異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした

せんせい

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幼女と邪神

ぼっちと邪神とユキ+閑話

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 この剣、どうするか……。
 亜空間に仕舞っておいて何かあったときに取り出せばいいか。

「まあ、考えても分からないから一旦保留だな」
「そうじゃのう。ユキ、お主はこの先どうるのじゃ?」

 ユキ……? 雪ん子のことか?
 悪くない名前だな。

「私、行くとこないの……」
「安心しろ、ユキ。お前のことは雪の女王から頼まれている」
「おかあさん……」

 頼まれてしまったからなぁ……。
 仕方ない。
 シロとミドリにも賛成かどうか聞こうとしたが、リビングのど真ん中で大の字になってシロが寝ている。
 そのシロの左上あたりでミドリが丸まって寝ている……大じゃなくて犬の字だな、こりゃ。

 寝ていると本当に静かだな。
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ~幕話~ 幼女のお散歩



 人類にとって最も危険な場所である『魔の森』の最深部ではその危険度に見合わないほのぼのとした空気が流れていた。

「にーにーー!!」
「なぁ、シロ。耳元で叫ばなくても聞こえてるからな?」
「おそといきたい!」

 シュウは少し悩んだような素振りを見せて答えた。

「外って街か?」
「おにわ!」
「いいぞ、行ってこい」

 許可が下りたシロはシュウの腕からトウッっと声をあげて飛び降りた。
 それを見たシュウが何やら魔力を練っているようだ。

「(庭って言っても何もないが、一応対物理障壁と魔法障壁を全力で掛けておこう)」

 こうしてシロの冒険は始まった。






「おにわ! みどり!」
「おねーちゃ……ねむい……」

 元気なシロとは対照にミドリのテンションは低く、眠そうなのが伺える。
 どうやら夜遅くまでクレバスと話していたようだ。

 ミドリにもしっかりと物理障壁と魔法障壁は展開されていた。抜かりはないようだ。

「なにしよーねー?」
「ひなたぼっこ……」
「やだ! ねちゃう!」

 外に行きたいと言って外に出てきたが何をするかは決めていなかったようで、お互いに何をするか案を出し合っている。

「いもむしごっこ……?」
「それもねちゃう」
「さなぎ……」
「ちょうちょ!」

 ミドリのいる場所を中心にシロがクルクルと周りはじめた。
 ぼーっとシロを眺めるミドリ。
 何か思いついたのかハッとした表情に変わった。

「おねーちゃ……」
「なぁにー?」
「あるいて、みつけよ?」
「いいねー! じゃあ、あっち!」

 ぽてぽてと歩き始めた2人。
 庭は広く2km四方ほどある。
 周囲には魔物除けの結界と悪意ある侵入者を迎撃する自動迎撃魔法が展開されているため、龍王でも攻めてこない限り安心は揺るがないだろう。

「みみずだ……」
「にょろにょろしてるね!」

 ミドリがミミズを見つけるや否やシロがそのミミズを掴んだ。
 ミミズは話してくれと言わんばかりにシロの手の中でうねっている。

「はなしてあげて…」
「なんでー?」
「おしごとちゅうなんだって」

 前にシュウがミミズは土を良くしてくれる仕事をしている……と言っていたのが記憶に残っているのだろう。
 それをシロに掻い摘んで説明した。

「そっかー……めんねー?」
「がんばってね……」

 そう言ってミミズのいた場所を後にした。
 2人の散歩はまだまだ続く。

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