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ぼっちと幼女
幼女と暇な日
しおりを挟むクッキーを作って食べ、昼食を食べ終わった俺はシロとミドリを連れて庭に来ていた。
今日はいい感じに日が差し込んでるので日向ぼっこでもしようと思う。
庭にはそこらへんに生えていた植物を品種改良して芝生の様な植物が生えている。
日本の芝生より柔らかく、心地がいい。
「よっこいせっと……!」
仰向けに寝転がる。
2人が不思議そうにこっちを見ている。
何だ? 爺臭かったか……?
「ここで……なに……するの……?」
「何もしない。ただ日差しを浴びるんだ」
「えー? あそぼーよー!」
「ミドリが遊んでくれるそうだ」
「おなか、いっぱい……うごき、たくない……」
「そんなー……」
シロがしょぼーんの顔文字のようにショボくれてしまった。
ミドリは俺の腰の近くに座り腰布の鱗の枚数をおもむろに数え始めた。
……楽しいか?それ。
「とうっ!」
「俺はジャンプ台じゃないぞ」
掛け声と共に俺の腹の上でジャンプをするシロ。
どうしても遊びたいみたいだ。
……いい案を思いついたぞ。
「シロ、俺の隣に座ってくれ」
「あそぶ?」
「楽しい遊びだ。座ったら寝転がってくれ、仰向けだ」
「こうー?」
シロがミドリの方に足を向けて寝転がる。
そうだ。それだ。
寝返りをうってシロの方に向く。
「あっ……おにーちゃ……めっ……!」
「すまん、ミドリ」
俺が動いたせいで数えていた場所がわからなくなったのかミドリが頬を膨らましてこちらを見ている。
「にーに? なにするのー?」
「ああ、こうするんだ」
シロのお腹に手を置き、光の魔力を流しながら一定のリズムでポンポンする。
きょとんとした顔でこちらを見ている。
「なにしてるのー?」
「直にわかる」
次第にシロの目がショボショボしてきた。
無事に眠気を誘えたみたいだ。
「ふにゃぁ……はっ! あそぶのー…」
「はいはい」
寝るもんかと眠気に抗うシロを軽くあしらう。
数分もしないうちに寝息が聞こえてきた。勝ったな。
ミドリは黙々と鱗の数を数えてた。
結構細かい作りだから1日じゃ数えきれないと思うぞ…?
30分くらいミドリを観察していたら頭が船を漕ぎ始めた。
眠気がやってきたみたいだ。
「ねむ……」
「寝ていいぞ?」
「うん……おやすみ……」
仰向けに戻っている俺の腹に覆い被さる感じでミドリが寝落ちした。
ヘソあたりに頭がきている。
さて……2人とも寝てしまったのでやる事が無くなってしまったな。
何をするか……。
とりあえずシロを魔法で浮かせてミドリと並べる様に寝かせる。
あ、コイツよだれ垂らしてやがる。
それにしても2人と出会ってから日々が充実していたな…
前までは時間の決まった生活なんてしてなかったから、前までの生活が懐かしく思える。
今の方が楽しいけどな。
そういえば街に行った時、邪神とか言ってたよなぁ……。
いろいろ思い返したらあの時の魔力の反応、俺なんじゃないかと思えてきた。
1回目はシロの腹の虫事件。
あの時、結構全力で魔力を解放したから感知される可能性は高い。
2回目の街の住人の8割が気絶した魔力が飛んできたって言ってたやつ。
これは間違いなく俺だ。
魔力感知で街まで魔力を飛ばした。
薄い膜状にしていたが普通の人間には強すぎたみたいだ。
それにしても邪神か……多分、ここから500km近く離れたところにある変な気配のところだな。
気にして感知し続けていないし、復活してこっちの生活に害をもたらすのであれば締めればいいだけの話だ。
放置で問題ないだろう。
考え事をしていたら随分と時間が経っていたみたいだ。
少し薄暗くなり始めている。
シロとミドリを脇に抱えて家に戻るか。
今日の晩飯は何しようかなぁ……。
◆
くそっ、くそっ、クソッ!
妾をこんなにも長い時間閉じ込めおって……。
勇者の力を侮っておったわ……!
元はと言えば妾の力を与えた勇者じゃからのう……。
窮鼠猫を噛むってのはこの事じゃの……違うか。
元をたどれば妾の世界に送り込まれた人間が悪いのじゃ!
どのくらいの年月が経ったかは忘れたがの、この封印はもうすぐで破れる。
待っておれ! 死の神の使いめ!!!
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