冥界の愛

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ペルセフォネ 【覚醒】  1、拡散と同化

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 拡散する意識、同化する集合体。


 
 光とともに弾け飛んだペルセフォネが小さな小さな粒子となってどこまでも広がり続けていた。



 あまりに小さなレベルになってしまい、他の細胞に入り込んで溶け込んでしまい個人のして意識が保てない。

 しかも広がり続けている事であちこちに意識が、存在してしまいもはやそれはペルセフォネの個人の意識ではなく大いなる意識の集合体としてしか存在出来なくなるだろう。
 
 宇宙は、素粒子のレベルから、原子、分子、高分子というレベルを経て、細胞、組織、個体、生態系、そして惑星、恒星系、銀河、銀河団、宇宙というレベルまで、様々なレベルで構成される階層性を持っている。
 それら全て大いなる意識の集合体として存在していた。

 それを人は存在意識というのか、ある者にとってはそれを偉大な神というのか、又は 歴史を作る物、星を繋ぐ者、宿命の決定者と呼ぶ者もいてるだろう。

 その中で私達のもつ個人という意識は個体レベルというある特定の中間レベルのごく僅かな統一させた意識の寄せ集めの限られた一部に過ぎない。

 ペルセフォネの拡散した意識はそのまま進むと集合体に、同化してしまう。

 集合体との同化は個人をなくす代わりに?もの凄い幸福感をもたらす。何より孤独感を持っていた者は自ら進んで集合体を探すだろう。

 


 あぁ ダメだわ。私、壊れてしまう。  
 あぁ どこまで昇って行くの?どこまで沈んで行くの? 

 でも、なんて気持ち良いの。
 あぁ この幸福感に抗えない。

 あぁ 色んな物を通り抜けてしまう。

 あぁ 凄い。冥界の深い暗いあんな場所で、伝説の巨人達や古代の神々が住んでたなんて。お話しの中だけではなかったのね。

 あぁ 母さまがいる。そうだった私、コレーだった。ビックリさせてごめんなさい。みんなお母様のそばにいて。
 あぁ 天上の幼馴染を通り抜けてしまう。そうアポロンあなた、だから次期ゼウス父様だったのね。理解納得。

 あぁ なぜ海洋界に お母様と中身が同じ女の子がいてるの? 貴女は誰? え?お姉様? 他にも?えーー?

 あぁ 此処は?これは何? 暗闇に浮かぶこの青い丸く影のある球が私達?
そしてもっと眩しい丸があってアポロンはあれの化身だったの?


 あぁ まだ止まらない。あちこちに飛ばされ続ける。宇宙って何?

 あぁ 光の、星々が遠く近く 更に闇?いえ光が届かないところ? あそこに飛び込むの?いえ凄い勢いでスピード加速して引き摺り込まれて行くんだわ。暗い暗い暗い暗い暗い…何か見え始めようやく出口なの?

 あぁ 今度は光が溢れる。 何?さっきまでの景色が少しずつ色んな形を変えて存在しているの?
 
 あぁ まだ進むの? これは何?
 





 あぁ《 始まりのカオス! 》



 純粋な、混沌の中 集合体でさえ混沌に溶け合ってる。

 

 ペルセフォネが、もはや全てを手放し 抵抗を無くそうとした その瞬間。

 ( ん? )


 何か呼ばれた様な気がして、辛うじて残っているペルセフォネとしての個人の意識が、ごく一部分だけ集まり、気がついて振り返る。



 (もう、、、本当にダメだわ。無くなってしまう。私が。私という意識さえもう無くなってしまう。これが死ぬって事? 死ってこういう事なのかしら?)




 そう怖くは、、、ないかしら。

 ただ、残念、そう心残りがあるとしたら。

 
 

 そうね、せっかく名前つけてもらった途端だったから。
 もう一度でいいから、あんな風に呼んでほしかった。

 ( あなたに 名を。)


 
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