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ペルセフォネ【覚醒】 2、回収とマーキング
しおりを挟む《また、いつか 未来に我々へと帰るだろう。愛子達よ》
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宇宙の意識集合体からペルセフォネを連れ帰る宣言をし、許可をもらった。
ハデスはペルセフォネの全てを捕まえる為に、粒子を追いかけるのに、全ての意識と力を使う決断をする。
ペルセフォネは思っていた。
(いったい どれだけの距離を広げないといけないのか。どこまでも広く深く。
どれだけ意識を広げて見つけて回収しないといけないのか?そんな事が可能か?ハデス様自身に、もしもの事があれば私達の世界は壊れてしまうだろう。あまりに無謀な決意ではないのか?私一人の犠牲で済ませた方が…)
この漂う意識の中で、自分の考えが内緒にできるはずもなく、ハデス様がそんな風に思っているペルセフォネ(一部)を包み込む。
『共に帰るぞ。そばにおいで』
その為に、
まず、自身の力を全て此方に開放する為に
あちこちに押さえ込んでいる闇に対しても睨みを効かせたあと、関係機関に警告する。
通達警告する。
『ゼウス、天界への力を解くぞ!守れ」
『ポセイドン、海への力を解くぞ!一切波を立てるな!』
『デーメテール、連れ帰るから地上の人間達を守れ!』
『婆さん、大地への力を削ぐぞ!抑えておけよ!』
『爺さん、一つも星を落とすなよ!』
『ヘルメス!アポロン他アトラスなど衝撃がくる所へ連絡調整に疾れ』
『レア、嫁を連れ帰る。いいな』
『クロノス!今からカオスに入る。邪魔するなら容赦はしないからな』
『俺のとこは、信頼している。タルタロスは今から一時的に蓋をする。一番揺れるぞ!みんな頼んだぞ』
さぁ、やってやる!久しぶりに全力開放だ!
漲るパワー、溢れる(男)気、肉体
じゃないのに、交戦的にニヤリと笑う口元に、しかもギラギラしている目なのかと思うと沈着冷静なクールな瞳で真っ直ぐ見ている。
本気で行く時のハデス様だ。かつての大戦の時はこれにゾッとする冷気を纏っていた。さすがにカオス相手に殺気を込めても仕方ないだろう。共に戦った兄弟達が見ていれば、そんな感想を述べただろう。
カオスに入って行く。
取り戻す。
全世界から。カオスからも。宇宙からも。
混沌の世界のカオスの中に入り込み意識を保ち、かつペルセフォネの破片を全て見つけ出して一つ一つをハデスで包む。選別にマーキング。
全宇宙世界に飛び散っていった破片粒子にもそれ以上に広がり、同様に選別にハデス自身で包みマーキングする。
途方もない距離と細かい作業を膨大な量を、しかも限られた時間の中で終わらせないと魂と肉体の融合できない。
カオスの中では、物凄い脱力感でいつもの様には力も使えない。
飲み込まれる個人として意識の中で、何度も自身の傷を抉ってハデスとして意識を保つ。肉体的に痛みの意味はなく、過去の暗い闇を抉る事によって悔しさ、悲嘆怨みなどの闇として個としてこだわりを傷として痛覚刺激で正気を保つ。
痛み刺激と言うよりなんだか情けなくなってしまう。俺、まだそんな所に拘っていたんだなぁって。
まぁ、それでも正気を保つにはこれが一番かも。これも全て愛しい人を連れ帰るためと思い直して、一つも残らず力を注ぐ。俺の力を俺の色をペルセフォネの細胞に纏わせる。
急げ!ウォーーーーーーーー!
『 残らず俺の物になったか? 』
(はい!)(はーい)(はいはい)(🙋♀️)(YES)(うん!)(へへへ)(❣️)
では、
『ペルセフォーネ、冥界の俺の側に戻ろう』
宇宙に飛び散ってしまったペルセフォネの肉体と魂の断片が一つ一つハデスにマーキングされて、凄まじい勢いで地球に向かって冥界にハデスの肉体の側に集まってくる。
飛び出した時の勢いよりも、集まる時のパワーはペルセフォネとハデスの両者の力が合わさりあって、かつて無いほどの衝撃波が地球を冥界を襲う。あちこちで揺れる揺れる揺れる。
回収終了、mission complete
二人が去った後の宇宙では、
ハデスの元にペルセフォネの一部を表出し手放したカオスが優しく見守ってくれていた。
《また、いつか 未来に我々へと帰るだろう。愛子達よ》
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後々の世で、隕石の大衝突があったと人々の歴史に記載された。
「ふん!ワシのせいでは無い。星一つ落とさなかったぞ」と、つぶやく神もいた。
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