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第二部 エリミア編
53 深夜の校長室
しおりを挟む「いいの?」
「話をしたかったのでしょ?」
校長はガルク達と同い年くらいの見た目に変身した
「お邪魔します!」
三人は校長室に入った。フィオルは初めて入るので、装飾を一通り見てる
「話が長くなるなら、何かお出ししましょうか?」
「すぐ終わります」
「掛けなさい」
校長が指を指したところに、横長のソファが現れた。ガルク達は、腰を掛けた
「それで・・・。教師達を犯人扱いするに至った経緯を話してください」
ガルクとフィオルがシュリオンを見た
「俺?えっーと。俺達はテロリストがリンドルズ学校を襲ったのは、陽動ではないのかと思ったんです」
「なるほど」
「けど、学校ではなく別の場所を襲うことは無いだろうと結論に至りました」
「なぜ?」
「わざわざ警備が厳重な学校を陽動のために襲うのは、考えにくい。それに、陽動だとしても、他に襲うところがありません」
「宮殿や元老院。フェルムス本部は?」
「宮殿はテロリスト達からすれば、強敵しかいません。父さんを暗殺するのが目的ならオススメはしません。返り討ちです。それに、父さんは今日、宮殿にはいませんでした。あと、学校が襲われたら、父さんはこっちに来ます」
「元老院は?」
「元老院を襲うことはできますが、それなら元老院を陽動にして学校を襲うはずです。次に、フェルムス本部ですが、公にはされていないので、本部を襲えますか?知ってたとしても、フェルムスとは戦いたくないでしょ?」
「完璧です!見事!その歳の子供三人で考えたなら、すごいことですよ!学校以外には襲われてないとの正確な情報が届きました」
「それで、テロリスト達が学校内にあるものが狙いだったんじゃないかと」
「例えば、あれですね?」
校長は蘇生装置を指差した
「そうです。けど、そういう類いの貴重な装置や物をどこに保管してあるのかをテロリスト達は恐らく知らない」
「だから、情報を持ってる教師やフェルムス隊員が首謀者ではないかと考えたのですね?」
「はい」
校長は老人の姿に変わった
「そうですねー。けど、一通り確認しましたが、異常はありませんでした」
「じゃあ、リッゾルみたいに異変がある生徒は?」
「今日は、部屋での待機の指示を出してるので、確認はしてませんが・・・。一人ずつ確認していくのは現実的ではありません。早ければ明日から、保護者対応が始まりますから、人員がいません」
「分かりました。話は以上です」
シュリオンはソファから立ち上がった。ガルクとフィオルも続けて立ち上がった
「三人とも、心配をかけてすいません」
「校長も、大変なのにすいませんでした」
「真っ直ぐ、部屋に帰るのですよ」
「は~い!」
校長室から出た三人は、真っ直ぐ帰るはずもなく、いろんな先生に迷惑をかけた
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