の妹

二十年前の真夏の盛り、かくれんぼをしていた私の妹は車内で遺体となって発見された。
それ以来、毎年夏になると私には死んだ妹の声が聞こえる。

「もういーよ」

妹はそう言って私が見つけてくれるのを待っている。
不気味と言えば不気味だが、今のところ害もないので私にとっては夏の風物詩と変わりない。
しかし一つだけ、気になることがある。
それは妹が、毎年一つずつ数字を数えていることだ。二十から始まって毎年一つずつ数が減っていく。
もしこのカウントがゼロになった時、このかくれんぼは一体どうなるのだろう。

妹はいつまで私とかくれんぼをするつもりなのだろう。
24h.ポイント 0pt
0
小説 195,552 位 / 195,552件 ホラー 7,174 位 / 7,174件

あなたにおすすめの小説

意味怖通り

えんげる
ホラー
道を歩けば 恐怖に出くわす 気付く頃には 通り過ぎてる

黒い夢

美咲
ホラー
   女の子なら一度は夢見る好きな人と結婚して愛されて幸せになる。そんな普通の幸せを 私は手に入れたい。なのに...!  

びらん

ツヨシ
ホラー
巨大マンションに巣食う悪霊がいる。

【完結】生物兵器と合体した彼女

ジャン・幸田
ホラー
 ある晩、俺の彼女・静香が行方不明になった。そして、その晩から夜な夜な出没するUMA(未確認生物)の話題で持ちきりになった。  その正体を確かめるべく夜の街を彷徨った俺がみたのは・・・変わり果てた静香だった! 蟷螂女になった彼女と俺の運命はいかに?

家で少女は夢を見る

ピエロ
ホラー
※この作品は、気分を害する場合がありますがご了承ください。 中学2年生14歳のあいかは、いつか歌手になるという夢を抱いていた。彼女と共に住む会社員のワタルはその夢を応援し、彼女の支えとなっていた ある日行方不明少女のニュースが流れる。 少女の名前は渡辺あいか 中学2年生 14歳。 そのニュースを気に、二人の生活は一変する

鬼手紙一古代編一

ぶるまど
ホラー
一『今から話すのは…千年前の私達の《過去》についてだ』一 一あらすじ一 今明かされる《鬼灯六人衆》結成の物語。 物語の舞台は千年前へと遡る。千年前…かつて妖怪と神と人間の距離が近いとされた時代であった。 五十嵐家の初代当主である五十嵐家 秋声は鬼巫女である双葉 氷見子と和華を守るため《鬼灯六人衆》を結成することを決意する。鬼神の予言により3人が選び出された。秋声は氷雨と辰三郎と共に予言された3人の元へと向かい、仲間になるように交渉するのだが…?

人形の輪舞曲(ロンド)

美汐
ホラー
オカルト研究同好会の誠二は、ドSだけど美人の幼なじみーーミナミとともに動く人形の噂を調査することになった。 その調査の最中、ある中学生の女の子の異常な様子に遭遇することに。そして真相を探っていくうちに、出会った美少女。彼女と人形はなにか関係があるのか。 やがて誠二にも人形の魔の手が迫り来る――。 ※第1回ホラー・ミステリー小説大賞読者賞受賞作品

没考

黒咲ユーリ
ホラー
これはあるフリーライターの手記である。 日頃、オカルト雑誌などに記事を寄稿して生計を立てている無名ライターの彼だが、ありふれた都市伝説、怪談などに辟易していた。 彼独自の奇妙な話、世界を模索し取材、考えを巡らせていくのだが…。