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第7話「クソ仕様」
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大人気なゲームといえど不満を思う点がないわけではない。
どれだけ優れたゲームといえど欠点の一つくらいはあるものだ。
だけどな――。
「――こんなクソ仕様はさっさと直せよ、運営……!」
現在怒りが積もりに積もっている俺は、青く澄んだ空に向けて大声を上げた。
周りには数体のスライムが俺たちを囲むように存在しており、代わりばんこで俺に体当たりをしてきている。
スライムの見た目は女の子受けを狙ってかわいく作られており、傍から見ればかわいいスライムがじゃれついているようで微笑ましい光景だろう。
しかし、実際に相手をするとこれほどイラつく相手はそうはいない。
少なくもこのスライム系のモンスターは、打撃系武器を扱うプレイヤーからは最も嫌われているモンスターだ。
なんせこいつら――打撃系の技が無効なんだよ……!
どれだけ殴っても体がグニャッと歪むだけで全くダメージが入っていない。
運営が、『スライムなんだから打撃攻撃が有効なのはおかしい』という正論をかざしたおかげで打撃が効かないんだからそれも当然だ。
まさか雑魚部類に入るスライムに苦戦を強いられる時がこようとは。
前の装備は打撃系じゃなかったから全く苦労しなかったんだよな……。
逃げようにも純恋を守りながらだと正直厳しい。
このスライムたち一体一体は大して強くないけど、束になるとさすがに厄介なのだ。
現状防御に徹してるからどうにか防げているが、これを走りながらするのはきつい。
なんでこんな事になっているのか――それは、純恋の相棒ニャーちゃんにあった。
「シュンちゃん、大丈夫……?」
次から次へと引っ切りなしに体当たりしてくるスライムを盾で防いでいると、俺の背に隠れ続ける純恋が心配そうな声を出した。
いくらかわいいモンスターが相手だろうとこんなふうに襲われれば怖がるのも当然か。
これは完全に俺の判断ミスだった。
とはいっても、こんな状況を予想出来るわけがなかったのだが。
俺だって自分の攻撃がスライムに効かない事はわかっていた。
その上で勝算があり、必要だからと判断してスライムが生息する場所に来たのだ。
それなのに――!
「大丈夫だから! だから早くそいつを起こしてくれ!」
俺はこの状況を作り出してくれた元凶を起こすように純恋に頼む。
その元凶といえばこんな状況にもかかわらずスヤスヤと純恋の腕の中で寝ていた。
そもそも俺がスライムを狩る事に決めた理由は、このネコモドキにスライムを食べさせるつもりだったからだ。
スライムの打撃無効ははっきり言ってかなり強い。
プレイヤー相手ならそう役に立たないかもしれないが、攻撃手段が限られているモンスターなら勝ち確の戦いも出来るからだ。
打撃系攻撃しか使えないモンスターを相手に選べば絶対に負けないと言い切れる。
そしてネコモドキには猫がモデルになっているだけあって、武器として使える鋭い爪があった。
この爪ならスライムを倒せるし、純恋にスペックを確認してもらったところ見た目に似合わず攻撃力と素早さが高かった。
それでももし攻撃を喰らいそうになれば俺が守ってやれば安全に狩りが出来るという思惑だったんだ。
それなのにこのネコモドキ、スライムの巣に近付いた途端勝手に巣に突っ込んで大量のスライムを連れてきやがった。
ネコモドキを一匹残していくわけにもいかず、おかげでこの状況が出来上がったというわけだ。
「でもこの子、赤ちゃんだから睡眠が大事みたいなんだよ……!」
「そんな事言ってる状況じゃないだろ、これ!?」
「だけど後五分は起きないって文字が出てるよ……!」
ちっ――後五分は起きないというメッセージが出ているって事は、このネコモドキが寝ている理由は特性が関わっているのか。
純恋が言った言葉から察するに大方このネコモドキは手に入れたばかりだから仔猫みたいな感じに設定されていて、赤ちゃんはよく寝るからという理由で成長するまですぐに寝る設定にされたんだろう。
チート級の能力を持っている代償に、ちゃんと戦えるようになるまでには育てる過程が必要という感じか。
出現確率からしても、まさか新規キャラで取得されるとは運営も思わなかったんだろう。
「後五分だな、わかった……!」
ネコモドキが起きてくれればこの状況は一瞬でひっくり返るため、俺はそれまで粘り続ける事にした。
――五分後。
「シャアアアアア!」
目を覚ましたネコモドキによって、辺り一面にいたスライムたちがただのゼリー状の物へと変わっていく。
いったい俺の努力はなんだったんだと思うくらい爽快な狩りに苦笑いが出てきた。
期待通り活躍をしてくれたとはいえ、なんだか納得がいかない部分が大きい。
「よしよし、ニャーちゃん凄いね」
「ニャー」
一仕事終えたネコモ――ニャーちゃんの頭を純恋が優しく撫で始める。
ニャーちゃんは撫でられるのが好きなのか、スリスリと純恋の手に頭を擦り付けていた。
こう見ると本当に只の猫だ。
これでとんでもないチート能力を持っているのだから運営も中々質が悪い。
多くのプレイヤーはこんな猫に近いモンスターを相手にすれば見た目で侮ってしまうだろう。
能力だけでなく、見た目もこのモンスターにとっては武器なのだ。
「純恋、これ食べさせて」
「うん、わかったよ。はいニャーちゃん、食べて」
純恋は俺から受け取ったスライムがゼリー状になった物をニャーちゃんの口元に運ぶ。
ニャーちゃんは『くんかくんか』と鼻で匂うと、そのままジッと俺の顔を見つめてきた。
……なんだ、このネコモドキ?
スライムを食べる事に不満があると目で俺に申しているのか?
何か言いたそうにジッとこちらを見つめてくるネコモドキになんだかイラッときた。
純恋のモンスターじゃなければメインに切り替えて斬り捨てるところだ。
「ニャー」
ネコモドキはあらかた満足したのか、俺から視線を外しゼリー状のスライムを食べ始める。
いったいさっきのガンくれはなんだったのだろうか。
少しして先程と同じようにネコモドキの体は光り始め、光が消えた頃には全身水色をするゼリー状の物体へと変化していた。
スライム化しても元の形は保てるようで、世に珍しい猫に羽が生えたスライムの出来上がりだ。
「どうだ?」
「うん、ちゃんとシュンちゃんが言った通りの能力が手に入ったよ! 【スライムフォルム】って名前で、打撃攻撃ってのを無効化出来るんだって!」
「そっか、狙い通りだな」
どうやら骨折り損のくたびれ儲けにはならずに済んだらしい。
後はトレーニングを積んで瞬時にフォルムチェンジが出来るようになれば、このネコモドキは打撃系モンスター相手に無敵となる。
「――ニャー」
「ん……?」
考え事をしていると、いつの間にか足元にネコモドキが来ていた。
その口にはなぜかゼリー状のスライムが咥われている。
「シュンちゃんにプレゼントだって言ってるよ」
ネコモドキの考えがわからずに首を傾げていると、飼い主である純恋が通訳をしてくれた。
「プレゼント?」
「うん! シュンちゃんが頑張ってくれたってのはわかってるから、そのお礼みたいだよ!」
「へぇ……」
俺は純恋の言葉を聞きながらネコモドキに手を伸ばしてみる。
するとネコモドキは俺の掌へとゼリー状のスライムを置き、もう一度『ニャー』と鳴き声を上げた。
純恋の言う通り俺にこのゼリー状のスライムをくれたようだ。
「……ありがとう」
「ニャー!」
プレゼントをくれたためお礼を言いながら頭を撫でると、ネコモドキは先程の純恋にしたのと同じように頭を擦りつけてきた。
ただ一つ違うのは、体がスライム化している事だ。
ぶよぶよとしていて触り心地はいいといえばいいのだが、どうせなら普通の猫の姿で触らせてほしかった。
だけど――。
「……かわいいな」
「だよね!」
甘えてくるネコモド――いや、ニャーちゃんの事をかわいいと言うと、純恋が嬉しそうに同意してきた。
自分のモンスターが褒められて嬉しいみたいだ。
少々イラついてしまったが、ニャーちゃんはきちんと役に立ってくれた。
これからどんどん強くなっていくだろうし、今後に期待をしておこう。
とりあえず今日の事は水にながしておく。
頭を擦りつけて甘えてくるニャーちゃんを撫でながら俺の気分は晴れるのだった。
――何処からともなく『にぃに、ちょろ』という佐奈の声が聞こえてきたような気がしたが、きっと気のせいだろう。
どれだけ優れたゲームといえど欠点の一つくらいはあるものだ。
だけどな――。
「――こんなクソ仕様はさっさと直せよ、運営……!」
現在怒りが積もりに積もっている俺は、青く澄んだ空に向けて大声を上げた。
周りには数体のスライムが俺たちを囲むように存在しており、代わりばんこで俺に体当たりをしてきている。
スライムの見た目は女の子受けを狙ってかわいく作られており、傍から見ればかわいいスライムがじゃれついているようで微笑ましい光景だろう。
しかし、実際に相手をするとこれほどイラつく相手はそうはいない。
少なくもこのスライム系のモンスターは、打撃系武器を扱うプレイヤーからは最も嫌われているモンスターだ。
なんせこいつら――打撃系の技が無効なんだよ……!
どれだけ殴っても体がグニャッと歪むだけで全くダメージが入っていない。
運営が、『スライムなんだから打撃攻撃が有効なのはおかしい』という正論をかざしたおかげで打撃が効かないんだからそれも当然だ。
まさか雑魚部類に入るスライムに苦戦を強いられる時がこようとは。
前の装備は打撃系じゃなかったから全く苦労しなかったんだよな……。
逃げようにも純恋を守りながらだと正直厳しい。
このスライムたち一体一体は大して強くないけど、束になるとさすがに厄介なのだ。
現状防御に徹してるからどうにか防げているが、これを走りながらするのはきつい。
なんでこんな事になっているのか――それは、純恋の相棒ニャーちゃんにあった。
「シュンちゃん、大丈夫……?」
次から次へと引っ切りなしに体当たりしてくるスライムを盾で防いでいると、俺の背に隠れ続ける純恋が心配そうな声を出した。
いくらかわいいモンスターが相手だろうとこんなふうに襲われれば怖がるのも当然か。
これは完全に俺の判断ミスだった。
とはいっても、こんな状況を予想出来るわけがなかったのだが。
俺だって自分の攻撃がスライムに効かない事はわかっていた。
その上で勝算があり、必要だからと判断してスライムが生息する場所に来たのだ。
それなのに――!
「大丈夫だから! だから早くそいつを起こしてくれ!」
俺はこの状況を作り出してくれた元凶を起こすように純恋に頼む。
その元凶といえばこんな状況にもかかわらずスヤスヤと純恋の腕の中で寝ていた。
そもそも俺がスライムを狩る事に決めた理由は、このネコモドキにスライムを食べさせるつもりだったからだ。
スライムの打撃無効ははっきり言ってかなり強い。
プレイヤー相手ならそう役に立たないかもしれないが、攻撃手段が限られているモンスターなら勝ち確の戦いも出来るからだ。
打撃系攻撃しか使えないモンスターを相手に選べば絶対に負けないと言い切れる。
そしてネコモドキには猫がモデルになっているだけあって、武器として使える鋭い爪があった。
この爪ならスライムを倒せるし、純恋にスペックを確認してもらったところ見た目に似合わず攻撃力と素早さが高かった。
それでももし攻撃を喰らいそうになれば俺が守ってやれば安全に狩りが出来るという思惑だったんだ。
それなのにこのネコモドキ、スライムの巣に近付いた途端勝手に巣に突っ込んで大量のスライムを連れてきやがった。
ネコモドキを一匹残していくわけにもいかず、おかげでこの状況が出来上がったというわけだ。
「でもこの子、赤ちゃんだから睡眠が大事みたいなんだよ……!」
「そんな事言ってる状況じゃないだろ、これ!?」
「だけど後五分は起きないって文字が出てるよ……!」
ちっ――後五分は起きないというメッセージが出ているって事は、このネコモドキが寝ている理由は特性が関わっているのか。
純恋が言った言葉から察するに大方このネコモドキは手に入れたばかりだから仔猫みたいな感じに設定されていて、赤ちゃんはよく寝るからという理由で成長するまですぐに寝る設定にされたんだろう。
チート級の能力を持っている代償に、ちゃんと戦えるようになるまでには育てる過程が必要という感じか。
出現確率からしても、まさか新規キャラで取得されるとは運営も思わなかったんだろう。
「後五分だな、わかった……!」
ネコモドキが起きてくれればこの状況は一瞬でひっくり返るため、俺はそれまで粘り続ける事にした。
――五分後。
「シャアアアアア!」
目を覚ましたネコモドキによって、辺り一面にいたスライムたちがただのゼリー状の物へと変わっていく。
いったい俺の努力はなんだったんだと思うくらい爽快な狩りに苦笑いが出てきた。
期待通り活躍をしてくれたとはいえ、なんだか納得がいかない部分が大きい。
「よしよし、ニャーちゃん凄いね」
「ニャー」
一仕事終えたネコモ――ニャーちゃんの頭を純恋が優しく撫で始める。
ニャーちゃんは撫でられるのが好きなのか、スリスリと純恋の手に頭を擦り付けていた。
こう見ると本当に只の猫だ。
これでとんでもないチート能力を持っているのだから運営も中々質が悪い。
多くのプレイヤーはこんな猫に近いモンスターを相手にすれば見た目で侮ってしまうだろう。
能力だけでなく、見た目もこのモンスターにとっては武器なのだ。
「純恋、これ食べさせて」
「うん、わかったよ。はいニャーちゃん、食べて」
純恋は俺から受け取ったスライムがゼリー状になった物をニャーちゃんの口元に運ぶ。
ニャーちゃんは『くんかくんか』と鼻で匂うと、そのままジッと俺の顔を見つめてきた。
……なんだ、このネコモドキ?
スライムを食べる事に不満があると目で俺に申しているのか?
何か言いたそうにジッとこちらを見つめてくるネコモドキになんだかイラッときた。
純恋のモンスターじゃなければメインに切り替えて斬り捨てるところだ。
「ニャー」
ネコモドキはあらかた満足したのか、俺から視線を外しゼリー状のスライムを食べ始める。
いったいさっきのガンくれはなんだったのだろうか。
少しして先程と同じようにネコモドキの体は光り始め、光が消えた頃には全身水色をするゼリー状の物体へと変化していた。
スライム化しても元の形は保てるようで、世に珍しい猫に羽が生えたスライムの出来上がりだ。
「どうだ?」
「うん、ちゃんとシュンちゃんが言った通りの能力が手に入ったよ! 【スライムフォルム】って名前で、打撃攻撃ってのを無効化出来るんだって!」
「そっか、狙い通りだな」
どうやら骨折り損のくたびれ儲けにはならずに済んだらしい。
後はトレーニングを積んで瞬時にフォルムチェンジが出来るようになれば、このネコモドキは打撃系モンスター相手に無敵となる。
「――ニャー」
「ん……?」
考え事をしていると、いつの間にか足元にネコモドキが来ていた。
その口にはなぜかゼリー状のスライムが咥われている。
「シュンちゃんにプレゼントだって言ってるよ」
ネコモドキの考えがわからずに首を傾げていると、飼い主である純恋が通訳をしてくれた。
「プレゼント?」
「うん! シュンちゃんが頑張ってくれたってのはわかってるから、そのお礼みたいだよ!」
「へぇ……」
俺は純恋の言葉を聞きながらネコモドキに手を伸ばしてみる。
するとネコモドキは俺の掌へとゼリー状のスライムを置き、もう一度『ニャー』と鳴き声を上げた。
純恋の言う通り俺にこのゼリー状のスライムをくれたようだ。
「……ありがとう」
「ニャー!」
プレゼントをくれたためお礼を言いながら頭を撫でると、ネコモドキは先程の純恋にしたのと同じように頭を擦りつけてきた。
ただ一つ違うのは、体がスライム化している事だ。
ぶよぶよとしていて触り心地はいいといえばいいのだが、どうせなら普通の猫の姿で触らせてほしかった。
だけど――。
「……かわいいな」
「だよね!」
甘えてくるネコモド――いや、ニャーちゃんの事をかわいいと言うと、純恋が嬉しそうに同意してきた。
自分のモンスターが褒められて嬉しいみたいだ。
少々イラついてしまったが、ニャーちゃんはきちんと役に立ってくれた。
これからどんどん強くなっていくだろうし、今後に期待をしておこう。
とりあえず今日の事は水にながしておく。
頭を擦りつけて甘えてくるニャーちゃんを撫でながら俺の気分は晴れるのだった。
――何処からともなく『にぃに、ちょろ』という佐奈の声が聞こえてきたような気がしたが、きっと気のせいだろう。
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