冥界の愛

文字の大きさ
上 下
98 / 107

質疑応答  笑っていて欲しい

しおりを挟む


ハデス 「夜になると、神殿から泣き声が聞こえるという事は、寝て意識がない状態になると、無意識下で思い出しているんだ。忘却の術が弱まっているのか?」

ミノス 「夜になり、辺りが静まり返ると、昼には賑やかで紛れていたスピーカーから流れでる冥界の音が、よく響いてしまう。」

ハデス 「その音で忘却の術が弱くなる?まさか、寝ている姿はペルセフォネに変わってはいないだろうか?」


ミノス 「ついこのあいだまで、地上界はデーメテール様の大地の恵みから見放された、荒涼の世界だった。それは『生』と『死』がすぐ近くにあると言うより、そこで重なり合い、死は今という瞬間のただ続きだと人間達は自覚しただろう。
 コレー様がお帰りになり、デーメテール様が『豊穣の神』の役目を果たし、大地の恵の恩恵が可能になり、春の祭りの様に少しずつ活気を取り戻した。太陽に守られている間は人々に笑顔もあり、畑など仕事に勤しんでいる。
 しかし、また夜になれば、先日までの爪痕を思い出す。以前ならば月明かりの中で酒を楽しんだ者達もいでただろう。けれども、今は夜は静かなる闇だ。
 そして闇夜の中、あちらから冥界の死者の呻き声や死の河の流れの音が聞こえる。
もうこちらからは、コレー様の泣き声だ。大地の女神の娘のコレー様の泣き声は、大地が感情に反応する。
 あちらはデーメテールの丘(界渡りの花)から、こちらはデーメテール様の(お家)神殿から響いているとなっている。人々も泣き声は『呼応している』『まるで冥界からコレー様を呼んでいる様だ』と噂されるのも納得できるよな。
全く俺たちがコレー様を呼んでいた訳ではないが、これではまた娘を取られたデーメテール様が再び、大地を荒らしてしまわないかと戦々恐々としている。」

ハデス 「安心しろ。もう二度とあの娘が母の元を離れる事はない。大地は再び眠りについたりはしないだろう。」

ミノス 「じゃあ、ハデス様とペルセフォネ様とは、決して会う事はないんですか?
 でも、泣いてる様ですよ。このままじゃダメでしょう?さっきの話聞いてましたか?ここが辛かったから今、泣いているんじゃなくて。ここで笑い楽しそうにしてましたよね?向こうに帰ってしまったから、泣いてるだろうとそういう答えでしたよね?」

ハデス 「泣かない様に、もっと強い術をかけなおさなければならない」

ミノス 「問題はそこじゃない!それでは解決にならないとわかってるでしょう?
既に覚醒されたのに、黒髪のペルセフォネの姿がもう本来の姿なんでしょう?だから誤魔化してるのも限界だったって事でしょう?」

ハデス 「どうしろと? あの娘には誰よりも笑っていて欲しいのに  」









~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~





ハデス 「寝ている間の知らないうちにペルセフォネに変身していたら、パジャマがキツくなったりしないだろうか?お臍が出て風邪でもひいたりしないだろうか。いや、もしかするとパジャマではなく、ナイトドレスだったら安心だが。ペルセフォネのネグリジェか、、、、、(鼻血)」


ミノス 「ゴォラァーーー ××××!!」


キャラ崩壊なので想像するだけにしてます。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

貴方もヒロインのところに行くのね? [完]

風龍佳乃
恋愛
元気で活発だったマデリーンは アカデミーに入学すると生活が一変し てしまった 友人となったサブリナはマデリーンと 仲良くなった男性を次々と奪っていき そしてマデリーンに愛を告白した バーレンまでもがサブリナと一緒に居た マデリーンは過去に決別して 隣国へと旅立ち新しい生活を送る。 そして帰国したマデリーンは 目を引く美しい蝶になっていた

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

処理中です...