上 下
15 / 149
第一章 ホラント独立戦争

第十五話 奴隷役の練習(一)

しおりを挟む
--正午。

 アレク達を乗せた商用ガレオンは、定刻通りにデン・ヘルダーを出港して沖合を北上、カスパニア領・属州ホラントのゾイト・ホラント港を目指して進む。

 アレク達は、それぞれ客室のベッドで横になって船に揺られながら寛いでいた。

 ベッドに横たわって読書するアレクの元にルイーゼがやって来る。

「アレク。お昼はどうするの?」

 アレクは、少し考えながら答える。

「昼食か・・・」

 アレクが考えていたのは、ホラントに潜入するための偽装の『配役』のためであった。 

 アレクが口を開く。

「うーん。考えたんだけど、ナディア、エルザ、トゥルム、ドミトリーの奴隷役四人が一般人と同じように食堂に入って食事するっていうのは不自然だと思うんだ。だから、申し訳ないけど、四人には客室で食事して貰おうと思ってる」

 アレクの言葉にナディアは笑顔で答える。

「私は全然構わないわよ? 気にしないで」

 エルザも笑顔で答える。

「私も平気よ」

 二人の答えを聞いたアレクが続ける。

「・・・それで、奴隷の四人だけを客室に残して、オレ達だけ食事に行くのも不自然だと思う。だから、ルイーゼとナタリーの二人で先に食堂に行って食事して来て。・・・オレとアルは、二人が戻って来てから、交代で行くから」

 ルイーゼは納得したように答える。

「そうね・・・。奴隷だけ部屋に残すってのも変だし、疑われるわね。・・・判ったわ」

 そう言うと、ルイーゼは一人で客室を出て隣の客室に行き、アレクの話をアル達に伝えて、ナタリーと二人で連れ立って食堂に向かう。





 貴婦人姿のルイーゼが通路を歩く傍らをメイド姿のナタリーがついていく。

 ルイーゼがナタリーに話し掛ける。

「ナタリー。メイド服姿、似合っているわよ。凄く可愛い」

 ナタリーは笑顔で答える。

「ありがとう。ルイーゼも様になってるよ」

「ふふふ。ありがとう」

 二人は、中流のレストランのような食堂の席に座り、船員に食事を注文する。

 注文を受けた船員は、厨房に向かって歩いて行った。 

 ルイーゼがナタリーに尋ねる。

「ねぇ、ナタリー」

「どうしたの?」

「アルやトゥルム、ドミトリーはともかく、私、あの二人とアレクを客室に残してきたのが心配なの」

 不安を口にするルイーゼにナタリーは笑顔で答える。

「大丈夫よ。もし、カスパニア軍の臨検があっても、アレクは上級騎士パラディンだし、あの二人だって剣が使えるんだから」

 ルイーゼは首を横に振って続ける。

「そっちじゃなくて・・・。あの二人がアレクを襲うんじゃないかって」

 ルイーゼの言葉にナタリーは驚く。

「ええっ!?」

 アレクと同じ部屋に居るナディアとエルザは『肉食女子』であった。

 ナタリーはルイーゼの心配を否定できず、苦笑いする。

「それは・・・。その可能性は無いとは言い切れないかも・・・」






 客室の二段ベッドの上の段に居るナディアとエルザは、互いに顔を見合わせて目配せする。

 ナディアは、腰に下げていた水筒を蓋を開けて口元に持ってくると、エルフ語でヒソヒソと呟く。

 すると、水筒の中から小さな女の子の姿をした水の精霊ウンディーネが出て来る。

 水の精霊ウンディーネは、小さな女の子から霧に姿を変えると、客室のドアのノブを目指して飛んで行く。

 霧の姿の水の精霊ウンディーネは、客室のドアのノブの上まで飛んで行くと、再び小さな女の子に姿を変えてドアのノブの上に跨り、両手でノブに付いているドアのカギを回して、客室のドアに鍵を掛ける。

 水の精霊ウンディーネが客室のドアに鍵を掛けた事を見届けたナディアとエルザは、再び互いに目配せすると、二人とも自分のベッドの上で服を脱いで裸になる。

 全裸になった二人は、そっと二段ベッドの上の段から降り、ベッドに横たわって読書中のアレクの上に飛び乗る。

「「そ~れ!!」」

「うわっ!?」

 ナディアはアレクの腰の上に、エルザはアレクの胸の上にまたがる。

 突然、全裸の二人が上に乗って来たことにアレクは驚き、目を白黒させる。

「どうしたんだ!? 二人とも、裸で??」

 頬を赤らめながらナディアがアレクに告げる。

「どうしたって、『奴隷役の練習』よ! 御主人様!!」

 エルザも頬を赤らめながらナディアに続く。

「そうそう! 奴隷は御主人様に奉仕しなきゃね!!」

 上に乗って来た全裸の二人の女の子の言葉にアレクは焦る。

「ちょっと待て! まさか、二人とも、今からする気なのか!?」

 ナディアが恥じらいながら答える。

「まだ明るいから恥ずかしいけど・・・」

 エルザも恥じらいながらナディアに続く。

「アレクは明るい方が良いでしょ? 女の子のココも良く見えるから」

 そう言うと、アレクの胸の上に座っているエルザは、自分の秘所を指先で広げてアレクに見せる。

 思春期のアレクは、目の前で広げられたエルザの秘所に目が釘付けになる。

 エルザの秘所は、肉厚の肉襞の内側にあるパールピンクの粘膜が透明な体液を滴らせながらヒクヒクと動いており、欲情してアレクの男性器を求めている事が判る。

 ナディアが口を開く。

「さぁ、御主人様! 脱ぎ脱ぎしましょうね~!!」

 ナディアがアレクのズボンとパンツを脱がしに掛かると、膨らんだアレクの男性器が弾け出る。

 目の前に飛び出してきたアレクの男性器にナディアは魅入る。

 ナディアが猫なで声でアレクに告げる。

「あぁ~ん。もぅ。アレク、オチ●●ン勃ってるぅ~」

 アレクの身体は、ナディアとエルザの裸に反応していた。

 アレクは、必死に言い訳する。

「ふ、二人が裸だからだろ!!」

 エルザが悪戯っぽく告げる。

「ふふ。アレクってば、エルザちゃんのココを見て勃ってるのね」

 そう言うと、エルザはアレクの両手を掴んで、自分の胸を触らせる。

「アレクは、エルザちゃんのおっ●いも好きでしょ?」

 アレクの両手の手のひらに、柔らかい女の柔肌と肉の感触が伝わる。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...