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第1章 転生
第10話 水氷の都
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カストラルからアクネス領カルティカ海のアクティアルク城下に位置する領都リバイヤスにラフィアとリュートは転移装置を使ってやって来た。
「水と氷がとてもきれいな街ね。」
「俺も一度だけ来た事があるが、きれいな街並みと温泉も有名な街だ。」
「え?
温泉もあるの?」
「ああ、入りたいのか?」
人間界にも温泉があると書物で読んでいたラフィアは目の前に憧れの温泉があると聞いていても経ってもいられない気持ちになっていた。
「早くアクネス様にご挨拶して温泉に行くわよ。」
「おお、そ、そうだな。」
アクティアルク城は白い永久氷石で造られている。
リバイヤスの街の中心に聳え立ち、キラキラと光に反射して光り輝いている。
「2人揃ってよく来ました。
リュートは久しぶりですね。」
「ご無沙汰しております。
アクネス様は変わらずお美しくですね。」
「リュートも精悍な男になりましたね。」
2人の会話を特に興味を示す事なくラフィアは静かに聞いている。
「それとラフィアでしたね。
父オズから聞いています。
遥々ご苦労様でしたね。」
「少し2人だけでお話がしたいのですが、如何でしょうか?」
アクネスの言葉にニッコリと微笑んでみせた。
「リュート。
ラフィアと話があるので、席を外して下さい。」
「わかりました。」
アクネスの従者に促されてリュートは部屋を出て行った。
部屋にはラフィアとアクネスの2人だけになった。
「話とは何ですか?」
「ええ、混沌の勾玉の所在をご存知ですよね?」
部屋の中は青白い光に包まれていた。
アクネスは王座と呼ぶにふさわしい大きな椅子に腰掛けている。
ラフィアは少し近くに寄ると微笑んだまま問いかけた。
「混沌の勾玉。
神器である混沌の勾玉は確かに我が領土に保管されています。
興味があるのですか?」
「そうですね。
非常に興味があります。」
「ですが、あれはあなたには扱えないと思いますよ。」
「勾玉はあるのですね。
そうですか、わかりました。
話は変わるのですが、アクネス様のご息女ミリアル殿にも会いたいのですが。」
お互い腹の探り合いの様な会話であって楽しそうな表情は見せないが、ラフィアは終始笑顔を絶やさない。
「ミリアルなら街に出掛けたと聞いています。」
「そうですか。
私も街を散策しようかと思っていましたので、探してみます。」
そう言うと一礼をしてアクネスに背を向けると部屋の出口に向かって歩き始めた。
その時ラフィアの口元はニヤリとしていた事に誰も気づいていない。
街には水路が張り巡らされていて、常に何処かに水が存在する。
「さて、ミリアルの居場所は~!
見つけた~。」
街の中央には大きな噴水があり、その場所でミリアルは歌っている。
水色の長い髪を靡かせて白い肌に整った容姿、水妖の流れを汲む種族である為手には水掻きの様なものもある。
転送でラフィアは噴水の前までやってくると、沢山の妖魔が集まっていた。
だが、ラフィアが姿を表すとそこに居た妖魔達は、その場に平伏してしまった。
「とても上手ね。」
「あなたは……。」
皆が平伏した状態になり、ラフィアを見つけると不機嫌そうな表情を見せた。
「私はラフィア。
あなたはミリアルでしょ?」
「オズ様の……。
もう来たんだ。
私は気持ちよく歌っていたのに、邪魔しないでよ。」
「ああ、それはごめんなさい。」
妖魔の王である命の君として目覚めたラフィアとまだ妖魔の王では無いリュートやミリアルとでは、妖魔達の反応が違う。
本能的に妖魔の王である事を感じ取る。
恐怖に震えるものや、尊敬や敬愛を示す者。
反応は様々だ。
「それで私に何か?」
「ええ、私はトリアリトラに戻ったら人間界に行こうかと思ってるの。
ミリアルも一緒に行かない?」
「興味ないわ。」
「私達の様な年代の人間は学校と言う場所に通っているそうよ。
人間界に居る上級妖魔も通っているようだけど。
私も行ってみたいと思ってるの。
とても楽しそうじゃない?」
「学校?
何それ?」
明らかに学校と言うワードにミリアルは興味を示した。
それを見てラフィアの口元が少し緩んでニヤリとした。
「人間の文化に触れてみるのも刺激的だと思わない?
此処にいても変化も無い、刺激も無い、毎日同じことの繰り返しでつまらないでしょ。」
「刺激的ね。
良いわ。
私も行くわ。」
広場を後にしてラフィアとミリアルは城に戻った。
リュートとも合流して、3人でアクネスの元にやって来た。
「アクネス様。
城下を散策して参りました。
とても美しい街並みですね。」
「そうであろう。
それで、3人で揃って私の所に来るとは何かあるのか?」
3人は並んで立っている。
その光景にアクネスは違和感を覚えていた。
「私達子供らは人間界に行こうと思います。
この妖魔界は退屈で、人間界に刺激を求めて旅立ちたいと思います。
それにつきまして、ミリアルも連れて行きたいので、アクネス様のご了解を頂きたいのです。」
ラフィアは左手を胸に当てて少し頭を下げた時、誰にもみられない様にほんの少し口元に笑みが溢れた。
「ミリアルよ。
ラフィアに口説かれたな?」
「そんなことありませんわ。
ラフィアの話を聞いていたら、面白そうなので行きたくなったのです。」
自分に会話の矛先が向いて来るとは予想していなかったミリアルは少し慌てた様子で受け応えた。
「アクネス様。
宜しいですよね?
ミリアルも沢山人間界で学べると思いますよ。」
「まあ、良かろう。
楽しんで来なさい。」
「ご理解頂き、ありがとうございます。」
その後、ラフィア達は出発の準備を従者達に言い渡し、ラフィアは部屋で寛いでいた。
「フフフ、こうも上手く話が運ぶとは思わなかった。
セラ。
明日にも国に戻ります。
準備なさい。」
「御意。」
その時、氷麗と焔が戻ってきた。
「我が君。
今戻りました。」
「お帰り。」
2人は部屋の中で、椅子に腰掛けて寛いで居るラフィアの目の前に現れた。
「報告いたします。
七つ名の氷河迷宮に関して、発見には至りませんでした。」
「残念ね。」
「我が君。
調査を手伝ってくれた者が居るのですが。」
ジンが部屋の外にいる事はラフィアも気付いている。
焔も氷麗もほんの少し緊張した表情となった。
「連れてきなさい。」
「御意。」
焔は部屋の外に出ると、すぐにジンを連れてラフィアの前に跪いた。
ジンは頭を下げたまま床に平伏した。
あまりの緊張に身体が震えているのがわかる。
「ジ、ジンと、も、申します。
御目通り叶いありがとうございます。」
緊張のあまり声が裏返っている。
「氷麗と焔の調査に尽力してくれたそうですね。
ありがとう。」
「め、滅相もご、御座いません。
ラフィア様の為で有れば、この命尽きるまで尽くしたいと存じます。」
ジンはずっと頭を下げたままで、ラフィアの顔を見る事もできない。
「ジンよ。
その命、私に尽くして貰いたいのだ。
七つ名の氷河迷宮を探す命を与えます。
妖魔界は広い。
其方の力が必要です。
これを持って居れば、どの国にも行き来出来るはず。」
椅子からラフィアは立ち上がると平伏しているジンのそばに寄っると、しゃがみ込んでジンの顔を覗き込んだ。
「は、はい。
この命に変えても。」
震えているのがジンの手にラフィアは自分の紋章が入った短剣を渡した。
その短剣を平伏したまま両手の手の平に乗せると、頭よりも高く掲げて震えていた。
「頼みましたよ。
では、下がりなさい。」
ジンは頭を下げたまま急いで部屋を出て行った。
「さて、私は温泉と言うものを堪能して来ます。
お前達は出発の準備を整える様に。」
念願の温泉を楽しむ為にラフィアは立ち上がると部屋からスッと居なくなった。
混沌の勾玉がこの国にあると言う情報を得て、心なしか気分が軽くなったラフィアだった。
「水と氷がとてもきれいな街ね。」
「俺も一度だけ来た事があるが、きれいな街並みと温泉も有名な街だ。」
「え?
温泉もあるの?」
「ああ、入りたいのか?」
人間界にも温泉があると書物で読んでいたラフィアは目の前に憧れの温泉があると聞いていても経ってもいられない気持ちになっていた。
「早くアクネス様にご挨拶して温泉に行くわよ。」
「おお、そ、そうだな。」
アクティアルク城は白い永久氷石で造られている。
リバイヤスの街の中心に聳え立ち、キラキラと光に反射して光り輝いている。
「2人揃ってよく来ました。
リュートは久しぶりですね。」
「ご無沙汰しております。
アクネス様は変わらずお美しくですね。」
「リュートも精悍な男になりましたね。」
2人の会話を特に興味を示す事なくラフィアは静かに聞いている。
「それとラフィアでしたね。
父オズから聞いています。
遥々ご苦労様でしたね。」
「少し2人だけでお話がしたいのですが、如何でしょうか?」
アクネスの言葉にニッコリと微笑んでみせた。
「リュート。
ラフィアと話があるので、席を外して下さい。」
「わかりました。」
アクネスの従者に促されてリュートは部屋を出て行った。
部屋にはラフィアとアクネスの2人だけになった。
「話とは何ですか?」
「ええ、混沌の勾玉の所在をご存知ですよね?」
部屋の中は青白い光に包まれていた。
アクネスは王座と呼ぶにふさわしい大きな椅子に腰掛けている。
ラフィアは少し近くに寄ると微笑んだまま問いかけた。
「混沌の勾玉。
神器である混沌の勾玉は確かに我が領土に保管されています。
興味があるのですか?」
「そうですね。
非常に興味があります。」
「ですが、あれはあなたには扱えないと思いますよ。」
「勾玉はあるのですね。
そうですか、わかりました。
話は変わるのですが、アクネス様のご息女ミリアル殿にも会いたいのですが。」
お互い腹の探り合いの様な会話であって楽しそうな表情は見せないが、ラフィアは終始笑顔を絶やさない。
「ミリアルなら街に出掛けたと聞いています。」
「そうですか。
私も街を散策しようかと思っていましたので、探してみます。」
そう言うと一礼をしてアクネスに背を向けると部屋の出口に向かって歩き始めた。
その時ラフィアの口元はニヤリとしていた事に誰も気づいていない。
街には水路が張り巡らされていて、常に何処かに水が存在する。
「さて、ミリアルの居場所は~!
見つけた~。」
街の中央には大きな噴水があり、その場所でミリアルは歌っている。
水色の長い髪を靡かせて白い肌に整った容姿、水妖の流れを汲む種族である為手には水掻きの様なものもある。
転送でラフィアは噴水の前までやってくると、沢山の妖魔が集まっていた。
だが、ラフィアが姿を表すとそこに居た妖魔達は、その場に平伏してしまった。
「とても上手ね。」
「あなたは……。」
皆が平伏した状態になり、ラフィアを見つけると不機嫌そうな表情を見せた。
「私はラフィア。
あなたはミリアルでしょ?」
「オズ様の……。
もう来たんだ。
私は気持ちよく歌っていたのに、邪魔しないでよ。」
「ああ、それはごめんなさい。」
妖魔の王である命の君として目覚めたラフィアとまだ妖魔の王では無いリュートやミリアルとでは、妖魔達の反応が違う。
本能的に妖魔の王である事を感じ取る。
恐怖に震えるものや、尊敬や敬愛を示す者。
反応は様々だ。
「それで私に何か?」
「ええ、私はトリアリトラに戻ったら人間界に行こうかと思ってるの。
ミリアルも一緒に行かない?」
「興味ないわ。」
「私達の様な年代の人間は学校と言う場所に通っているそうよ。
人間界に居る上級妖魔も通っているようだけど。
私も行ってみたいと思ってるの。
とても楽しそうじゃない?」
「学校?
何それ?」
明らかに学校と言うワードにミリアルは興味を示した。
それを見てラフィアの口元が少し緩んでニヤリとした。
「人間の文化に触れてみるのも刺激的だと思わない?
此処にいても変化も無い、刺激も無い、毎日同じことの繰り返しでつまらないでしょ。」
「刺激的ね。
良いわ。
私も行くわ。」
広場を後にしてラフィアとミリアルは城に戻った。
リュートとも合流して、3人でアクネスの元にやって来た。
「アクネス様。
城下を散策して参りました。
とても美しい街並みですね。」
「そうであろう。
それで、3人で揃って私の所に来るとは何かあるのか?」
3人は並んで立っている。
その光景にアクネスは違和感を覚えていた。
「私達子供らは人間界に行こうと思います。
この妖魔界は退屈で、人間界に刺激を求めて旅立ちたいと思います。
それにつきまして、ミリアルも連れて行きたいので、アクネス様のご了解を頂きたいのです。」
ラフィアは左手を胸に当てて少し頭を下げた時、誰にもみられない様にほんの少し口元に笑みが溢れた。
「ミリアルよ。
ラフィアに口説かれたな?」
「そんなことありませんわ。
ラフィアの話を聞いていたら、面白そうなので行きたくなったのです。」
自分に会話の矛先が向いて来るとは予想していなかったミリアルは少し慌てた様子で受け応えた。
「アクネス様。
宜しいですよね?
ミリアルも沢山人間界で学べると思いますよ。」
「まあ、良かろう。
楽しんで来なさい。」
「ご理解頂き、ありがとうございます。」
その後、ラフィア達は出発の準備を従者達に言い渡し、ラフィアは部屋で寛いでいた。
「フフフ、こうも上手く話が運ぶとは思わなかった。
セラ。
明日にも国に戻ります。
準備なさい。」
「御意。」
その時、氷麗と焔が戻ってきた。
「我が君。
今戻りました。」
「お帰り。」
2人は部屋の中で、椅子に腰掛けて寛いで居るラフィアの目の前に現れた。
「報告いたします。
七つ名の氷河迷宮に関して、発見には至りませんでした。」
「残念ね。」
「我が君。
調査を手伝ってくれた者が居るのですが。」
ジンが部屋の外にいる事はラフィアも気付いている。
焔も氷麗もほんの少し緊張した表情となった。
「連れてきなさい。」
「御意。」
焔は部屋の外に出ると、すぐにジンを連れてラフィアの前に跪いた。
ジンは頭を下げたまま床に平伏した。
あまりの緊張に身体が震えているのがわかる。
「ジ、ジンと、も、申します。
御目通り叶いありがとうございます。」
緊張のあまり声が裏返っている。
「氷麗と焔の調査に尽力してくれたそうですね。
ありがとう。」
「め、滅相もご、御座いません。
ラフィア様の為で有れば、この命尽きるまで尽くしたいと存じます。」
ジンはずっと頭を下げたままで、ラフィアの顔を見る事もできない。
「ジンよ。
その命、私に尽くして貰いたいのだ。
七つ名の氷河迷宮を探す命を与えます。
妖魔界は広い。
其方の力が必要です。
これを持って居れば、どの国にも行き来出来るはず。」
椅子からラフィアは立ち上がると平伏しているジンのそばに寄っると、しゃがみ込んでジンの顔を覗き込んだ。
「は、はい。
この命に変えても。」
震えているのがジンの手にラフィアは自分の紋章が入った短剣を渡した。
その短剣を平伏したまま両手の手の平に乗せると、頭よりも高く掲げて震えていた。
「頼みましたよ。
では、下がりなさい。」
ジンは頭を下げたまま急いで部屋を出て行った。
「さて、私は温泉と言うものを堪能して来ます。
お前達は出発の準備を整える様に。」
念願の温泉を楽しむ為にラフィアは立ち上がると部屋からスッと居なくなった。
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