トリプルクラッシュ ~3つの星の時空を越えた運命~

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第一部 地球編

46 しんがり

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 第四軍団が退き始めたことにより、宇宙船内にいたエイリアン達は、突撃しだした。マスターウェザーはそれを見て、フィートを呼んだ

「フィート。作戦通りにやるぞ」

「了解。命をかけて」



 宇宙船から、大量のエイリアンが出てきた為、他の軍団も劣勢となり始めた。第五軍団は、レッドマジシャンが特別任務で居なかったため、スノーメロディーとジャンヌ、エスプーマで頑張っていた。スノーメロディーは南極という、能力に適した所で戦えて。兵士達は恐怖心があったが、ジャンヌの能力により、それが消え失せ。ヒランの分身がみんなの盾になっていた。その為、順調に進軍していた。だが、ソーンが応援に来たら、そのあとすぐに宇宙船から大量のエイリアンが出てきたので、退却することになってしまった



 第六軍団は順調に出てきたエイリアンを駆逐していた

「『勝利への砲弾』」

 ガントンが、国連本部を壊した時の大きなエネルギー弾をエイリアンの大軍に撃った。ワイルドエコーは南極の山々にある雪を大声で雪崩を起こさせたりと、敵に攻撃してた。ブルズアイは倒している数は少ないが、確実に敵に攻撃を当てていた



 フィートはマスターウェザーに連れられ、大気圏近くにいた

「悪いな。この手でお前を殺すことになるとは」

「いえ。この命あなたの役にたてるなら本望」

 マスターウェザーは抱えていたフィートを下に落とした。フィートは上空で全能力を使い巨大化した。エドガーは、最初から全軍を出してこないだろうと考え、全軍が宇宙船から出たら、フィートを上から落とし、特攻させようと考えた。フィートのあまりのでかさは、南極のどこから見ても、すぐ分かるほどだ。エイリアン達は、呆然とフィートが猛スピードで堕ちてくるのを見てるだけだった。フィートの体は燃え始め、エイリアン達に突っ込んだ



 フィートの特攻は、地上にいた全員に見えただろう。フィートの死は一人で、エイリアンを数千は倒した。しかし、生き残ったエイリアンは追撃をした。やがて、サンストーンが合流した第四軍団が退避してると、第五軍団の方に逃げてしまっていた。そこに、本部にいたレッドマジシャン達三人や、センスとケイナンが駆けつけた

「久しぶり。わざわざエイリアンの大軍を連れてきてくれてありがとう」

 スノーメロディーが、第四軍団の人達に皮肉を言っている。そこに、フィートを落としたマスターウェザーまで合流した

「おい!文句言うな。殺すぞ」

 マスターウェザーは戦いの時、人が変わるが、いつも以上に荒い

「戦士隊は兵士を退かせてる間、しんがりをしろ」

「あなたもするの?」

「俺がしてもいいぞ。その時は、今から数分で第三軍団の所に行って援護し、ブルズアイやワイルドエコー達、第六軍団を狙うエイリアンを倒してこい。移動してる間に武器などの物資も運べ。そして、三十分以内で一通り終わらせたら、宇宙船内に乗り込むから、戦士の何人かを運ぶ。誰か代わるか?」

 戦士達が全員首を横に振った

「そうか。タンク、ヒラン、エスプーマは宇宙船に乗り込むから休憩しとけ。あとで迎えに来る。『ゴットウィンド』」

 マスターウェザーは飛んでいった。敵から軍を守るために時間稼ぎをするしんがりをどうするか、話し合うことになった

「悪いが、俺とヒラン、エスプーマは無理だぞ。宇宙船内に乗り込むからな」

「分かってるよ。それと、しんがりに参加しないで、兵士達の側に誰かいないと」

「センス。今の状況は?」

「敵が、一万五千。味方が、十万。ダメだもう」

 センスはその場に倒れた。能力を使いすぎてしまったのだろう。センスが倒れた直後に、ケイナンも倒れた

「二人とも、能力を気絶するほど使ったんだ」

「体の限界だな」

「ケイナンが倒れたから、南極を囲ってたバリアは消えたわ!」
 
「南極周辺の海に戦艦が到着した頃だろ?撃ち落としてくれる」

「話が脱線してんぞ!しんがりは?」

「最年少の、コールドアイには逃げてもらったら?」

「僕でいいんですか?」

「先輩が後輩をしんがりにはさせないさ」

「じゃあ、コールドアイとタンク、ヒラン、エスプーマと気絶した二人は頑張って退避してもらおう」

「その前に、この二人を起こさないと。カーナ」

「分かってる」

 カーナがセンスとケイナンに触った。しかし、一向に目覚めない。肌が凍ってる

「死んでる。二人とも」

「は?」

「二人とも死んでる」

「何、言ってるの、カーナ?」
 
「恐らく、体が悲鳴をあげてるのに、能力を使い、体のエネルギーを消費してたから、寒さに耐えられなかった。凍死してるわ」

 二人とも、エイリアンは一人も倒していないが、他の誰よりも功績があることをしてた

「嘘」

「二人がいたから、まだ私達は生きてるのに!」

 その場にいた戦士達は悲しみたかったが、エイリアン達がすぐそこに見えた

「タンク達、行って!」

 カーナが叫んだ。タンク達は兵士達と走り出しだ



 レッドマジシャンがビーストソウルに喋りかけた

「ビーストソウル。あなた能力残ってるの?」

「少しな。君を本部に運ぶのにやっとだった」

「どうすんの?」

「大丈夫だ」

 ビーストソウルが、ポケットから一錠の薬を取り出した

「それは?」

「僕が、自我を失わないように薬を服用してたのは知ってるだろ。能力を抑えることができるなら、逆もできるんじゃないかって思ったから、創ってみた」

「効果あったの?」

「試したことあると思うか?」 

「えっ!?無いのに、服用するの?」

「本気出さないと負けるからな。安心しろ、お前の分もあるぞ!」

 ビーストソウルがレッドマジシャンに差し出した

「絶対にいらない!」

「だよな。じゃあ、気休めに兵士達が服用した、ドーピング薬でもやれば?」

「あれ、私達には意味ないでしょ?」

「だから、気休めだ」

 ビーストソウルは自分で創った薬を服用した



 全員でのしんがりでも、人数的に不利だ

「トリックスターとスノーメロディー!間違えても、お互いに攻撃当てるなよ!」

 サンストーンが、お互いに向かって怒鳴った

「やんねぇよ!」

「今さら、殺さないわよ!殺るならもう殺ってる」

 二人が、怒鳴り返した。戦士のしんがりで相手はどんどん倒されていく。やがて、エイリアン達はサンストーンが危険だと思ったのか、彼の周囲を囲うように集まりだした



 第三軍団は、兵士を凄い失ったが、戦士は誰も死んでいなかった。テュールが敵を倒しまくるせいで、他の戦士達は出番が少なかったからだ。しかし、兵士はほとんど残ってない。すると、マスターウェザーが応援に来て敵を一掃した

「ここにいる第三軍団全員で、船に乗り込むぞ。俺は、ガントン達第六軍団を連れてくる」
 
 マスターウェザーはそう言うと、消えて行った

「なぁ。隊長の傷見たか?」

 プチューンがアフィネに喋りかけた

「マスター。傷を再生してないみたい」

 脇腹から、血が出てるのにみんな気付いた

「再生する能力がもったいないんだろう。それに、再生できるほど、あの人も能力が残ってないな」

 

 サンストーンが、エイリアン達に囲まれて猛攻を受けている

「お前ら!兵士達は逃げられただろう!撤退するぞ!」

 サンストーンが戦士達に叫んだ。それを聞いた、戦士達全員が退き始めた。やがて、エイリアンから距離を取ったみんなが気付いた

「サンストーンは?」

「まさか、一人で残ってるんじゃ!」

 遠くの方に、赤い光りが動いてるのが見えた。それを見たカーナが、サンストーンの方に走り出した。レッドマジシャンはカーナの腕を掴もうとしたが、遅かった

「カーナさん!ダメ!」

 レッドマジシャンが走っていくカーナに叫んだ



 サンストーンが敵の攻撃を受けて、流血してると。サンストーンの隣にカーナが現れた

「おい!逃げろ!」

 カーナは首を振り、サンストーンの体に触り傷を癒した

「戻ってくるなんて」

「あなたこそ、一人で残ってるなんて」

 エイリアン達は、戻って来たカーナに斬りかかった。しかし、サンストーンの刀に止められた

「この女に手を出すのは許さない」

 刀で、受け止めてる間に、カーナが触り、即死させた。その後、サンストーンは修羅場を取り出した

「この、二本をくっつけるのは久しぶりだな」

 帝釈天と阿修羅王を修羅場に嵌めて、両刃にした

「カーナ。最後まで付き合ってくれるか?」 

「地獄の果てまで、喜んで」
 
 二人とも、背中を合わせた

「組織きっての、近距離最強の二人が最後に組めるなんて」

「お前ら、こういうの何て言うか知ってるか?」

 エイリアン達にサンストーンが聞いたが、返答がない

「負ける気がしねぇ!と言うんだ」

 そこから、サンストーンの背中をカーナが守り、カーナの背中をサンストーンが守りながら戦った

「『太陽神の矢』」
    
 サンストーンの突き技をエイリアン達にやるが、倒しても倒しても敵が湧いてくる

「なぁカーナ。言い忘れてた事があるんだが!」

「何?遺言なら聞けないわよ」

 サンストーンが被弾したのをカーナが治した

「俺は、ガキの頃からお前が、好きだった!」

 サンストーンが真面目な顔をしてカーナに言うので、カーナの顔が真っ赤になってから、サンストーンに口づけをした

「私も!あなたが、好きだった!」

 二人は死ぬ前に、お互いの気持ちを伝えることができた



 カーナがサンストーンの方に走りって行ってから、レッドマジシャンとビーストソウル、トリックスターはサンストーンが昔言ってた事を思い出していた

「私は、日本一のつわものになりたい。お前らに、日本魂があるから、私の夢を話しておく」

 その時、サンストーンとカーナのいる方から、距離が離れてるレッドマジシャン達の方にまで、熱を感じられるくらいの火柱が上がった

「あなたこそ!日本一。いや、世界一のつわものです!」

 気づいたら、レッドマジシャンは叫んでた

 

 サンストーンとカーナは二人とも、つわものだった。最後の最後まで、お互いを守りながら戦死した
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