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幼女と邪神
幼女と邪神とかき氷
しおりを挟む「じゃぶい!!」
外に出た瞬間、シロが叫んだ。
確かに、冬と同じぐらい寒いな。
シロとミドリに温度最適化の魔法をかける。
「あったかい……」
「妾にもかけてくれんかのう?」
「ほいよ」
「助かったのじゃ!」
そう言ってクレバスはシロと一緒に雪原と化している庭へ走って行った。
懐からクレバスが何かを取り出す。
「なんだあの赤いの」
瓶のようなものの中に赤い何かが入っている。
……もしかしてイチゴジャムとかじゃないよな?
おもむろに瓶を開けて雪を適量、手に取った。
瓶の中身を雪にかけ――食った。
「うまい! うまい!」
一心不乱に雪を食うクレバス。
それをマネしてシロも瓶の中身をかけてもらって雪を食い始めた。
「あまい!」
「じゃろう!?」
間違いなくイチゴジャムだな。何処から持ってきたんだ……?
まさか、この前こっそり農園で取ったイチゴを果肉大き目のジャムにしたんだが……それか?
疑問そうにしているとクレバスがどや顔してきた。
「おにいちゃ……ぼくも……」
「ちょっと待っててくれ」
何か甘いの無かったっけな……。
ないな。
作れないかと考えていると前にクレバス言っていたであろうことを思い出した。
神力を使ってかき氷のシロップ創造できるか……?
物は試しだ。
「【創造】」
唱えると俺の手には容器に入った紅色の液体があった。
指に付けて舐めてみる。うん、シロップだ。
別空間に仕舞っていた器を取り出して雪を盛る。
盛る際に不純物を取り除いて……っと。
そのまま食うと原下す可能性があるからな。
「ほれ、ミドリ」
「わぁい……」
器を渡すとミドリが小さく喜んだ。
俺も器を出して食べてみる。
うん。普通にかき氷だな。
「クレバス」
「なっ、なんじゃ!? キッチンの棚の中にあったジャムなんぞ知らんぞ!?」
知ってるじゃねぇか。
それこそ、俺が隠れて作っていたイチゴジャムだ。
「なぜ、ジャムをクレバスが持っているのかは知らん。知らんが……」
「知らんが何なのじゃ……?」
「このシロップと合わせて食べてみないか? 美味いと思うんだ」
「名案じゃのう! こっそり持ってきた甲斐があったのじゃ!」
「おい」
しまった、という顔をするクレバス。
今回ばかりは不問としよう。
さっきやったように不純物を除いて皿に盛る。
シロップとジャムの果肉を載せて……完成だ。
「にーに……」
物欲しそうな目で見ているシロに渡す。
肩車をしているミドリが自分も、と急かすかのように俺の頭を叩く。
ちゃんと全員分作るから待ってろって。
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