101 / 160
第二部 エリミア編
41 記憶喪失
しおりを挟む「リッゾルの空白の記憶は、どうにかならないのですか?」
「うーん。脳は繊細で難しいのですよ。記憶を消すのは簡単でも、本人すら何があったか分からないのに、どうにかなるのでしょうか?フェルムスやリンドルズ学校、唯一王や元老院。全ての、組織や団体の力を使っても、おそらく不可能でしょう」
「けど、可能性はゼロではないのですよね?」
「もちろんゼロではないですよ。ですが、失敗すれば全ての記憶が消えると思いなさい。自分が何者かも分からない、脱け殻。記憶を全て失うくらいなら、死んだ方がマシだと言う人がいますが、全ての記憶を失ったら、死を望むことすら、覚えてません。残酷だと思いませんか?」
「残酷ですか・・・」
「話は以上です。二人を呼びなさい」
ガルクは部屋を出ようとすると、校長が
「ガルク。伝え忘れましたが、ネオルノ先生とアイリン・クルトナが話があるそうです」
「え?分かりました」
ガルクは部屋を出ていった。少しして、フェーナとフィオルが入ってきた
「フェーナとあなたは?」
「フィオルです」
「あー!そうでした。フェーナの事故以来、顔は知っていたのですが、名前が思い出せなくて・・・」
「校長。フィオルのことより、リッゾルは?」
「うーん。これが難しくてですね。何も覚えていないようです」
シュリオンやガルクと違い。二人には記憶を見せなかった
「記憶を見たんじゃないの?」
「見ましたよ。ですが、たいした情報は何も」
この時、必死にフェーナは読心術を使っていたが、何も読めていなかった
「ところで、フィオル。フェルムスの人達が、テロリスト逮捕に貢献してくれて感謝してましたよ」
「え?あ、ありがとうございます!え?テロリストの記憶を見れば・・・」
「フィオル。生徒が気づく前に、大人達はとっくにやってますよ」
校長が笑った
「いつも、自爆されてましたが。今回は何人か捕まえましたから」
「結果はどうでした?」
「今、フェルムス本部で取り調べの最中ですよ」
「犯人達の記憶を見れば、事件の真相が見えてくるのでしょうか?リッゾルのこととか」
「それは」
「無理でしょう」
答えたのはフェーナだった
「どうして?」
「捕まることも想定済みでしょ?それれに、自爆していく特攻隊みたいなものなのだから、重要な情報なんて持ってるのかしら」
「フェーナ。流石ですね」
「そうか。生徒でそこまで考えられることなんて、フェーナにしかできないよ」
「もう、行きなさい」
「え?これだけ?!」
「不満でも?」
「もっと、事件につい分かったのかと・・・」
「事件について、調べたかったのに、どっかの三人が喧嘩しだすものですから」
校長の言葉を聞いて、フェーナとフィオルは思った。止めに来いよ!と。特に、フィオルは
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
パーティー中に婚約破棄された私ですが、実は国王陛下の娘だったようです〜理不尽に婚約破棄した伯爵令息に陛下の雷が落ちました〜
雪島 由
恋愛
生まれた時から家族も帰る場所もお金も何もかもがない環境で生まれたセラは幸運なことにメイドを務めていた伯爵家の息子と婚約を交わしていた。
だが、貴族が集まるパーティーで高らかに宣言されたのは婚約破棄。
平民ごときでは釣り合わないらしい。
笑い者にされ、生まれた環境を馬鹿にされたセラが言い返そうとした時。パーティー会場に聞こえた声は国王陛下のもの。
何故かその声からは怒りが溢れて出ていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる