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第二部 エリミア編

59 汚染地域の中へ

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 アイリンとガルクは走り出した。ネオルノ先生とドードルはアクトに空から運んでもらっている

「ガルク。休憩したかったら言えよ」

「了解。ところで、どうして遺跡まで空間移動しないの?」

「したくても、できないんだよ」

 二人は並んで走りながら、会話してる

「汚染地域の大半が、空間移動するための空間が、環境のせいで開きにくいのが一つ目。これは、火山地域や山岳地域でも同じことだが・・・。開けたとしても、安全の保証が少ない。もしかしたら、酸素がないかもしれない。毒ガスが充満してるかもしれない。空間を開いた瞬間に、意識が飛ぶ可能性もあるのが二つ目。あと、空間移動を行うと足がつきやすい。古代遺跡に行ったことを、知られたくないのが三つ目」

「なるほど。だからって、何で走るの?ゆっくり進めば、環境に適用しやすいんじゃない?」

「お前とネオルノ先生は学校。私は仕事。ドードルはリンドルズ学校への転入手続きがある」

「ドードルが学校に転入するの?!」

「お前らが一年前に、提案してきたんだろ!?」

「しましたけど。ドードルと話合ったのですか?」

「当たり前だ!だけど、テロ事件の後すぐに転入させたら、クルトナ家が学校を監視させるために送り込んだと思われんだろ?」

「確かに、タイミングが悪いですね」

「だから、時間を取った」

「けど、良かった!テストは受けたの?」

「まだだ。だが、フェーナより年下だから、低学年スタートでもいいかもしれない」

「ダメだよ!才能がもったいない!」

 その時、アイリンが止まった。ガルクも遅れて止まる

「どうしました?」

「ガルク。今、肉体強化して走ってたか?」

「いいえ。素で走ってました」

「それは、良かった。あれを見ろ」

 アイリンは前方を指差した。ガルクは指差した方を見る

「汚染が強い。それに、そろそろ猛獣達がいるエリアに入るぞ」

「知らせます?」

「あぁ」

 ガルクは口笛を吹いた。すると、ネオルノ先生とドードルを運んでいたアクトがやって来た

「どうしました?」

「ネオルノ先生。汚染が強くなります。そして、猛獣達がいるエリアに入るそうです」

「では、慎重に進みましょう」

 すると、アイリンは腰に着けているポーチから、キーホルダーサイズの銃器を取り出した

「ネオルノ先生。これを」

 ネオルノ先生が受け取ると、小さい銃器が肥大化して、通常のサイズになった

「空にもいるかもしれません。危険なら、使用してください」

「父さん。僕にはないの?」

 ドードルが物欲しそうに見てる

「子供が扱っていいものではない」
 
 ドードルは残念そうにした

「じゃあ、気をつけて」

 ネオルノ先生が言い終わると、タイミングが分かっていたかのように、アクトは飛んだ
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