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約束の泉
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☆~☆~☆~☆~☆~
少しだけ言い訳をさせてください。
森の奥の泉の横を通り過ぎて、その森を抜けると、ペルセフォネが冥界から持ち帰り、結界超えの花を植えた、デーメテールの丘に辿り着くんです。
そこの話に早く行って、ペルセフォーネと決別するコレーの本編を書きたいんです。が、なんだか、どうしても、泉が素通りを許してくれない。もう少し?で済むかな?この泉での昔話をさせてください。どうもこの夜の月明かりの泉で、語りたいみたいです。
~☆~☆~☆~☆~☆~
約束の泉
デーメテールもまた、その泉で遠い記憶を思い出していた。
「懐かしい痛みだわ」
過ぎ去った優しさは今もはっきりと、そして痛みを覚える記憶だ。
「私は、選べなかったの」
後悔なんてしていない。
ここが、此処こそが私の生きる道で、選んだ答えなのだから。
「だから、ついてはいけなかった」
私から、もうずっと一緒に居てと、約束よとお願いしたにも関わらず。私はその約束を守れなかったわ。
私はこの地上界に居ると決めたもの。
でも、その後の人生はあまりに理不尽で辛い運命だったわ。
この泉でした約束は果たせなくて、
まるでその罰の様に、その後の理不尽な辛い運命が待ち構えていた。
あの時は地母神の役割りを呪いたかったわ。
だから、つい考えてしまった、、、
ハデス兄さん
勝手に、行ってしまうなんて酷いわ。
一言、私にも相談して欲しかった。
一度でもここに迎えに来て欲しかった。
ああ、私も本当に我儘が過ぎるのね。
そうね、きっと血筋だわ。
私のワガママは親に似たんだわ。
だって、例え誘われて、相談されても、ここに迎えに来てくれたとしても、それでも私が、ここを離れるはずが無いわ。
愛する娘のコレーを無くしたと思って、再びこの大地を枯らせてしまったけれども。
それは、私の心が弱かったせいだわ。
もう二度とあんな想いはごめんだわ。
戻ってきたコレーをこんな風に悲しませない様に、私の力の限り守ってあげるから。
何を泣いているのか、突き止めて、、、
ん?突き止めて、もしもが有れば、、、
どうしましょう どうしよう
「さあ、デーメテール様。
急ぎますよ。先に行ったコレー様を見失ってしまいます。」
メンテーからそう言われて、泉からようやく視線を離しコレーの姿を追う。
「ごめんなさいね。久しぶりでつい時間だけ後戻りしたの。」
「いえいえ、そんなに『久しぶり』という訳ではありません。」
「そうだったかしら?」
「ええ。P32の『私の声は届きません』で、来ましたよ」
「え? 何?」
少しだけ言い訳をさせてください。
森の奥の泉の横を通り過ぎて、その森を抜けると、ペルセフォネが冥界から持ち帰り、結界超えの花を植えた、デーメテールの丘に辿り着くんです。
そこの話に早く行って、ペルセフォーネと決別するコレーの本編を書きたいんです。が、なんだか、どうしても、泉が素通りを許してくれない。もう少し?で済むかな?この泉での昔話をさせてください。どうもこの夜の月明かりの泉で、語りたいみたいです。
~☆~☆~☆~☆~☆~
約束の泉
デーメテールもまた、その泉で遠い記憶を思い出していた。
「懐かしい痛みだわ」
過ぎ去った優しさは今もはっきりと、そして痛みを覚える記憶だ。
「私は、選べなかったの」
後悔なんてしていない。
ここが、此処こそが私の生きる道で、選んだ答えなのだから。
「だから、ついてはいけなかった」
私から、もうずっと一緒に居てと、約束よとお願いしたにも関わらず。私はその約束を守れなかったわ。
私はこの地上界に居ると決めたもの。
でも、その後の人生はあまりに理不尽で辛い運命だったわ。
この泉でした約束は果たせなくて、
まるでその罰の様に、その後の理不尽な辛い運命が待ち構えていた。
あの時は地母神の役割りを呪いたかったわ。
だから、つい考えてしまった、、、
ハデス兄さん
勝手に、行ってしまうなんて酷いわ。
一言、私にも相談して欲しかった。
一度でもここに迎えに来て欲しかった。
ああ、私も本当に我儘が過ぎるのね。
そうね、きっと血筋だわ。
私のワガママは親に似たんだわ。
だって、例え誘われて、相談されても、ここに迎えに来てくれたとしても、それでも私が、ここを離れるはずが無いわ。
愛する娘のコレーを無くしたと思って、再びこの大地を枯らせてしまったけれども。
それは、私の心が弱かったせいだわ。
もう二度とあんな想いはごめんだわ。
戻ってきたコレーをこんな風に悲しませない様に、私の力の限り守ってあげるから。
何を泣いているのか、突き止めて、、、
ん?突き止めて、もしもが有れば、、、
どうしましょう どうしよう
「さあ、デーメテール様。
急ぎますよ。先に行ったコレー様を見失ってしまいます。」
メンテーからそう言われて、泉からようやく視線を離しコレーの姿を追う。
「ごめんなさいね。久しぶりでつい時間だけ後戻りしたの。」
「いえいえ、そんなに『久しぶり』という訳ではありません。」
「そうだったかしら?」
「ええ。P32の『私の声は届きません』で、来ましたよ」
「え? 何?」
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