上 下
6 / 160
第一部 地球編

3 三人の天才 (レッドマジシャン目線)

しおりを挟む

「よしこれからお前ら三人に、A.C.T アクトについての基本情報を教える」

 そう言ったサンストーンは、私の友人の男の子を指差して

「寝るなよ!寝たら燃やすからな」

 と言い。彼は何度も頭を上下に揺らし頷いた。私は笑いそうになったが、私が笑う前にもう一人の男友達がゲラゲラ笑った

「よし。A.C.T アクトとは国連が地球外生命体に対抗するために創った秘密組織だ。組織の構成は、特殊能力を持っている君ら入れて31人で構成されている。『戦士隊』。と各国の軍人、諜報員、科学者、ハッカー、医療従事者等から構成される。『兵士隊』の2つの部隊で構成されている。ここまでいいか?」

 サンストーンの説明を聞いて私は頷いた

「戦士隊はこの前会ったマスターウェザーが隊長で、エイリアンと戦う以外にも、テロ組織の壊滅や暗殺任務、被災地での救助活動をしている。ていうかエイリアンは、そうそう見つからないから、そっちの方の任務が圧倒的に多い」

 サンストーンの話を聞いてるとき、私は他の二人の顔をチラチラ見るようにした。理由は二人ともこういう講義は苦手だから、いつも寝てしまっていたからだ

「そして、兵士隊は5つの班に別れている。エイリアン等と戦闘をする『勇戦班』。エイリアンの痕跡や戦闘の痕跡を消す『隠蔽班』。宇宙空間に異変がないか調べたり、情報技術を駆使してエイリアンを探す『情報処理班』。戦闘コスチュームを造ったり、武器の作成をしてくれる『新機軸開発班』。後、『医班』これは説明要らないな。最後にこれがA.C.T アクトのエンブレムだから」

 サンストーンが会議室の天井に描かれたエンブレムを指差した

「次に耳に着けている通信機の説明をする。それは通信機と同時翻訳機の機能とコンピューター内臓の世界中の技術が集結して作られたものだ。コンピューター!と言葉を発すると、通信や調べもの等ができる。そうだ!お前らお互いの能力は把握してるのか?」

「いいえ。してないわ」

「じゃあ話せ!」

 サンストーンがお前からだと言わんばかりに私を指差した

「えっと。私が見たビジョンでは、見たものの動きをコピーして再現する能力見たいな感じ?」

「次、お前だ寝坊助!」

「えっと動物の血を取り込むとその動物に変身できるというビジョンだった。あっ!サンストーンがビジョンに出てきたよ」

「あっそ。最後にお前だ!」

「僕は、物を何処かにストックして、その物をいつでも取り出すことのできる能力」

「お互いの能力分かったな。お前らの能力は数年後に覚醒する。もう一度ビジョンを見たらそれが覚醒した時だ。まあ、この話はまたいずれ」
 
 サンストーンが時計を見る

「もう終わる時間か。よし訓練生部屋に行こう」

 サンストーンが席を立ち、続けて私達も立った



 私達はサンストーンと共にリビングのような内装の部屋に入った。部屋の中にはさらに扉が二つあり、それぞれ男性と女性のマークが描かれていた

「それじゃ俺はこれで。明日から訓練を始める。朝迎えに行くから、分からないことがあるなら、コンピューターか、これから来る二人に聞け!あと、二人が来る前にコードネーム決めとけ。決まったらコンピューターから登録しろ」

 そう言うとサンストーンは部屋を出ていった。コードネームか。名前に恥じないような、能力に恥じないようなコードネームをもう決めた

「コンピューター。コードネームが決まったんだけど」

 そう言うと、通信機から声がした

「こうして会話するのは初めてですですね」

「えっ!凄いわ」

 二人が私の方を見ている

「コードネームはレッドマジシャンにする」

「レッドマジシャンですね。登録しました。良い名前です」

 二人が決めるの早くね?見たいな顔でこちらを見ている。やがて

「僕も決めたよ。コンピューター!コードネームの登録したい。・・・あっ女性の声だ!それでコードネームはトリックスターでお願い」

 トリックスターか、面白い名前にしたわね。その時部屋のドアが開いて、二人の少年少女が入ってきた。少年は私達より年上っぽく、少女は同年代のようだ。少女が私達を見るなり駆け寄ってきた

「あなた達が新しい訓練生ね。良かった女の子がいた。私スノーメロディーよろしく」

「あんまりグイグイ行くなメロディー。困惑するだろ!すいません僕はオールロードよろしく」

 二人とも満面の笑みで私達に挨拶した

「初めましてスノーメロディー、オールロード。私はレッドマジシャン二人は・・・」

「トリックスターです」

「えっと・・・」

 嘘でしょまだ決めてないの?

「まだコード・・・」

「彼はビーストソウルよ。よろしく」

 彼が何勝手に決めてんだ!と言いたげに見てきた

「みんなどんな能力を持ってるの?あっ!まずは私達から教えないとね。私は氷を生み出すことができるの」

 スノーメロディーは手の中で氷の塊を出した

「まだ覚醒はしてないんだ」

「僕は覚醒し終わっていて。壁や天井を移動できるのが覚醒前、覚醒後は空中や水上を移動できたり、環境に関係なくどこでも歩ける」

 彼は右足を一歩前に出したかと思えばそのまま空中を自在に歩き回って、宙で止まった。私達三人は二人の能力を見て唖然した。その後、さっきみたいに私達の能力を二人に説明した。その後、就寝についたが、スノーメロディーと同じ部屋だったので二人でお喋りした。トリックスターとビーストソウルとはどういう関係なの?スノーメロディーはここに来てどれくらい経つの?とかお互いに興味津々で質問をいっぱいしあった。彼女とはとても喋りやすく、すぐ仲良くなれた



 次の日の朝サンストーンが迎えに来た。ビーストソウルがなかなか起きずサンストーンはキレた。サンストーンから訓練服を渡され、その後、訓練場Ⅲという場所に連れていかれた。そこで待っていたのは若い女性と、四十代くらいの男性だった。

「彼らはカーナとガントンだ。カーナはレッドマジシャン、ガントンはトリックスターの教官にそれぞれなる。ビーストソウルは、喜べお前は俺が教官だ!」

「最悪だ。代えてくれませんか?」

「ガントンさん?僕のビジョンに出てきてた」

「それじゃカーナとガントンについていけ」

 私はカーナの後についていった。訓練場Ⅲを出て隣の訓練場Ⅳに入った。カーナさんは美人な人だったが、指に嵌めてある指輪の綺麗な宝石の方に目が奪われてしまった

「よろしく、レッドマジシャン。あなたの能力は聞いたわ」

「よろしくお願いします。綺麗な指輪ですね。ところでカーナさんの能力は何なんですか?」

「私は触れた生命の健康状態を自在に操れる能力よ。例えば病気にさせたり、血液や呼吸を止めたり、内臓を動かせなくさせたり。勿論その逆の再生とかもできる。自己紹介は終わりにして、まずはエイリアンについて説明するわね」

「はい」

「エイリアンは私達と同じで能力を持っているけど、身体の構成は違うの、彼らに銃弾はあまり効かない。一応、倒せないことは無いけど・・・」

「じゃあどうやって倒すんですか?」

「だから特殊なブラスターを使うの。私は専門じゃないから詳しい構造はわからないけど、まあ性能は保証するわ。エイリアン以外の生命や、建造物には影響は一切でない。後は剣や刀で再生できなくなるまで斬ればいい。オーケー?」

「オーケー」

「それじゃ次はあなたの能力を早速試しましょう。ビジョンではどうやってコピーしてた?覚えてる?」

「ちょっと待ってください」

 ビジョンで何してた?・・・そうだ!

「片目。片目閉じて動き見てました」

「そう。じゃあ私が後方宙返り二回ひねりをやるから試しにやってみて」

 私は左目を閉じてカーナをじっと見る。カーナが後方宙返り二回ひねりをやるのを集中して見る

「どう?できる?」

「やってみないとわかりません」

「左目閉じてるとき、右目赤く光ってたわよ」

「本当ですか?」

「名前と能力マッチしてるのは偶然?まあやってみて」

 いやできるわけないじゃん。鬼なのこの人。まあやるしかないか。私は走りだしカーナがやった後方宙返り二回ひねりのイメージを頭でした。すると、体が勝手に動き始め気付いたら着地してた

「あなた天才なの?初日にできるとは思ってなかったわ」

「えっ!出来たの?できると思ってなかった」

「あなたは最強の戦士になれる。私がそうしてあげる」



 初日の訓練を終え、部屋に戻ったらビーストソウルが倒れていた

「気持ち悪い。全く昼寝させてもらえなかった」

 そこにトリックスターとオールロード、スノーメロディーが帰った来た

「ねぇ。聞いてよサンストーンがヤバイんだけど。最初ドーベルマンの血を用意されて飲ませれ、変身することができた。すると、お前は天才だとか言い出して、いろいろな動物の血を飲まされ。挙げ句の果てに、人間の血はいけるのか?みたいなこと言い出してさ。自分の腕を日本刀で切り落として、溢れでた血を俺の口に流し込んできたんだけど」

「それで変身できたの?」

「いいや出来なかった。変身できなかったのは俺が能力者だからかもしれない。とか次は言い出して、近くを通りかかっていた兵士隊の人を無理矢理訓練場に連れ込み。採血を半ば強制的に行い、知らん人の血を飲まされた。まぁ変身出来なかったけど。君らはどうだった?」

「僕も能力は訓練が終わる直前に使えたよ。それが、物をしまうことはできたんだけど、取り出すことができなくってさ。取り出すことができたとき、ガントンが初日で能力を使えた者は過去数人しかいないぞ!天才だ!とか言ってくれてさ」

「私は訓練始まってすぐコピーできたから、その後は剣術や体術等の動きや映像を片目でぶっ通しで見せられて能力関係なく目が赤くなっていたわ」

 三人の会話を聞いたスノーメロディーが

「じゃあ全員能力使えたの?私は初めて使えたのは三週間後よ」

「僕もそれくらいだ」
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

シュガーポットに食べかけの子守唄

Life up+α
ファンタジー
「この世界のどこかにいる、僕のアリスへ」 現代日本で普通に暮らしていたはずの鮫島 明日香が目を覚ますと、そこは不思議の国のアリスをモチーフに作られた異世界だった。 性違和を持つ明日香にこの世界で与えられた配役は、最強でありながら幾度となく村人に屠られてきたジャバウォック。殺されるだけの化け物として生きることを強いられると同時に、彼女は男性として、自分らしい自分として生きて行くことを選択した。 この世界は眠れるアリスの夢。アリスが目覚めたら終わってしまう。安定しない不思議の国で生きることを幸福とする眠り鼠、現実に帰ることを正義とする三月兎は冷戦状態。記憶を失くした孤独を恐れる帽子屋。執拗に追いかけて来る最弱無敗の村人。どこかへ消えた白兎。愛に飢えたチェシャ猫。各々が各々の目的のためにアリスを探し、世界の真相へと迫る。 これは世界のどこかで迷子になっているアリスへ贈る、ジャバウォックの子守唄。

未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十
ファンタジー
俺の名は錬是(れんぜ)。開拓や開発に適した惑星を探す惑星ハンターだ。 だが、宇宙船の故障である未開の惑星に不時着。宇宙船の頭脳体でもあるメイトギアのエレクシアYM10と共にサバイバル生活をすることになった。 と言っても、メイトギアのエレクシアYM10がいれば身の回りの世話は完璧にしてくれるし食料だってエレクシアが確保してくれるしで、存外、快適な生活をしてる。 しかもこの惑星、どうやらかつて人間がいたらしく、その成れの果てなのか何なのか、やけに人間っぽいクリーチャーが多数生息してたんだ。 地球人以外の知的生命体、しかも人類らしいものがいた惑星となれば歴史に残る大発見なんだが、いかんせん帰る当てもない俺は、そこのクリーチャー達と仲良くなることで残りの人生を楽しむことにしたのだった。     筆者より。 なろうで連載中の「未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます」に若干の手直しを加えたVer.02として連載します。 なお、連載も長くなりましたが、第五章の「幸せ」までで錬是を主人公とした物語自体はいったん完結しています。それ以降は<錬是視点の別の物語>と捉えていただいても間違いではないでしょう。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?

ラララキヲ
ファンタジー
 姉と下に2歳離れた妹が居る侯爵家。  両親は可愛く生まれた妹だけを愛し、可愛い妹の為に何でもした。  妹が嫌がることを排除し、妹の好きなものだけを周りに置いた。  その為に『お城のような別邸』を作り、妹はその中でお姫様となった。  姉はそのお城には入れない。  本邸で使用人たちに育てられた姉は『次期侯爵家当主』として恥ずかしくないように育った。  しかしそれをお城の窓から妹は見ていて不満を抱く。  妹は騒いだ。 「お姉さまズルい!!」  そう言って姉の着ていたドレスや宝石を奪う。  しかし…………  末娘のお願いがこのままでは叶えられないと気付いた母親はやっと重い腰を上げた。愛する末娘の為に母親は無い頭を振り絞って素晴らしい方法を見つけた。  それは『悪魔召喚』  悪魔に願い、  妹は『姉の全てを手に入れる』……── ※作中は[姉視点]です。 ※一話が短くブツブツ進みます ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げました。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

処理中です...