異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした

せんせい

文字の大きさ
上 下
48 / 57
幼女と邪神とユキ

ぼっちと邪神と食料調達

しおりを挟む


 とりあえずクレバスに言われるがまま食料を入れる袋に肉を詰め込んだ。

「次は野菜だな」
「野菜はいらんのじゃ。肉だけで十分じゃぞ?」

 野菜を嫌うクレバス。
 バーベキューで焼く野菜は普通で食べる野菜より美味しいんだぞ。
 同じ焼き方をしても味が違うように感じるのは景色や、その空間で食べることによるプラス要素なのだろうか。

 逃げだしそうなクレバスを小脇に抱えて農業空間へと向かう。

「さて、バーベキューと言ったら何の野菜がいいと思う?」
「妾は食わんぞ。断じて食わんのじゃ」
「そうかそうか、クレバスはピーマンが好きなんだな」
「やめい!!! 妾がピーマンを苦手と知っているだろう!? せめてタマネギにするのじゃ」

 抱えられながら手足を動かしてクレバスが駄々を捏ねる。
 タマネギなら食べると言っているので袋に入れる。

 他にもカボチャやピーマン、ナス、肉に巻くためのキャベツとレタス。
 毒のない食用のキノコ類も袋に詰め込んだ。


「こんなものだろう」
「シュウよ、さっきリュウノダケがあったように見えたのじゃが……?」
「リュウノダケ? 鱗みたいなのが付いてるキノコか?」
「そうじゃ。龍種の亡骸に生えると言われている幻のキノコじゃ。生える元となった亡骸が所有していた魔力の量によってキノコの保有する魔力の量が変わってくる、のじゃが……」

 そんな珍しいキノコだったのか。
 確かに、龍は死んでも素材が沢山使えることから死骸が残らなそうだな。
 死骸が残らないということはキノコが生えるほど放置されないってことだろう。

「尋常じゃない魔力の量が保有されておったぞ? 一体、何に生えておったのじゃ?」
「あー……確かサイガの尻尾だな」
「……龍王のか? お主、阿呆じゃろ?」
「生え変わるからって言われて、昔に貰ったんだけど置き場所無くて外に放置してたらキノコ生えてきたからそのままココに置いていたんだった」

 相当昔だぞ。貰ったの。
 初めて会って少ししてからぐらいの次元だ。

 あの時はまだ素材集めとかしていなかった頃だからテキトーに放置してたんだっけ。
 気が付いたらキノコが生えてた。
 
「キノコの味はどうなんだ?」
「魔力の量が多ければ多いほど美味い」
「よし、全部持って行くか」
「妾とお主は大丈夫かと思うが他三人が魔力中毒になったりせんか?」
「そんなに魔力多いか? 見た感じ、シロとミドリの半分。ユキの3分の1ぐらいだと思うんだが」
「なんじゃと!? あやつらそこまで魔力持っとるのか!?」
「まあ、そりゃ俺が常に全員の魔力許容量が上限になったら循環させて上限突破させてるからなぁ……」

 体内の魔力許容量が上限を超すと体の穴という穴から魔力が滲み出る。
 そこからさらに魔力を取り込んでしまうと量によっては体の内側から膨れ上がる魔力に耐え切れず、肉体が爆散する。

 なのでギリギリのところで魔力を循環させると魔力の通る道が太く強靭になり、許容量が増加する。
 身をもって実験したことだ。

 体内に魔力を溜める場所も節々にあり、魔力を循環させるときに溜める場所に負荷をかけるとより増加が顕著に出る……が尋常じゃない苦痛が伴うのでシロとミドリとユキにはやらない方針だ。

「なるほどのう……そういえばお主はどの程度の魔力を持ってるのじゃ?」
「サイガが米粒、俺が星」
「……どういうことじゃ?」
「対比だ。サイガの保有する魔力量が米粒だとして俺がこの星と同じぐらいの量だ」
「スケールが大きすぎて……理解に苦しむのじゃが? 龍王サイガでも妾の100倍以上の魔力を持っているのじゃぞ??」
「そうだな。普段はサイガの半分の魔力量しか使わないように封印しているだけだ」
「のう……?? それでも人体に収まる魔力の量じゃない気がするのじゃが……?」
「説明するのが面倒だ……後ででいいか?」
「うむ、また気が向いたときに頼むのじゃ」
「助かる」

 リュウノダケを袋に突っ込み、農業空間から出る。
 魔力の量に関しては俺の体に保有されている魔力はサイガの半分だ。

 だが、魔力が流れる至る所に空間魔法で別空間を作り出してそこを肉体の一部として認識させて魔力を溜めている場所が無数にある。
 そこが上限いっぱいまで溜まったら封印して新しい空間を作り出して……というのを5000年前ぐらいからやっている。

 肉体だけで溜めておけるのがサイガの半分で限度だったからなぁ……。
 どうにかして溜めれないか模索したものだ。

 いろいろ試して今の形に落ち着いたって感じだな。


しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。 「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。 そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。 『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。 その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。 スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。 ※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。) ※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

処理中です...