ける。
「はっきり言って、半グレ集団なんて雑魚だ。鼠人と戦って実戦経験を積み、命のやり取りをしてきたお前達の方が、群れて粋がるだけの半グレ集団より遥かに強い。『トラキア解放戦線』の情報を収集するためには、殺して構わん」
ルドルフが尋ねる。
「・・・殺しても良いのですか?」
ジカイラが答える。
「ああ。皇帝陛下は帝国領内に『反社会勢力』の存在そのものを許さない。従って、手加減無用だ」
「了解しました」
ジカイラが小隊長達に尋ねる。
「ここまでは良いか?」
「「はい」」
ジカイラが四人の小隊長達に説明を続ける。
「具体的な作戦内容について説明する。お前達も聞いただろうが、『腹筋同盟』は、帝都の繁華街のジェノバ通にあるエインヘリアルという酒場を根城にしている。明日の夜、オレとお前達四個小隊で酒場に突入し、腹筋同盟の首領であるヴィッキー・ジントックを逮捕する」
ジカイラの説明にアレク達、四人の小隊長は緊張した面持ちになる。
ジカイラが続ける。
「尚、今回の任務に当たり、皇帝陛下から飛行空母『ユニコーン・ゼロ』を寸借してきた。お前達は、小隊メンバーに明日の正午までに出発準備をして、士官学校の飛行場に集合するように伝えろ」
「「了解しました!」」
「以上、解散!」
ジカイラの言葉でアレク達小隊長四人は、ジカイラに敬礼すると会議室を後にする。
アレクは、寮に戻る。
寮では、アレクの帰りを待たずに小隊メンバー達が夕食を取っていた。
アルが返ってきたアレクに声を掛ける。
「おっ!? 隊長、帰って来たか。お疲れ~」
アレクはアルに答えると食堂の自分の席に着く。
「ただいま」
アレクが帰ってきた事を知ったルイーゼがアレクの夕食を用意する。
「お帰りなさい。お腹空いたでしょ?」
「うん」
アルがアレクに尋ねる。
「ジカイラ中佐は、なんて言ってたんだ?」
アレクはルイーゼが用意した夕食を食べながら、会議室で聞いたジカイラとの話の内容を小隊メンバー達に説明した。
再び飛行空母に乗れると知ったエルザは大喜びする。
「やったー! また、飛行空母で遠征だね!!」
アレクの話を聞いたトゥルムは考え込む。
「ふむ・・・。人間の社会には、『半グレ集団』という連中が居るんだな・・・・。我々、蜥蜴人には、居ないタイプの集団だな」
ナタリーがトゥルムに聞き返す。
「そうなの?」
トゥルムがナタリーに答える。
「うむ。部族の掟を破る者は、追放されるからな。その手の連中は、部族の中で集団や組織になりようがない」
ナディアも口を開く。
「私達、エルフも同じよ。『半グレ集団』なんていないわね」
ドミトリーも口を開く。
「ドワーフもだ。そんな連中はさっさと追放したら良い」
ナタリーが納得する。
「なるほどね~」
アレク達は、新しい任務の事や他愛もない話をしながら夕食を終える。
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