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幼女と邪神
幼女と邪神と異常気象
しおりを挟む「にーにーーー!! おきてーーー!!!」
「そとが……しろい……」
「よんだ?」
シロが大きな声で俺を起こそうとした。
今は朝だ。
ミドリと漫才でもしているのかと思ったがそうでもないみたいだ。
外が白い……?
今は確か初夏ぐらいのはずなのだ。雪なんて振るわけが……。
体を起してシロを抱きかかえる。
「おきたー!」
「おにいちゃ……そと、しろい……」
「よんだ?」
首をコテンと傾げるシロ。天丼だぞ、それ。
窓から外を見ると雪が降っていた。
……雪!?
初夏だぞ? ……初夏だぞ!?
「これは雪じゃの」
「おいしいの?」
「シロップをかけると美味いぞぅ」
おいクレバス。変なことを教えるんじゃない。
本当にシロップを持って雪に突っ込んでいったらどうするんだ。
子供のころの記憶って結構大切なんだぞ?
今はやらせなくとも大きくなってから本当にやりそうで怖いな。
こっちの雪は不純物がほとんどないきれいな雪なので食べても問題はないが……。
「じゅるり」
「食べちゃだめだぞ」
「やだーーー!!!」
絶対食わせないからな。
「ゆき……なに……?」
「んー、氷みたいなもんだ」
詳しく説明すると絶対に理解できないと思うので適当に教えておこう。
大きくなって疑問に思ったらまた教えよう。
そもそも何で溶けないんだ?
もしかして外が寒いのか…?
家の中は俺が設置した魔方陣のおかげで一定の温度と湿度に統一されている。
窓を開けてみるか……。
「しゃぶい!」
「唐突に開けるでない!!」
「さむい……」
冷たい風が吹き抜けてきたため寝間着の全員にダメージが入ったようだ。
腰布しか装備してない俺が言えたセリフじゃないけどな。
いつまでも開けていると嫌われそうなので窓を閉める。
「何故、シュウは大丈夫なのじゃ……?」
「寒いと予測して魔法で熱を生産した」
「おお! 本当じゃ! ぬくいのぅ…」
クレバスが腰の辺りにしがみ付く。離れろ。
ミドリは足のほうにくっつき始めた。
抱きかかえているシロを下におこうと思ったら引っ付いて離れない。
……二度寝しよう。そうしよう。
シロを左で持ち、足にくっついているミドリを右で抱える。
そのままベッドに寝転ぶ。
ちなみにシロはもう寝ていた。早いな。
ミドリも起き抜けなのでうとうとし始めた。
今日は何も予定はないのでゆっくりしよう。
クレバスは俺に潰されて苦しそうに、のじゃのじゃ言ってる。
……放置でいいか。
二度寝を堪能して、起床すると割と雪が積もっていた。
最初は、あまりの異常気象に攻撃かと疑ったが魔法の気配を一切感じないので純粋に雪が降っているらしい。
シロとミドリが起きたら雪合戦でもするか……。
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