冥界の愛

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やっぱり饅頭なのか?越後屋とお代官様

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 この裁きの場の責任者であるミノスは、ただ黙って二人を見守り続けてくれている。
 いや、、、本当は見えないが。


 
 

 ミノスは彼女との長いループを思い出していた。



 彼女とはもう長い付き合いになったな。何度も我らの元に、俺やアイアコスとラーダの前に裁かれに来る。


 

 『 赦す 』のは心だ。


「人を恨む事は自分が不幸になる」と、ありふれたセリフだったな。
ああ、わかっている。
頭では「許す」事ができる。
自分の幸せや楽になるや自分が苦しまなくても良いように、恨みを捨てて 許すのだできる!頭ではもう充分にわかってはいる。理解はする。そう理解するのも頭だものな。


 ただ赦すのは心がするんだ。




 まだダメなのか?
 まだ苦しむのか?
 まだまだ納得しないのか?
 まだ救われたくないのか?

長い長い本当に長い時を苦しみ、寂しさを怒りにかえて、愛が深い者は憎しみも強い。どれだけ時間が経っても彼女の心はおさまらない。彼女自身が赦さない。





 彼女がまた仮面をつけそうになると、コレーはそっと抱きしめた。コレーは地上で花々が元気になるように力を流すのと同じ様に何度も彼女に力を流した。多分、人を癒すという事はしたことがないのだろう。
 それだけコレーも守られていた存在だったのだ。まだ子どもだったんだ。

 良くも悪くもこの冥界に来て色んな評価を受ける。ある時は傷つく事もあったが、ここでした事はコレー自身の評価となる。
 今までは全てデーメテール様の娘だから出来て当たり前だろうと、さすがデーメテール様の娘だと褒められる。


 何の因果なのか、この悲しみの仮面の彼女と同じだな。



 
 まだまだ成長途中のコレーだから、力の使い方がセーブできていない。全て彼女に全力投球で注ぎ込む。
 よくそれで保っていると感心する。
さすがは直系ゼウスと大地の女神の血を引くだけである。深淵の闇を治める計り知れない力を持つハデス様は例外としても、このお嬢さんもかなりの上位の力を保有しているのだろう。これでまだ覚醒前なのだから。


 ひょっとすると、この子化けるかも知れないな。



 それに、この冥界では、反対にデーメテールの娘だという事実はステータスシンボルにはなっていない。
 ここでのデーメテール様は色んな誤解があるから。現にヘカテーは随分とお嬢さんに当たりがきついしね。まぁ、お嬢さん自らが成長するには必要だろう。

 偉大なる母の影響を受けないという環境ならば打って付けの場所だな。
 そう考えると、本当にお嬢さんがここに落ちたのはホントに偶然なのか?

 もともと、あのデーメテール様の近くにはハデス様が気にしてて監視カメラが置いてあった。それは間違いない。
 でもって、界渡りの花は力を流すと異界に繋がってしまう。それも間違いないな。
 デーメテール様の近くならば娘のコレー様が触るのも当然考えられる。うんうん。


 ……………。


 やっぱ偶然かなぁ。なんかどっか引っかかるんだけどなあ。なんて言うの?出来すぎてる気がするんだけどな。


 でも、ハデス様のあの慌てようや、デーメテール様の地上がえらい事になってる見ると、少なくともその二人が仕組んだ様には知ってた様には思えない。

 じゃあ、あの父親?(偉大なるゼウス大神さまは、全ての神や人類の父なる神らしい。)
あれ(ゼウス様)も、何考えてるのかわからない事多いけど。でも、ハデス様まで騙すとは考えられない。
 どっちかというと、デーメテールとハデス様の事を一番気にしてるのはゼウス様という感じがするものな。


 じゃあ、、、、、誰?


ミステリーを解く時は、
結局『誰が1番得をするのか?』から始まる。
『誰にとっては得か損か?』
『明らかな絶対的な証拠』

そこに隠された人間関係から動機を見つけ、手段を探す。
そのためには徹底して情報収集と偏見の無い視点が大事だ。
思わぬ犯人が出てきても、集めたカケラが信じられなくとも犯人を示しているというパターンだな。


 こういうのは、あいつが得意そうだけどな。この前の時はタッチの差で会えなかったが。
 まぁ、あいつはゼウス様寄りだから犯人がわかってもゼウス様やアポロンの不利になる事なら隠すか、下手したら証拠隠滅だな。



 でも、こんな陰謀 誰が何のために?



 
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