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第3部
13章女神の伝承
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翌朝、ミユは早くから記録室に足を運んだ。昨夜、ルイスの優しい言葉に支えられたおかげで、彼女の心にはわずかな決意が芽生えていた。「私が調べなければならないことを、最後までやり遂げよう……」
ミユは机に資料を広げ、慎重に目を通していった。王家に伝わる伝承や歴史、そして結晶にまつわる記述を丹念に追い続ける。その中で目にしたのは、「女神の伝承」という古い物語だった。
「この大陸に住む6人の女神たちは、自らが住みやすい世界を作るために、大地を6つの王国に分け、それぞれの土地に特別な力を与えた……」ミユは読み進める中で、その伝承が現実と結びついているように思えた。
「女神たちは、自らの力を一族に継承させ、それぞれの土地の王族に守らせることを決めた。その一族は、理想郷と呼ばれる楽園を目指す導き手となる存在である……」
ミユはそこで目を止めた。「つまり、各国の王族は、女神たちの力を受け継ぐ存在だとされている……?」
さらに資料を掘り下げていくと、エルフィナス王国における女神の伝承も見つかった。
「エルフィナスの女神は光を司り、その力は王家の血筋に引き継がれる。しかし、その血筋が途絶えた場合、力は別の存在に託されることがある……」
ミユはその一文に息を呑んだ。「もし、エルフィナス王家の血筋が途絶えているのなら……結晶の力が完全に反応しないのは、そういう理由なの?」
彼女は混乱しながらも、さらに記録をめくった。その中には、結晶が女神の力を媒介する役割を持つという記述もあった。
ミユが記録に没頭していると、ふいに背後から声がかかった。「やっぱりここにいたのか、ミユ。」
振り返ると、ルイスが記録室の入口に立っていた。彼の顔にはどこか心配の色が浮かんでいる。
「ルイス様……」ミユは少し驚きながらも、すぐに微笑みを浮かべた。「おはようございます。」
「ずいぶん早くからここに来ていたんだな。」ルイスはミユの前まで歩み寄り、机の上に散らばる資料に目を落とした。「また、ずいぶんと興味深いものを調べているようだな。」
ミユは少し困ったように目を伏せた。「はい……気になることが多くて……」
ルイスは彼女の顔を見つめ、真剣な声で言った。「ミユ、君が何を調べているのか、僕には話してくれないのか?」
その言葉に、ミユの心は大きく揺れた。ルイス様に真実を伝えるべきか、それともまだ時期尚早なのか――彼女は深く息を吐き、小さく首を振った。
「まだ、確かなことが分からなくて……お伝えするには、もう少し時間が必要なんです。」ミユは正直に答えた。
ルイスはしばらく沈黙した後、穏やかな微笑みを浮かべた。「分かった。君がその時が来たと思うまで、待っているよ。」
その言葉に、ミユは胸の奥が温かくなるのを感じた。「ありがとうございます、ルイス様……」
その日の午後、オーウェンは結晶に関するさらなる発見を持ってルイスに報告する。結晶は、女神の力を正しく使える血筋を持つ者だけが扱えるものであり、その条件にルイスが完全には適合していない可能性が高いと告げる。
一方で、隣国では結晶を狙う動きが加速しており、その力を利用しようとする陰謀が見え隠れし始める。ミユとルイスは新たな局面に立たされ、さらなる困難に直面することになる。
ミユは机に資料を広げ、慎重に目を通していった。王家に伝わる伝承や歴史、そして結晶にまつわる記述を丹念に追い続ける。その中で目にしたのは、「女神の伝承」という古い物語だった。
「この大陸に住む6人の女神たちは、自らが住みやすい世界を作るために、大地を6つの王国に分け、それぞれの土地に特別な力を与えた……」ミユは読み進める中で、その伝承が現実と結びついているように思えた。
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「エルフィナスの女神は光を司り、その力は王家の血筋に引き継がれる。しかし、その血筋が途絶えた場合、力は別の存在に託されることがある……」
ミユはその一文に息を呑んだ。「もし、エルフィナス王家の血筋が途絶えているのなら……結晶の力が完全に反応しないのは、そういう理由なの?」
彼女は混乱しながらも、さらに記録をめくった。その中には、結晶が女神の力を媒介する役割を持つという記述もあった。
ミユが記録に没頭していると、ふいに背後から声がかかった。「やっぱりここにいたのか、ミユ。」
振り返ると、ルイスが記録室の入口に立っていた。彼の顔にはどこか心配の色が浮かんでいる。
「ルイス様……」ミユは少し驚きながらも、すぐに微笑みを浮かべた。「おはようございます。」
「ずいぶん早くからここに来ていたんだな。」ルイスはミユの前まで歩み寄り、机の上に散らばる資料に目を落とした。「また、ずいぶんと興味深いものを調べているようだな。」
ミユは少し困ったように目を伏せた。「はい……気になることが多くて……」
ルイスは彼女の顔を見つめ、真剣な声で言った。「ミユ、君が何を調べているのか、僕には話してくれないのか?」
その言葉に、ミユの心は大きく揺れた。ルイス様に真実を伝えるべきか、それともまだ時期尚早なのか――彼女は深く息を吐き、小さく首を振った。
「まだ、確かなことが分からなくて……お伝えするには、もう少し時間が必要なんです。」ミユは正直に答えた。
ルイスはしばらく沈黙した後、穏やかな微笑みを浮かべた。「分かった。君がその時が来たと思うまで、待っているよ。」
その言葉に、ミユは胸の奥が温かくなるのを感じた。「ありがとうございます、ルイス様……」
その日の午後、オーウェンは結晶に関するさらなる発見を持ってルイスに報告する。結晶は、女神の力を正しく使える血筋を持つ者だけが扱えるものであり、その条件にルイスが完全には適合していない可能性が高いと告げる。
一方で、隣国では結晶を狙う動きが加速しており、その力を利用しようとする陰謀が見え隠れし始める。ミユとルイスは新たな局面に立たされ、さらなる困難に直面することになる。
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