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第二部 エリミア編

86 始動

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「私に何をしろと?フェルムス隊員達に口利きを?裏社会の奴らの情報を?私がじきじきにシュリオンを捕まえに?」

「どれも、やってほしい内容ですが、それらは僕がやります。あなたは、僕の友人と共に、リンドルズ学校の教師達を足止めしてほしいんです」

 アイリンの顔は真顔になった

「リンドルズ学校・・・。なるほど・・・。友達・・・。リッゾルとかいうやつか?」

「なぜ、リッゾルのことを?」

「リッゾルの行動は常に監視されていますよ。リンドルズ学校のテロ事件の後から」

「え?!ずっと!?」

「さすがに、四六時中ではないですよ。不定期に監視をしているだけです」

「それで、僕と仲が良いことを・・・。もしかして、エリミアで一番怒らせちゃいけないのは、あなたかもしれませんね」

「つまらない世の中だと昔から思っていた。誰かが変えないと、エリミアは終わる。私は、ガルーダならどうにかしてくれると思っていた。ガルーダがいたから、世界は輝いていた。だが、ガルーダ亡き後の世界はどうだ?双子の息子達は、協力し合うどころか敵対。エリミアの崩壊は進み。親友の私は、隠居生活。実につまらない!」

「あなたは昔から、変革を起こしたかったと?」

「あぁ。英雄の子孫が史上最悪の犯罪者。最高にワクワクするな!」

 この人も相当、イカれてるとガルクは思った



 ガルクは空間を切り裂いた。行き先は、シュリオンのいる宮殿

「この世を崩壊へと導く、最高の犯罪者。そいつは、我が兄シュリオン!フェルムスの名誉にかけて、必ず捕える!ついてこい!」

 ガルクは自分の部下であるフェルムス隊員にそう言った。フェルムス隊員も、普通なら上司に反乱を起こす命令だが、前フェルムス隊長アイリン・クルトナの口利きもあり、全員が、シュリオンを悪だと認識してしまった

「唯一王シュリオン!フェルムスだ!連行する!」

 ガルクは宮殿に入るなり、大声でそう言った

「シュリオンは僕の獲物だ。他は好きにしろ」

 ガルクは自分の背後にいるフェルムス隊員達にそう言った。フェルムス隊員達は散り散りになった。フェルムスの中にまともな奴なんてほぼいない。戦闘狂の奴や、人の不幸が好きな奴。力を誇示したい奴。みんな、変わってる。だが、一部のまともな奴らの何人かは、フェルムスを直前に辞めていた。そして

「やぁ」

「フェルムスを辞めたと思ったら、そっち側についてるとはな!」

「元同僚に手加減できるかな?」

 まともな奴らの何人かは、ガルクとアイリンの指示に従えず。唯一王直属の軍に入っていた。そして、攻めてきたフェルムス隊員達と敵対関係になっていた
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