誓いの嘘と永遠の光

藤原遊

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魔王討伐編

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ヴァルダナスが翼を広げ、魔力を周囲に解き放つと、部屋全体が震え上がった。空間を切り裂くような叫び声が響き、一行はその圧倒的な威圧感に身を固めた。

「これが四天王の頂点……!」

グレンが大剣を構えながら低く呟く。

「今までの相手とは比べものにならないわ……。」

レイナが杖を握りしめ、周囲に目を配った。

「全員、気を引き締めて! これが最後の試練だ!」

カイルが剣を振り上げ、全員を鼓舞するように声を上げた。

ヴァルダナスが手を振ると、床の魔法陣が輝き、四方八方から闇の触手が一行に襲いかかる。

「避けろ!」

カイルの叫び声と同時に、全員が素早く散開した。触手は鋭く動き、壁や床を次々と削り取る。

「こんなのまともに受けたら終わりだな……!」

ルークが短剣を構えながら距離を取った。

「影縛り!」

レイナが黒い鎖を放ち、触手の動きを一瞬封じる。その隙を突き、グレンが大剣を振り下ろした。

「これでどうだ!」

大剣が触手を断ち切るが、すぐに新たな触手が生み出される。

「きりがない……!」

グレンが焦りの声を上げる。

「レイナ、触手を抑えられるか?」

カイルが声をかけると、レイナはすぐに頷いた。

「できる限りやってみる!」

「ルーク、レイナを守れ! グレンと僕は前衛でヴァルダナスを攻撃する!」

「了解!」

カイルの指示で全員がそれぞれの役割に動き出す。

レイナは魔法で触手を次々と封じながら、全員の動きをサポートする。

「エリス、グレンを回復して!」

「分かったわ!」

エリスが治癒魔法を放ち、疲労していたグレンの体力を回復させる。その間にカイルがヴァルダナスに向かって剣を振り下ろした。

「これで終わりだ!」

カイルの剣がヴァルダナスの翼を切り裂く。しかし、ヴァルダナスは痛みを感じていないかのように冷笑を浮かべ、逆にカイルを吹き飛ばした。

「くっ……!」

カイルが壁に叩きつけられた。

「カイル!」

レイナが叫びながら杖を振るい、ヴァルダナスに向けて強力な魔法を放つ。しかし、それも簡単に防がれてしまう。

「これが人間の限界か……愚かだな。」

ヴァルダナスが冷たく笑いながら、再び闇の力を解き放つ。

「諦めるな!」

カイルが再び立ち上がり、剣を握りしめた。その姿に、全員が奮い立つ。

「全員で力を合わせるんだ! 仲間を信じろ!」

その言葉に応えるように、グレンが大剣を振り上げ、ルークが素早くヴァルダナスの背後に回り込む。

「今だ!」

カイルの叫びに応じて、レイナが強力な魔法を放つ。それがヴァルダナスの動きを一瞬封じると、全員が一斉に攻撃を仕掛けた。

激しい戦闘の末、ヴァルダナスはついに膝をつき、崩れ落ちた。彼の体がゆっくりと消え始める。

「見事だ……。だが、これで終わりではない。」

ヴァルダナスは冷たく笑いながら、最後の言葉を残した。

「魔王が待っている。お前たちの絆が本物かどうか……最後に試されるだろう。」

その言葉と共に、ヴァルダナスは完全に消え去った。

「……終わったのか?」

ルークが短剣を鞘に収めながら息をつく。

「ああ……これで四天王は全員倒した。」

カイルが剣を収め、全員を見渡した。

「でも、まだ終わりじゃないわ。魔王がこの先にいる。」

レイナが静かに言い、杖を握りしめた。

「そうだな……ここからが本当の勝負だ。」

グレンが大剣を肩に担ぎ直し、全員が頷いた。

「全員、準備を整えよう。次で、この旅を終わらせるんだ。」

カイルの静かな声に、全員が武器を握りしめた。

一行は再び歩みを進め、魔王が待つ最奥の部屋へと向かった。
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