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1 エゴイスティック≒ヒロイック
3.私の中のお兄さんの好感度が急上昇していく件②
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「おはようございます……」
慣れない場所に緊張して夜中に何度か起きてしまった私は、あくびを極力丁寧に噛み殺しながら起こしに来てくれたらしいアルに挨拶をする。
「おはよう。……寝られなかったか?粗末な部屋で悪いな」
おお、流石色男。
よく変化に気づく。ちゃんと隠したつもりだったのに。
「ううん。ベッドとかふかふかで凄く居心地良かったです。ちょっと緊張しちゃっただけ。素敵なお部屋をありがとう」
粗末な部屋に掛けて返しながら、本心から言っていることを示す為にへにゃりと笑顔も添える。
ほんとにいい部屋だったんだよ。客間なんてそんな使わないだろうにすぐ泊まれるくらい綺麗だったし。家具も揃ってたし。
そんな私を見て、アルは昨日と同じようにどこか困ったように苦笑いした。
「……朝食を用意した。食べられそうか?」
なんとご飯まで用意してくれたと。
しかもその口ぶりからするとご自分でお作りになられましたね?
これはモテますわ。
泊まった日の朝に恋人が朝食用意してくれてるとか女の子だったらきゅんとするに違いない。……多分。ちょっとそこらへん疎いので想像ですが。
少なくとも私は嬉しい。きゅんとはちょっと違うけど、昨日からアルの優しさが身に染み入っている。
というかこういうの一宿の恩として私が買って出るべき仕事でしたよね。ごめんなさい。でも是非頂きたいです。
*************
「ご馳走様でした!凄く美味しかったです!」
ダイニングに案内されてから30分ちょっと。私は大満足でフォークを置く。
ちなみにこの国ではフォークとナイフが主流らしい。
今回は内輪(?)のご飯だったから関係なかったけど、マナーも向こうと大体一緒。貴族のアルの所作を観察したんだから間違いない。
細かいところは違ったとしても、必要に応じて詳しく習えばいいだろう。
いや、それにしても美味しかった。
パンは小麦の甘みがよく出ていて噛めば噛むほど味が出たし(正直スープにつけないと食べられないような堅パンを想像してた)、ベーコンは厚く切られて外はカリカリ中はジュワッだ。
オムレツは新鮮な卵とバター使われてふわっふわ、とろりとしたじゃがいもベースのポタージュは数種類の野菜の旨味が絶妙なバランスでとけ合っている。
素材もいいのだろうけど、アルの料理の腕はかなりのものだ。
量は十分頂いたのだけど食べ終わっても味を反芻して恍惚としてしまう。
「ふっ…ははっ……ああ、君の食べている時の顔を見ればわかるよ。口に合って良かった」
アルはそんな私を見て非常に楽しそうに笑った。
彼は意外と笑い上戸らしい。
「さて、少ししたら準備をして出ようと思うのだが構わないか?」
「うん!あ、王宮へは市街地を通って行くことはできる?」
この世界をまずは自分の目で見たいと訴えるとアルは快く頷いてくれた。
「そうだな。ついでに服も新しく買った方がいいだろう」
あー言い忘れたけど私、実は現在異世界産のワンピースちゃんと着てるんです。はい。
何故かアルが女物の服持ってたんですね。「新品だから大丈夫。」って爽やかに笑われたけどそういう問題じゃないですね。まあツッコまない!ツッコまないんですけど!!
まあ朱色の色っぽいデザインはどう欲目で見ても似合ってないだろうし、仮にも王宮に上がるならドレスとまでは行かなくてもそれなりの格好はした方がいいだろう。
元の世界から着てきた服は、ジーンズ、シャツワンピ、カーディガン。……ちょっと厳しいかな。
服が異世界人たる証明になるーーということもアルの反応を見る限りなさそうなので、ここは素直に彼に頼ろうと思う。
「では、準備が出来たらまたこちらに来てくれ」
「はーい!」
慣れない場所に緊張して夜中に何度か起きてしまった私は、あくびを極力丁寧に噛み殺しながら起こしに来てくれたらしいアルに挨拶をする。
「おはよう。……寝られなかったか?粗末な部屋で悪いな」
おお、流石色男。
よく変化に気づく。ちゃんと隠したつもりだったのに。
「ううん。ベッドとかふかふかで凄く居心地良かったです。ちょっと緊張しちゃっただけ。素敵なお部屋をありがとう」
粗末な部屋に掛けて返しながら、本心から言っていることを示す為にへにゃりと笑顔も添える。
ほんとにいい部屋だったんだよ。客間なんてそんな使わないだろうにすぐ泊まれるくらい綺麗だったし。家具も揃ってたし。
そんな私を見て、アルは昨日と同じようにどこか困ったように苦笑いした。
「……朝食を用意した。食べられそうか?」
なんとご飯まで用意してくれたと。
しかもその口ぶりからするとご自分でお作りになられましたね?
これはモテますわ。
泊まった日の朝に恋人が朝食用意してくれてるとか女の子だったらきゅんとするに違いない。……多分。ちょっとそこらへん疎いので想像ですが。
少なくとも私は嬉しい。きゅんとはちょっと違うけど、昨日からアルの優しさが身に染み入っている。
というかこういうの一宿の恩として私が買って出るべき仕事でしたよね。ごめんなさい。でも是非頂きたいです。
*************
「ご馳走様でした!凄く美味しかったです!」
ダイニングに案内されてから30分ちょっと。私は大満足でフォークを置く。
ちなみにこの国ではフォークとナイフが主流らしい。
今回は内輪(?)のご飯だったから関係なかったけど、マナーも向こうと大体一緒。貴族のアルの所作を観察したんだから間違いない。
細かいところは違ったとしても、必要に応じて詳しく習えばいいだろう。
いや、それにしても美味しかった。
パンは小麦の甘みがよく出ていて噛めば噛むほど味が出たし(正直スープにつけないと食べられないような堅パンを想像してた)、ベーコンは厚く切られて外はカリカリ中はジュワッだ。
オムレツは新鮮な卵とバター使われてふわっふわ、とろりとしたじゃがいもベースのポタージュは数種類の野菜の旨味が絶妙なバランスでとけ合っている。
素材もいいのだろうけど、アルの料理の腕はかなりのものだ。
量は十分頂いたのだけど食べ終わっても味を反芻して恍惚としてしまう。
「ふっ…ははっ……ああ、君の食べている時の顔を見ればわかるよ。口に合って良かった」
アルはそんな私を見て非常に楽しそうに笑った。
彼は意外と笑い上戸らしい。
「さて、少ししたら準備をして出ようと思うのだが構わないか?」
「うん!あ、王宮へは市街地を通って行くことはできる?」
この世界をまずは自分の目で見たいと訴えるとアルは快く頷いてくれた。
「そうだな。ついでに服も新しく買った方がいいだろう」
あー言い忘れたけど私、実は現在異世界産のワンピースちゃんと着てるんです。はい。
何故かアルが女物の服持ってたんですね。「新品だから大丈夫。」って爽やかに笑われたけどそういう問題じゃないですね。まあツッコまない!ツッコまないんですけど!!
まあ朱色の色っぽいデザインはどう欲目で見ても似合ってないだろうし、仮にも王宮に上がるならドレスとまでは行かなくてもそれなりの格好はした方がいいだろう。
元の世界から着てきた服は、ジーンズ、シャツワンピ、カーディガン。……ちょっと厳しいかな。
服が異世界人たる証明になるーーということもアルの反応を見る限りなさそうなので、ここは素直に彼に頼ろうと思う。
「では、準備が出来たらまたこちらに来てくれ」
「はーい!」
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