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幼女と邪神

幼女と散歩

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 少し歩くと所々50cmくらいの深さの穴が空いている場所に着いた。

「ここは! ……なんだっけ?」
「くれねぇ、が……おにーちゃ……をおとす?」
「それだ! またやりたいねー」
「ぼく……えんりょ、する……」

 この場所はミドリとシロとクレバスが結託してシュウにイタズラをしようとして使った場所である。
 ミドリがシュウに肩車をしてもらい、手でシュウの目を隠す。
 シロがシュウと手をつないで誘導して進む方向にクレバスが穴を掘ってシュウを落とすという作戦だった。

 結果は惨敗だった。

 シュウが落とし穴を避けるために普通とは違う動きをしたため肩車をされていたミドリは乗り物酔いに近い症状を引き起こし、シロは落とし穴を避けきれず穴に落ちて泥だらけ。

 クレバスはこっ酷く叱られ1週間オヤツを抜かれた。

 ミドリからするとこの落とし穴たちは苦い思い出なのだ。


「あれ、だめ……つぎ、でる」
「なにがー?」
「ないしょ……」

 直前に食べた食事をシュウの頭の上にぶちまけるのは流石にまずいと思っているのだろう。
 落とし穴ゾーンを抜けるためにミドリとシロは歩みを進めた。


 他愛もない会話をしながらぽてぽてと歩いていると少し色の濃い芝生が生えている場所にたどり着いた。

「ここちがうねー?」
「ここ……ふわふわ……」
「ほんとだーーー!!」

 芝生に触れて目がキラキラと輝くシロ。
 手を左右に動かして触感を楽しんでいるようだ。

「なんかぽかぽかしてきた」
「ねもい……」
「しろもー……ねよっか」
「うん……」

 歩いて疲れたところにフカフカの芝生。
 暑くもなく寒くもない暖かい日差し。

 ここはシュウがいい日差しが当たると昼寝ポイントとして品種改良した芝生を植えており、快眠の魔法陣を設置してたまに寝ているのだ。

 誰も来ることはないだろうと快眠の魔法陣は設置したまま。
 2人が睡魔に囚われるのは明らかだった。





 数時間が経ち、空は真っ赤に染まっていた。
 シロとミドリは、すぴー……と可愛い寝息を立てて眠っていた。

「探知魔法で庭にいるのは分かっていたが、いつまで遊んでるのかと思ったらここで寝てたのか……よいしょっと」

 ぐっすりと眠っているシロとミドリを優しく抱き上げ、シュウは家の中へと戻って行った。


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