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ぼっちと幼女
幼女×2がいる日常
しおりを挟む結局2人は朝になるまで起きてこなかった。疲れていたのだろう。
朝ごはんにフレンチトーストもどきを作ってみたら目をキラキラさせながら食べていた。
ほんとかわいい。
朝食を食べ終わり、ひと段落したところで俺は話を切り出した。
「今から家族会議をしたいと思います!」
「にーに!」
「どうした?」
「のせて!」
肩車だろうか?
何が正解か分からないが一応肩に乗せる。
「ほれっ」
「やったー!」
ミドリはしっかり椅子に座って俺が話すのを待っているというのにシロに関してはまるで思いついたら即行動するかのようにはしゃいでる。
「では、第1回緊急家族会議を開始します」
「ます!」
「いいなぁ…」
ミドリがシロを見ながら呟いた。
あ、これ大人しく話すのを待ってたんじゃなくてシロの肩車が羨ましくて落ち込んでたのか。
「仕方ない。ミドリは膝の上な」
「わぁい…!」
パァァァっと効果音が付きそうなくらい明るく笑い、俺の膝に登って来た。
……これ、リビングのテーブルを囲む意味ないな。
シロが俺の頭をペシペシと叩いてくる。
「おはなし!」
どうやら暇になってしまったようだ。
ちがう、そうか家族会議中だった。
「本日の議題は『着る服がない』です」
「です!」
そう、服がないのだ。
俺用の服は2着あったが着なさすぎて風化してボロボロだった。
6000年前に作ったきり着ていなかったからなぁ…
「かいに……いく……?」
「ここから最寄りの街を知らない」
そう、知らないのだ。
約2万年もこの森の中で生活ができてしまってたので街に行く必要が無かった。
そもそも人付き合いが苦手なので街に行くという選択肢がなかった。
「どーしましょー?」
さてどうしようか。
買いに行くにしても金を持っていない。
「ふく……つくる……?」
ミドリが俺の腰布を掴みながら言った。
ふむ……悪くはない、な。
「作れるには作れるんだが子供の服は作ったことがないしな……」
「シロはねー? かわいいのがいい!」
「ぼく……おちついたの……」
おい? 作ったことがないって言ってるのにハードルを上げるないでくれ。
仕方ない、作るか…
「そうか、2人が着ている服をモチーフにして少し改造すればいいのか!」
「そーなのかー!」
作ると決まったら素材決めだな。
なんの素材を使って作るかな…
正直な話、この森にいる生物の素材は全てあるような気がする。
ちょいと前に狩った羊みたいなやつの毛でも使ってみるか。
「にーに!」
「ん?」
「のどかわいた!」
そりゃこんだけ大きな声を出していれば喉も乾くだろうよ。
ジュースでも用意してみるか?
確か家の裏に紫色の果物が実っていたのを覚えている。
発見した時に齧ってみたけどすっげぇ甘かった。
空間魔法で…いや、風魔法でいいな。
木に実ってる実だけ切り取って浮かせてこっちまで持ってくるか。
「おー!? なんかとんでる!」
「すごい……」
2人とも喜んでいるみたいだ、良かった。
相変わらずシロは俺の頭を叩いているがな。
さて、この木の実を液体になるまで刻んでっと。
「みずになっちゃった!」
「おおぉぉ…」
これに水と氷を少し混ぜてコップに入れれば完成だ。
ふむ、色は毒々しいけど美味いな。
「あまい!」
「これ……すき……」
口に合ったみたいだ、良かった。
感覚的には桃とか林檎に近い感じだな。
暇な時にでも畑とか果樹園でも作ってみるか。
「冷たっ!? シロ! 溢さず飲んでくれ!」
「えー?」
俺の頭の上で飲んでいることを自覚してくれ……。
これ髪の毛がベタベタになるやつだな。
あとで洗おう……。
それにしても結構打ち解けられたな。
2人の気配から警戒心がなくなってる、嬉しい限りだ。
「にーに……」
「どうした、シロ」
「しっこでそう」
オイオイオイ。死んだわ、俺。
漏らすなよ? フリじゃないからな?
そこで漏らすのだけは勘弁してほしい。
「おろして!」
「ほいよ」
パタパタと駆け足でトイレに向かって行った。
間に合えばいいんだが…
今のうちに服の素材を倉庫から取り出しておくか。
羊もどきとでかいトカゲと…昨日の食った熊の毛皮も使えるか?
「ふぃー! まにあった!」
そうこうしているうちにシロが帰ってきた。
間に合ったようだ。
シロはワンピースみたいのを着ているから同じような服でいいか。
少しばかり装飾したりしておけば気に入ってもらえるだろう。
ミドリはシャツにズボンといった感じの格好だ。
落ち着いた感じが良いと言っていたのでシンプルにショートパンツとシャツにしておこう。
他に要望があればまた作ればいい話だからな。
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