トリプルクラッシュ ~3つの星の時空を越えた運命~

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第二部 エリミア編

97 聖なる悪魔

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「はぁー。二人とも、相討ちか?」

 アイリンは部屋で倒れてるシュリオンとガルクをそれぞれ触った

「おいおい。私が考えだした真犯人はもっと優秀だと思っていたが?・・・起きろ!」

 アイリンは部屋内で叫んだ。すると、アクトが最初に目を覚まし、部屋内を飛び回った。次にガルクが起き上がった

「・・・アイリン隊長?」

 ふらふらになりながら、ガルクはアイリンの名前を呼んだ

「おはよう。ガルク」

「・・・どうしてここに?」

「話は後でしてやるさ。いつまで、そうしているつもりだ?」

 アイリンは倒れてるシュリオンに言った

「お見通しですか・・・」

 シュリオンはボソボソと小さな声で言うと、ゆっくり立ち上がった

「これは、これは、アイリンさん。ガルクを捕まえに来てくれたのですね」

「シュリオン。私が君の味方をすると?」

「残念だな。アイリンは僕の味方だ」

 ガルクはすっかり狂暴な雰囲気から、元の優等生キャラに戻っていた

「ガルク君さ。君も相当バカだよな。私がここにいる理由を考えたらどうだ?お前は、私にリンドルズ学校をどうにかしろと命令したはずだ」

 アイリンはそう言うと、ガルクは沈黙した。そして、構えた

「アイリン。どういうことだ!?裏切ったのか?!」

「別にシュリオンについたわけではない。もっと、大いなるものについたのだ」

 シュリオンも状況を飲み込めていないようだった

「リッゾル君~!」

 アイリンが言うと、拘束されて宙に浮いてるリッゾルがゆっくりと勝手に入ってきた

「リッゾル?!・・・アイリン!」
 
「そう、ムキになるなよ。リッゾル君には悪いことをしたと、これでも反省はしてるんだよ」 

 ガルクはシュリオンが先ほどまで使っていた、ペネットが近くに落ちているのが目に入った。小さく口笛を吹くと、アクトが肩に乗った

「合図で襲え」

 ガルクはアクトに小さな声で囁いた

「さてと、エリミアを壊そうとした主犯格であるガルク、スミ、リッゾル。こいつらは、私の敵だ!」

 アイリンはその場に、空間を切り裂いた。すると、数秒後にスミが拘束された状態で部屋内に浮いたまま入ってきた

「やぁ。スミさん」 

「アイリン?どうして・・・」

 スミは状況を理解するために、部屋内を見渡した。ガルクとシュリオン、アクト、リッゾル、アイリンはみんなスミを見てた

「リッゾル・・・。ガルク・・・」

「スミ。理解できないだろう・・・。分かるさ、私が君の立場でも理解できないからね」

「アイリンが裏切った」  

「アイリンが?!」

「何で、ガルク君はそう言うことすぐに言うのかな~!」
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