トリプルクラッシュ ~3つの星の時空を越えた運命~

設楽 件

文字の大きさ
上 下
123 / 160
第二部 エリミア編

63 フェルムス入隊

しおりを挟む

「けどさ、今年のフェルムス入隊者が三人もいるって、すごくない?!」

 ドードルがガルクとフィオルに言った

「確かに、例年一人。二人いたら、奇跡と言われるはずだもんな」

「普通に学校生活を送ればそうでしょうが、僕らは学年をわざと合わせましたよね?それが、原因では?」

「フィオル。痛いところを言うなよ。確かに、わざと合わせたから例年より多いはずだよな。必然の入隊」

「ドードル。必然の入隊という言葉はピッタリだ。三人とも、リンドルズ学校での単位は自力だが、フェルムスの入隊はコネだもんな」

 ガルクの言葉に、フィオルとドードルは少し赤くなった

「ドードルは、単位取んなくてもクルトナ家だから入れるし。フィオルはリンドルズ学校のテロでフェルムスと仲良くなってるから加点だ。そして、僕は唯一王の息子だから余裕」

「確かに。もしかしたら、僕らって史上最悪の新人になるかもしれませんね」 

「あれだろ?誰だよ!あの使えない新人を採用してきた奴は!になりかねないわけだ」
 
「僕らも問題だが、もっとヤバいのはあっち」

 フィオルがシュリオンとフェーナを指差した

「シュリオンは馬鹿だから、唯一王を目指すと思ってたけど。フェーナは何がしたいんだ?」

「フェーナを一番知ってるのは君だろ?」

「そうなんだけど。僕はてっきり、教育者にでもなりたいのかと思ってた」

「次の選挙いつだっけ?」

「一年後」

「落ちたら、笑ってやるか」

「ところで、アクトはどうするの?フェルムスに連れていくの?」

「もちろん。アイリンもアクトの利便性は知ってる。歓迎してくれるんじゃないか?」

「来週から働くのか~。僕らって史上最年少の隊員?」

「いや、ドードルの歳で2番目だ」

 リンドルズ学校での日々はガルク達にとって、かけがえのない物だった。そして、卒業してフェルムスに入隊する日がやって来た



 アイリン・クルトナが今年の新入りを見て、顔がピリついてる

「ついに、この日が来てしまった・・・。フェルムスも終わりだな」

「新世代に不安?若すぎた?」

「いや、馬鹿三人と、そのペットが同時に入隊なんて、誰が面倒みるんだよ」

 横に並んでるドードル、フィオル、ガルクとアクトを見て絶望してる

「父さん。何で採用したんだよ」

「成績は申し分なく、実績もある。そして、私がよく知ってる人物だから、つい・・・」

「この人が隊長で、よく今までやってこれたな」

 ガルクがボソッと言ったことを、フィオルがビシッと頭を叩いた

「早速、新入りに凶悪犯でも捕まえてきてもらうか・・・」

 アイリンは空中で手を操作した

「名前はヨーデル。こいつを捕まえてこい。殺すの禁止な」

 空中に老人の姿が浮かび上がった

「窃盗の常習犯。逃げ足が異常に速くて、住所不定。早速、初任務が大物だ」

 アイリンが三人の方を見た。しかし、ガルクはその場で眠り。ドードルは部屋から消えていて、フィオルは真面目に聞いていたが、アクトにじゃれつかれて、集中できていなかった

「ガルク、起きろ!ドードル!戻ってこい!アクト、やめろ。フィオル、話聞いてたか?」

「はい」

「じゃあ、二人と一匹連れて逮捕してこい」

「了解」

 フィオルは、眠そうなガルクを引っ張り、ドードルを捜しに行った。アクトはガルクの肩に止まった
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

偽物の侯爵子息は平民落ちのうえに国外追放を言い渡されたので自由に生きる。え?帰ってきてくれ?それは無理というもの

つくも茄子
ファンタジー
サビオ・パッツィーニは、魔術師の家系である名門侯爵家の次男に生まれながら魔力鑑定で『魔力無し』の判定を受けてしまう。魔力がない代わりにずば抜けて優れた頭脳を持つサビオに家族は温かく見守っていた。そんなある日、サビオが侯爵家の人間でない事が判明した。妖精の取り換えっ子だと神官は告げる。本物は家族によく似た天使のような美少年。こうしてサビオは「王家と侯爵家を謀った罪人」として国外追放されてしまった。 隣国でギルド登録したサビオは「黒曜」というギルド名で第二の人生を歩んでいく。

不遇な王妃は国王の愛を望まない

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。 ※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷 ※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

処理中です...