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第二部 エリミア編

19 封された能力

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「すいません。フェーナさんどうぞ。僕は、やらないので」

 命の前借りをするフィオルは、この課題をあきらめた

「そう。私がやるわね」

 フェーナはあの日から能力を、使っていなかった。あの日、襲撃してきたテロリスト達の考えを読んだ。あまりの思想の恐ろしさから、怖いと認識していた。それから、記憶を書き換えられたが、能力を使って、怖いというのを覚えていた。それに、不特定多数の人がいると、いろいろな思想や感情が自分を苦しめることを知っている。事故後に、何を思われてるか、分からないので、使えなかった

「よし。相手はフィオルだけ」

「大丈夫?フェーナさん」

「フィオルの透き通った心を読むだけ」

 フェーナは、フィオルに読心能力を使おうとした

「できない」

「えっ!」

「能力使えない」

 フェーナは読心術ができないことに、驚いた。いつも、あんなに使ってたのに

「シュリオン!ガルク!フェーナが!」

 フィオルは、双子を呼んだ。少し、距離があったが、二人ともすぐに来た

「どうした?」

「フェーナが能力使えないらしい」

「は?そうなのか?フェーナ」

「うん。できない」

「医務室に行ってみれば?」

「この星の住民に、医療は必要ないだろ?みんな再生できるんだし」

「いや、医務室の先生は病気を治すだけじゃない」



 授業を四人は抜け出し。医務室に行った

「先生。フェーナが能力を使えないって」

「フェーナさんが?診てみましょう」

 先生が、数分してから原因を突き止めた

「フェーナ。久しぶりだから、体が戸惑っただけよ。すぐに使えるわ」

「よかった!」

「フェーナさん。もういいわよ。それより、あなた達三人は残りなさい!」

「僕ら?」

「そう。説教よ」

 フェーナが医務室から出ていった。三人は、何かしたのかと不安になっていた

「フェーナさんのことだけど。心が、ストッパーになっているわ」

「説教は?」

「しないわよ。心がストッパーになって、能力を使えない。事件が影響してるわ」

 説教が無いことに、安心してる三人だが、フェーナのことを話す先生はシリアスな表情だった

「事件の時に能力を使ってしまい。記憶を書き換えられても、心が覚えているのでしょう。三人は、彼女を楽しませてあげなさい!そうすれば、少しすれば彼女は治るわ」

 三人は医務室をあとにした

「楽しませる?これ以上に?」

「無理だろうな」

「いや、進級テストがもう少しでありますが。終わったら、進級できる者はパーティーがあります」

「そうだった。20年生からあるやつな。去年やったな」

「僕は、飛び級したので今年からなんです!楽しみにしてました!」

「あれで、楽しませるのか?」

「はい!フェーナさんも、楽しみにしてると思います」

「あれ、俺達地獄だったな」

 シュリオンとガルクは去年。パーティーに出るために、相手を連れていかないといけないが。フェーナを取り合って、大喧嘩した。結局、三人でパーティーに行ったが、ペアでのダンスの際に、また喧嘩したので。フェーナが二人を踊らせた。周囲が男女でほとんど踊るなか、顔がそっくりな双子が踊ってるので、シュリオンもガルクも気まずく。周りからの、笑い者だった
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