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北方動乱

第六十一話 ニーベルンゲンの帰途、ジークとフェリシア(三)

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--翌朝

 ジークが目覚める。

 傍らにはぴったりとフェリシアが寄り添い、ジークの腕の中で穏やかな寝息を立てて眠りに就いていた。

 ジークは、フェリシアの寝顔を眺める。

 フェリシアは、黒目黒髪で目元にほくろのある美人であった。

 フェリシアがトラキアの小国の女王であった頃は、あまり感情を表に出さず、プライドの高さだけが鼻についていたが、ジークの妃になり、愛情と支配を受け入れ、『国と民を背負う重責』から解放されてからは、喜怒哀楽のはっきりした表情豊かな年相応の可愛らしい女性になっていた。

 ジークは、眠っているフェリシアをキスして起こす。

「んっ・・・。ジーク様?」

 目覚めたフェリシアが黒い瞳でジークを見詰める。

「すまないな。起こしてしまって。・・・よく眠れたか?」

「はい」

 昨晩、ジークとの睦事で何度も達し、想い人の腕の中で眠りに就いたフェリシアは熟睡していた。

「このまま、二人で昨晩の余韻に浸っていたいところだが、今日は公務の予定があってな・・・」

「左様ですか」

 ジークは、フェリシアに覆い被さるように体勢を変えると、フェリシアにキスしながら右手で胸を揉みしだく。

「んんっ・・・。ジーク様?」

「床を離れる前に、今一度・・・」

 そう言うとジークはフェリシアの胸の頂を口で吸う。

「あっ・・・」

 ジークからの愛撫にフェリシアの身体は敏感に反応し、すぐに胸の先がピンと勃って固くなる。

 フェリシアの身体の敏感な反応に気を良くしたジークは、両手で脇の下から腰のくびれ、お尻へとフェリシアの身体の線に沿って撫でていく。

 フェリシアは微笑みながら口を開く。

「ジーク様。くすぐったいです」

 フェリシアの身体を確かめたジークが呟く。

「フェリシア。肉付きが良くなったな」

 心配そうにフェリシアが尋ねる。

「私、太りましたか?」

 ジークは優しく微笑む。

「いや。もう少し肉が付いても良いだろう」

 フェリシアは、食糧事情の悪いトラキアに居たため、痩せてはいたがスタイルは良かった。

 ジークの妃になってから豊かな帝国の皇宮で暮らす様になり、トラキアに居た頃に比べ、胸とお尻は肉が付いて大きくなり、細い腰は、よりくびれがはっきりした豊満な身体つきとなっていた。

 両手でフェリシアの身体の線をなぞりながら、ジークのキスは、フェリシアの胸から腹、ヘソへと順に下へ向かって行く。

「んっ・・・、ああっ・・・」

 フェリシアは自分の身体にキスするジークの頭に両手で触れる。

 ジークは両手でフェリシアの腰を掴むと下腹部にキスする。

 ジークのキスが下腹部に達すると、フェリシアは無意識に両足を開く。

 ジークの目の前に顕になったフェリシアの秘所は、昨晩と同じように透明な体液が溢れ、肉襞は内側から捲れるように開き、欲情していた。

「フェリシア。そこにキスして欲しいのか?」

 ジークからの問いにフェリシアは頬を赤らめて無言で頷く。

 ジークはフェリシアの秘所を口で吸い、肉襞の内側を舌先で弄ぶ。

 ジークがフェリシアの純潔を奪った際の、処女膜の残りの肉襞を舌先で内側からめくる。

「はぁっ・・・、あんっ・・・」

 秘所から込み上げる快感にフェリシアは身をよじる。

 フェリシアの秘所から白濁した体液が滴り出すと、ジークはフェリシアに覆い被さるように上から抱き締め、正常位でヘソまでそそり勃つ男性器をフェリシアの秘所に挿入する。

「はうっ・・・、わっ・・・」

 フェリシアの秘所に男性器を挿入したジークは、昨晩の犯すような性交とは異なり、じっくりと愛しむよう秘所の入り口を軸にゆっくりと回すように腰を動かす。

 ジークの男性器がフェリシアの秘所の中を掻き回すようになり、男性器のエラがより一層、秘所の内側の肉襞を捲り上げる。

「ふっ・・・、ううっ・・・」

 フェリシアの秘所の入り口から白濁した体液が脈を打って吐出され、ジークの男性器の背に帯状に滴り淫靡な音を立てる。

 溢れ出たフェリシアの体液は、後ろの秘孔を伝って滴り落ち、シーツに染みを作る。

 程なく性的絶頂に達したフェリシアは下半身と秘所を痙攣させ、顔だけでなく耳や首元まで上せたように紅潮し、全身が汗ばむ。

 フェリシアの秘所がジークの男性器の雁首と根元を締め上げると、ジークもフェリシアの胎内に射精する。

 昨夜、四度もフェリシアの胎内に子種を注ぎ込んだにも拘らず、ジークの男性器は勢い良く脈を打ってフェリシアの胎内に子種を注ぎ込む。

「うっ・・・、うっ・・・」

 注ぎ込まれるジークの子種が子宮の入り口に当たる度にフェリシアは快感に軽く身を反らせる。

 フェリシアの潤んだ黒い瞳がジークを見詰めると、ジークはフェリシアの唇に自分の唇を重ねる。

 キスされたフェリシアは、夢中になって舌を絡め、ジークに征服され支配されることに悦楽を感じる。



 
 ジークと繋がったまま、フェリシアは射精を終えたジークの頬を右手で撫でながら、うっとりとした表情で尋ねる。

「ジーク様。・・・私、孕んでしまいますよ?」

 ジークは微笑みながら答える。

「最初からそのつもりだ。・・・それに言ったはずだ。『吾子を孕んで頂く』と」

「・・・はい」

 ジークは、フェリシアの額にキスすると語り始める。

「私とそなたの子供には、男であれ、女であれ、将来は帝国の公爵位を与えてトラキア全土を治める『トラキア太公』にするつもりだ」

 ジークの言葉にフェリシアは驚く。

「こ、公爵位とトラキア全土を私達の子に与えると・・・!?」

「そうだ」

 フェリシア自身は、トラキア連邦の議長であったが、連邦を構成していた小国の一つであるバラクレア王国の女王でしかなかった。

 それに皇太子第三妃といえば聞こえは良いが、世間から見ればフェリシアはジークの妻ではなく、妾であった。

 妾の子に与えるにしては、帝国の公爵位とトラキア全土という領土は破格の厚遇であった。

 フェリシアは感激して目に涙を浮かべる。

「・・・ジーク様、ありがとうございます」





  ジークの妃達には、それぞれ『後ろ盾』があり、それは皇宮内での立場と発言力に影響していた。

  ソフィアには帝国四魔将筆頭のアキックス伯爵が、アストリッドには同じく帝国四魔将のヒマジン伯爵が、やがて妃になるカリンはゴズフレズ王国のハロルド王が後ろ盾であった。

  しかし、フェリシアの故国トラキア連邦は滅亡して帝国に併合されており、フェリシアに後ろ盾は何も無かった。

  ジークは妃達の中で、何一つ後ろ盾の無いフェリシアの事を気に掛けていた。
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