アスカニア大陸戦記 黒衣の剣士と氷の魔女

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第三章 中核都市エームスハーヴェン

第四十七話 兄妹の禁忌の関係

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 ティナの部屋は、ラインハルトとティナの二人きりになる。

 ラインハルトは、眠るティナの顔を覗き込み、右手でその頬を優しく撫でる。

 右手に柔らかい義妹の肌の感触が伝わる。

 ティナの目が開く。

 ラインハルトがティナに話し掛ける。

「気が付いたか?」

 ラインハルトの言葉に、泳いでいたティナの栗色の瞳がラインハルトの顔を捕らえ、しっかりと見据える。

「お兄ちゃん?」

「ああ」

 ラインハルトの声を聞いたティナは、ラインハルトに首に腕を回して抱きつくと、ラインハルトにキスする。

「んん・・・」 

 ラインハルトの口の中に差し込まれたティナの舌は、その想い人の舌を探り当てると、離すまいというようにねっとりと絡みつく。

 キスし終えたティナは、ベッドの上で上半身を起こすと、ラインハルトの服を脱がす。

 ティナは既に全裸であり、起き上がったことで、手のひらサイズの釣鐘型の形の良い双丘が顕になる。

 ラインハルトは覚悟を決め、覆い被さるようにティナを抱くと、首筋にキスする。

「ああっ・・・」

 ティナは、ラインハルトのキスに敏感に反応すると、短く喘ぎ、ラインハルトに縋り付く。

 ラインハルトはティナを抱きしめ、頭を撫でながら呟く。

「ティナ。もう苦しまなくて良い」

「お兄ちゃん。ずっと、こうして欲しかったの」

 ラインハルトが手のひらサイズの形の良いティナの胸を揉みしだき口で吸うと、ティナはその一つ一つの所作に敏感に反応し、直ぐに胸の先が固くなる。

 右手の三本の指でティナの秘所を優しく撫でると、既に透明な体液で溢れており、体液がラインハルトの指に纏わり付く。

 ラインハルトがティナの両足を開きその秘所を見ると、繰り返した自慰で既に充血して膨れ、捲れており、陰核も突起していた。

 ティナが顔を背け、恥じらう。

「お兄ちゃん・・・見ないで・・・恥ずかしい」

 ラインハルトは、ティナの顔に自分の男性器を近づける。

「ティナ。口でできるか?」

「どうすればいいの?」

「舌で舐めてくれれば良い」

「こう?」

 ティナは、ラインハルトの男性器を舌で舐め始める。

「そう。そこ」

 ティナの舌先が男性器の裏側、陰茎小帯を繰り返し舐めると、ラインハルトの男性器はみるみる膨らんでヘソまでそそり勃ち、心臓の鼓動に合わせて脈を打っていた。

 ティナは目の前にあるラインハルトの男性器をじっくりと眺める。

(大きい・・・。これが胎内なかに。怖い・・・けど、欲しい・・・) 

「もう、良いよ」
 
 ラインハルトは、ティナにそう告げると、怒張した男性器をティナの秘所に押し当てる。

「お兄ちゃん・・・」

 ティナは、茶色の瞳を潤ませてラインハルトを見詰める。

 ラインハルトがゆっくりとティナの秘所に男性器を挿入する。

「んんっ・・・あっ・・・」

 ティナの顔が破瓜の痛みに歪む。

 ラインハルトがティナの秘所に男性器を根本まで挿入すると、ティナはカクカクッと大きく股を開閉させるように痙攣させる。

「ああっ・・・うっ! ああっ! ふあっ!!」

 ティナの秘所から白濁した体液が脈を打って吐出され、破瓜の血と共にラインハルトの男性器の根本に纏わり付く。

 ラインハルトは、敏感なティナの反応を見て思わず口元が緩む。

(挿入しただけでイッたのか?・・・)

 秘所から白濁した体液を吐出させた後、ティナの下半身はずっと小刻みに痙攣し、震えが続いていた。

「良い? 動くよ」

「うん」

 ラインハルトがゆっくりと動き始めると、押し寄せる快感から、ティナはか細い声で喘ぎ始める。

「ああっ・・・わうっ・・・あっ・・・はあっ」

 ティナは顔だけでなく、耳や首、胸元まで紅潮させて汗ばみ、何度も達していた。

 ラインハルトの腰の動きは、次第に激しくなり、息遣いも荒くなる。

 ラインハルトはティナの胎内に射精する。
 
 脈を打って出される子種が子宮の入り口に当たる度に、ティナは体を反らせて反応する。

 その夜、二人は禁忌を犯し、互いを知った。

 ラインハルトがティナの純潔を奪い、その胎内に子種を注ぎ込むと、ティナは性的絶頂に達し、力を失った呪いの額冠がっかんは、ティナの頭から枕元へと滑り落ちた。
 
 ラインハルトは、枕元の呪いの額冠がっかんを手に取ると、握り締めた。

 ティナは痙攣する下半身をそのままに、ラインハルトに抱き付くとキスし、ラインハルトに微笑み掛け、想い人の腕の中で満足げに眠りについた。







--翌日の早朝。

 ラインハルトは、穏やかな寝息を立てるティナを起こさないようにベッドから起き上がると、ティナの部屋を後にし、宿屋の一階へと降りていった。

 宿屋の一階の食堂には、ジカイラが、長机のテーブルの席に一人で座っていた。

 ラインハルトがジカイラに話し掛ける。

「ずっと、起きていたのか?」

「ああ。寝付けなくてな」

 徹夜三日目になるであろうジカイラの顔には無精髭が伸び、疲れ切っているのは明らかであった。

 ジカイラがラインハルトに尋ねる。

「済んだのか?」

「ああ」

 そう答えるとラインハルトは、ジカイラに呪いの額冠がっかんを見せる。

「ティナは?」

「眠っているよ」

 ジカイラが再びラインハルトに謝罪する。

「そうか・・・。すまなかった。ティナだけでなく、お前やナナイにまで辛い思いさせて・・・」

「お前の責任じゃない。何度も言わせるな」

 ジカイラの目に映るラインハルトは、平静を装っているものの、アイスブルーの瞳には、呪いを解くためとはいえ、愛妻を裏切り、妹の純潔を奪うという禁忌を犯した『背徳の罪悪感』が浮かんでいた。

 ジカイラとしては、ラインハルトやナナイから、口汚く罵られたほうが精神的に楽であった。

(あの時、オレがダークエルフのシグマ・アイゼナハトを倒していれば。オレに奴が倒せれば、こんな事にはならなかった) 

 ジカイラは、ダークエルフとの戦闘と、呪いの額冠がっかんに纏わる一連の事の顛末を『敵を倒せず仲間を守れなかった自分の責任』として、自らを責めた。








 しばしの沈黙の後、ジカイラが口を開く。

「なぁ、ラインハルト。食人鬼オーガを一撃で葬り、ダークエルフを斬れる武器は無いか?」

 ラインハルトが尋ねる。

「愛用の斧槍ハルバード海賊剣カトラスは?」

 ジカイラが先の戦闘について答える。

斧槍ハルバードは、野戦でゴブリンや人間相手には使える。しかし、ダークエルフが連れている食人鬼オーガ相手には力不足だ。それに、ダークエルフの速さを捕らえられない。・・・信じられるか? ダークエルフは、オレが振り下ろした斧槍ハルバードの上に両足で立ったんだぞ?」

「ふむ」

海賊剣カトラスは、屋内戦や船内なら使い勝手は良いが、野戦で食人鬼オーガやダークエルフが相手じゃ、リーチが短すぎる」

「なるほどな」

 そう言うと、ラインハルトは顎に手を当て、少し考える素振りを見せる。

「心当たりがある。エリシスが起きて来たら、彼女に持って来させるよ」

「ダークエルフは、食人鬼オーガを連れている。すまんな。助かるわ」

 ラインハルトへの礼を口にしたジカイラの目には、強い決意が表れていた。

(次は必ず!!)

 ラインハルトとジカイラが話していると、宿屋の二階からエリシスが階段を降りてくる。

 エリシスが口を開く。

「『起きて来たら』って、陛下。私達、不死者アンデッドに睡眠は不要。基本的に眠らないわよ。私に何か御用かしら? 陛下」

「エリシス。宝物庫から、魔剣シグルドリーヴァを持ってきてくれ」

「畏まりました。すぐに」

 エリシスは転移門ゲートを開くと、その中に入り、すぐ魔剣を持って戻ってきた。

「陛下。こちらに」

 エリシスは、ラインハルトに魔剣を渡す。

「ジカイラ。これを使うと良い」

 ラインハルトは、エリシスから受け取った魔剣をジカイラに渡す。

「これが・・・」

 ジカイラは、ラインハルトから受け取った魔剣を観察する。

 魔剣シグルドリーヴァは両刃の両手剣であり、その刀身は長く、柄や鞘には、豪華で凝った意匠が施されていた。

 ジカイラは、魔剣シグルドリーヴァを抜刀して、その刀身を見分する。

 魔剣シグルドリーヴァの漆黒の刀身は、妖しげな光を放っていた。

 ジカイラは、魔剣を片手で、両手で、それぞれ数回、振ってみる。

 魔剣の長い漆黒の刀身が空を切るが、魔力によりその重さを感じることはなく、体の一部のように扱うことができた。

「コイツは良い。コレなら食人鬼オーガも、ダークエルフも、イケそうだ」

 そう言うとジカイラは、ラインハルトとエリシスに笑顔を見せる。

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