トリプルクラッシュ ~3つの星の時空を越えた運命~

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第二部 エリミア編

51 陽動

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 ガルク達三人は、部屋を飛び出して校長室に向かった

「ガルク。ちょっと待て!」

「シュリオン!陽動だったら?」

「陽動?学校の襲撃は、本命ではないということか」

「そうだ!」

「シュリオン。もしも、ガルクの言う通りなら、敵は相当な組織だよ!」

「二人とも、ちょっと止まれ」

 シュリオンは言うが、二人は校長室に向かって走っている

「止まれ~!」

 シュリオンの叫びで、やっと止まった

「何だよ?」

「そうですよ。急いで知らせた方が・・・」 

「知らせる?二人とも冷静になれ。知らせる前に、陽動の事実がない。それに、陽動だったらフェルムスが気づいてる」

「いや、フェルムスは学校に来てて気づいてないかも」

「フェルムスだぞ!フェルムス!陽動だったときの事も考えてる!」

「あ!」

「それに、父さんを狙って宮殿を襲うなら、テロリストは相当な馬鹿だぞ。まず、唯一王直属の軍がいて、父さんが強すぎる。それに、リンドルズ学校が襲われたら、父さんはこっちに来る可能性が高い。しかも、今日は父さんは宮殿には居なかった」

「シュリオン。お前誰だ?」

「確かに。別人に見えるほど、冴えてますね」

「馬鹿にしてんのか?あと、元老院もだ。元老院を襲撃したところで、何の目的があるんだ?元老院なんか、半数以上が老害だろ?」

「老害と言うなよ。事実だけど」

「元老院メンバーを殺したところで、次の元老院が現れるだけ。それに、俺なら元老院より学校を襲う。学校には昔からの貴重な物ばかりだし。これからのエリミアを担う子供しかいない」

「だから、陽動はありえないのか・・・」

「可能性としては低いだけだ。もしかしたら、陽動かもしれないが。その時は、フェルムスが気づいてる」

「じゃあ、テロリスト達の違和感は何なのだろう?」

「うーん。陽動だと考えて、学校内にあるものだったら?」

「例えば?」

「そうだ!死者蘇生装置!」

「死者蘇生?」

「そうだ。エリミア史の授業寝てたのか?あの時、フェーナが・・・」

「どうした?」

「いや、フェーナと・・・。リッゾルと」

「リッゾル?!」

「三人で話したんだよ。フェーナがネオルノ先生の思考を読んで、蘇生装置が・・・」

「言えよ!」

 ガルクは、昔の出来事を思い出していた。そして、叫んだ

「やっぱり。校長室に行くぞ!」

 ガルクが、また走り出した。それを、シュリオンとフィオルがワンテンポ遅れて追いかけだした

「ガルク!ガルク!説明しろ!」

「ガルク。どうしたのですか?」

 二人の声が聞こえないのか、ガルクは無我夢中で走った
 
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