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第1章 転生
第4話 死の闇より恐ろしきもの
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この街はとても美しい。
緑に溢れて暖かい日がさす。
夜は満点の星が輝き、漆黒の闇にランプ草の紫の花がささやかな光を放つ。
その全てが父オズの力で保たれている。
その事は妖魔であれば誰でも知っている。
オズの死がある物だとするならば、この世界の安定は無くなり、猛毒と地獄の世界に変化する。
故に妖魔達は王族を崇めている。
その為であれば自分の一生を捧げる事を何とも思っていない。
私の側付きのセラも命を差し出せと命じれば喜んでそれに従うだろう。
それだけ、我々王族の義務も重い。
決して死ねぬ理不尽と常に葛藤している。
「ゼクス、焔、氷麗、アウラ、尊。」
「我が君。
お呼びでしょうか?」
従者を束ねるゼクスを始めとする5人が目の前にスッと姿を現して跪いて控えた。
「これから私は父の兄上であるドュバルバ様に会いに行きます。
準備をしなさい。」
「御意。」
5人はスッと消えて居なくなった。
「セラ。」
「はい。
ここに控えております。」
部屋の見えないところから声が聞こえて来る。
「私は暫く出かけますが、あなたはどうしますか?」
「はい。
ラフィア様が行かれる所であれば、死地であってもお供いたします。」
「そう。
死地と言うのは大袈裟ね。
それでは、旅に必要なものを準備して。
直ぐに出発するわ。」
「はい。
畏まりました。」
私は部屋着からお出かけ用の服に着替えた。
お姉様が仕立て屋に造らせた服を何点か試着して、最終的に好みの服を見つけた。
「人間の若い女の子はこの様な服を好むらしいわよ。」
「はい。
私も人間界に行ったことがあります。
その時、確かに人間の若い女はその様な服を好んでいました。」
「ヒラヒラとした薄い上着にこの短いスカートと呼ばれる着物は身を守るのには機能的とは言えないわね。」
「如何にも。
ですが、ラフィア様の為に存在する衣装ですね。
とてもお美しく有られます。」
「セラ。
あなたも着てみなさい。」
「え?
わ、私が……、ラフィア様と同様の服を……。
恐れ多いことです。
ご勘弁を。」
「良いから。
着なさい。」
「御意。」
ラフィアの衣装棚からセラに似合いそうな服を取ると、震えているセラにそっと渡した。
何故、着て欲しかったのか。
そんな事は簡単な事だ。
どんな風に見えているのか、客観的に見たいからだ。
「き、着替えました。」
「なるほど。
可愛いわね。
その服はあなたにあげるわ。
とってもお似合いよ。」
「そ、そんな勿体ないお言葉。
よ、宜しいのですか?
姉上様より頂いた服を私などに与えて。」
「良いのよ。
折角だから着たまま出かけましょう。
それが良いわ。」
「……、御意。」
セラはまだ震えている。
主人の服を着ている事が、余程余りある事なのだろう。
「ゼクス。」
「ここに。
我が君。
準備は整っております。」
「そう。
では、出発しましょう。
と、その前に私の後ろで控えているセラを消滅させなさい。
私の服を着ている。
下僕の妖魔が主人の服を着るなど、あってはならない事です。
始末なさい。」
ラフィアは椅子から立ち上がると鋭い眼光でセラを見つめている。
ゼクスは剣を抜くとセラに近づいた。
この状況でセラは全身から汗を流して居た。
顔からは顎を伝って恐怖の余り床に汗が滴り落ちている。
だが、決して発言する事はなかった。
ゼクスは剣を振り上げてセラに斬りかかったと同時にラフィアがゼクスの横に現れて左手で軽く跳ね除けるとゼクスは部屋の壁に吹き飛ばされて、粉塵をあげた。
「ねえ。
セラ。
何故避けないの?
理不尽に盗人扱いまでされたのに。
ゼクスに斬られたら地獄より苦しい永遠の闇に魂が落とされるのよ。」
俯いて黙っているセラの前にしゃがみ込んでセラの顔をラフィアは覗き込んだ。
「ラ、ラフィア様が仰せられるのであれば、それが真実であります。
ラフィア様が消滅を望むのであれば、それが私に与えられた使命であります。」
声は震えている。
ラフィアの様な王族によって処刑された妖魔は永遠の闇に魂ごと落とされて、永遠の苦痛を与えられ続けると言われている。
「ふ~ん。
そうなんだ。
わかったわ。
あなたの私に対する忠誠心は。
ごめんね。
死地であってもと言う言葉が、誠なのかどうなのか。
凄く気になったから。」
「は、はい。
この身も心もラフィア様に捧げております。」
「わかったわ。
その服は今ここで脱いで燃やしてしまいなさい。」
「も、燃やすのですか?
姉上様から……。」
王族の服を燃やしてしまうなど、普通はあってはならない事なので、セラは慌てふためいた。
「燃やせと言っている。」
ラフィアの鋭く冷たい青い眼光がセラに突き刺さる。
「御意。」
その場で脱ぐと、服に炎を翳してその場で燃えかすと成り果てた。
「さあ、セラ。
服を着なさい。
行きますよ。」
「御意。」
とその時。
「あらあら、私の造らせた服を燃やしてしまうなんて、ラフィアの下僕はなんて罪深いのかしら。」
突然、部屋にロザリアが現れた。
「あら、お姉様。
何かありましたか?」
「私は自分が造らせたものには自分の妖気を巡らせているのよ。
だから、壊れたり消えたら直ぐわかるの。」
「ええ。
知ってますわ。」
「王族の所有品を下僕如きが手に欠けるとは万死に値する。」
メラメラとロザリアの妖気が立ち上る。
「あれは私が燃やせと命じたのです。
それに私の所有物を私がどの様にしようと関係ないでは有りませんか。」
「あら、この私に歯向かうと言うことかしら。」
ラフィアとロザリアの妖気がバチバチとぶつかり合って一触即発の状態になっている。
「所詮は服ですよ。
そんなに怒らなくても良いでは有りませんか。」
次の瞬間、ロザリアはセラに向かって妖気の波動を送って拘束しようとした。
だが、ラフィアはロザリアの妖気の波動を自分の妖気で打ち消した。
「あら、お姉様。
私の所有品に手を出すおつもりですか?」
「ラフィア。
その下僕を渡しなさい。」
「それは出来ないわ。
セラは私の世話係ですもの。
居なくなっては困ります。」
凄まじい形相のロザリアに対してラフィアは一向に気に留めて居ない様子で、笑顔すら見せている。
その時、セラは只、俯いて膝跨いて震えて居た。
「ラフィア。
私を怒らせない方が良いわよ。」
ロザリアの目が赤く光怒りを露わにしている事がラフィアにも伝わってくる。
「お姉様では、私には遠く及びませんよ。
お辞めになった方が良いかと思いますが。」
「ラフィア。
口が過ぎますよ。」
その瞬間爆発的にロザリアの妖気が部屋全体を包み込むほどあふれだした。
それにより、空間が歪んでしまったかの様に部屋がグラグラと揺らいで見える。
だが、ラフィアの青い目が一瞬光るとロザリアの妖気は吹き消された。
「1000万分の1……。
今の力は1000万分の1程の力です。
おやめください。
大事なお姉様を傷付けたくない。」
その現象と言葉にロザリアは口を開けて驚いていた。
あまりにも力の差を見せつけられて。
そのまま部屋から消えて居なくなった。
「ふふふ、あははは、見た?
セラ。
お姉様ったら、大した力も無いくせに。
私の所有品に手を出そうなんて。
あ~、スッキリした。
さあ、行きましょう。」
セラは恐怖と自分の目の前で起こっていることに恐怖ではなく存在出来ていることに身体が震えて居た。
ロザリアの怒りよりもラフィアの青い瞳の輝きに死の闇より恐ろしい感情を感じていた。
緑に溢れて暖かい日がさす。
夜は満点の星が輝き、漆黒の闇にランプ草の紫の花がささやかな光を放つ。
その全てが父オズの力で保たれている。
その事は妖魔であれば誰でも知っている。
オズの死がある物だとするならば、この世界の安定は無くなり、猛毒と地獄の世界に変化する。
故に妖魔達は王族を崇めている。
その為であれば自分の一生を捧げる事を何とも思っていない。
私の側付きのセラも命を差し出せと命じれば喜んでそれに従うだろう。
それだけ、我々王族の義務も重い。
決して死ねぬ理不尽と常に葛藤している。
「ゼクス、焔、氷麗、アウラ、尊。」
「我が君。
お呼びでしょうか?」
従者を束ねるゼクスを始めとする5人が目の前にスッと姿を現して跪いて控えた。
「これから私は父の兄上であるドュバルバ様に会いに行きます。
準備をしなさい。」
「御意。」
5人はスッと消えて居なくなった。
「セラ。」
「はい。
ここに控えております。」
部屋の見えないところから声が聞こえて来る。
「私は暫く出かけますが、あなたはどうしますか?」
「はい。
ラフィア様が行かれる所であれば、死地であってもお供いたします。」
「そう。
死地と言うのは大袈裟ね。
それでは、旅に必要なものを準備して。
直ぐに出発するわ。」
「はい。
畏まりました。」
私は部屋着からお出かけ用の服に着替えた。
お姉様が仕立て屋に造らせた服を何点か試着して、最終的に好みの服を見つけた。
「人間の若い女の子はこの様な服を好むらしいわよ。」
「はい。
私も人間界に行ったことがあります。
その時、確かに人間の若い女はその様な服を好んでいました。」
「ヒラヒラとした薄い上着にこの短いスカートと呼ばれる着物は身を守るのには機能的とは言えないわね。」
「如何にも。
ですが、ラフィア様の為に存在する衣装ですね。
とてもお美しく有られます。」
「セラ。
あなたも着てみなさい。」
「え?
わ、私が……、ラフィア様と同様の服を……。
恐れ多いことです。
ご勘弁を。」
「良いから。
着なさい。」
「御意。」
ラフィアの衣装棚からセラに似合いそうな服を取ると、震えているセラにそっと渡した。
何故、着て欲しかったのか。
そんな事は簡単な事だ。
どんな風に見えているのか、客観的に見たいからだ。
「き、着替えました。」
「なるほど。
可愛いわね。
その服はあなたにあげるわ。
とってもお似合いよ。」
「そ、そんな勿体ないお言葉。
よ、宜しいのですか?
姉上様より頂いた服を私などに与えて。」
「良いのよ。
折角だから着たまま出かけましょう。
それが良いわ。」
「……、御意。」
セラはまだ震えている。
主人の服を着ている事が、余程余りある事なのだろう。
「ゼクス。」
「ここに。
我が君。
準備は整っております。」
「そう。
では、出発しましょう。
と、その前に私の後ろで控えているセラを消滅させなさい。
私の服を着ている。
下僕の妖魔が主人の服を着るなど、あってはならない事です。
始末なさい。」
ラフィアは椅子から立ち上がると鋭い眼光でセラを見つめている。
ゼクスは剣を抜くとセラに近づいた。
この状況でセラは全身から汗を流して居た。
顔からは顎を伝って恐怖の余り床に汗が滴り落ちている。
だが、決して発言する事はなかった。
ゼクスは剣を振り上げてセラに斬りかかったと同時にラフィアがゼクスの横に現れて左手で軽く跳ね除けるとゼクスは部屋の壁に吹き飛ばされて、粉塵をあげた。
「ねえ。
セラ。
何故避けないの?
理不尽に盗人扱いまでされたのに。
ゼクスに斬られたら地獄より苦しい永遠の闇に魂が落とされるのよ。」
俯いて黙っているセラの前にしゃがみ込んでセラの顔をラフィアは覗き込んだ。
「ラ、ラフィア様が仰せられるのであれば、それが真実であります。
ラフィア様が消滅を望むのであれば、それが私に与えられた使命であります。」
声は震えている。
ラフィアの様な王族によって処刑された妖魔は永遠の闇に魂ごと落とされて、永遠の苦痛を与えられ続けると言われている。
「ふ~ん。
そうなんだ。
わかったわ。
あなたの私に対する忠誠心は。
ごめんね。
死地であってもと言う言葉が、誠なのかどうなのか。
凄く気になったから。」
「は、はい。
この身も心もラフィア様に捧げております。」
「わかったわ。
その服は今ここで脱いで燃やしてしまいなさい。」
「も、燃やすのですか?
姉上様から……。」
王族の服を燃やしてしまうなど、普通はあってはならない事なので、セラは慌てふためいた。
「燃やせと言っている。」
ラフィアの鋭く冷たい青い眼光がセラに突き刺さる。
「御意。」
その場で脱ぐと、服に炎を翳してその場で燃えかすと成り果てた。
「さあ、セラ。
服を着なさい。
行きますよ。」
「御意。」
とその時。
「あらあら、私の造らせた服を燃やしてしまうなんて、ラフィアの下僕はなんて罪深いのかしら。」
突然、部屋にロザリアが現れた。
「あら、お姉様。
何かありましたか?」
「私は自分が造らせたものには自分の妖気を巡らせているのよ。
だから、壊れたり消えたら直ぐわかるの。」
「ええ。
知ってますわ。」
「王族の所有品を下僕如きが手に欠けるとは万死に値する。」
メラメラとロザリアの妖気が立ち上る。
「あれは私が燃やせと命じたのです。
それに私の所有物を私がどの様にしようと関係ないでは有りませんか。」
「あら、この私に歯向かうと言うことかしら。」
ラフィアとロザリアの妖気がバチバチとぶつかり合って一触即発の状態になっている。
「所詮は服ですよ。
そんなに怒らなくても良いでは有りませんか。」
次の瞬間、ロザリアはセラに向かって妖気の波動を送って拘束しようとした。
だが、ラフィアはロザリアの妖気の波動を自分の妖気で打ち消した。
「あら、お姉様。
私の所有品に手を出すおつもりですか?」
「ラフィア。
その下僕を渡しなさい。」
「それは出来ないわ。
セラは私の世話係ですもの。
居なくなっては困ります。」
凄まじい形相のロザリアに対してラフィアは一向に気に留めて居ない様子で、笑顔すら見せている。
その時、セラは只、俯いて膝跨いて震えて居た。
「ラフィア。
私を怒らせない方が良いわよ。」
ロザリアの目が赤く光怒りを露わにしている事がラフィアにも伝わってくる。
「お姉様では、私には遠く及びませんよ。
お辞めになった方が良いかと思いますが。」
「ラフィア。
口が過ぎますよ。」
その瞬間爆発的にロザリアの妖気が部屋全体を包み込むほどあふれだした。
それにより、空間が歪んでしまったかの様に部屋がグラグラと揺らいで見える。
だが、ラフィアの青い目が一瞬光るとロザリアの妖気は吹き消された。
「1000万分の1……。
今の力は1000万分の1程の力です。
おやめください。
大事なお姉様を傷付けたくない。」
その現象と言葉にロザリアは口を開けて驚いていた。
あまりにも力の差を見せつけられて。
そのまま部屋から消えて居なくなった。
「ふふふ、あははは、見た?
セラ。
お姉様ったら、大した力も無いくせに。
私の所有品に手を出そうなんて。
あ~、スッキリした。
さあ、行きましょう。」
セラは恐怖と自分の目の前で起こっていることに恐怖ではなく存在出来ていることに身体が震えて居た。
ロザリアの怒りよりもラフィアの青い瞳の輝きに死の闇より恐ろしい感情を感じていた。
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