STUDEMT WAR

水無月 陽

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ステルスメイト

第五話 アイ ラヴ マイホーム

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「逃げときゃよかったぁぁ!」
『それ、僕言ったよね、、、」
  自分の所から、一番近い木の枝に飛び移ろうとして失敗した。
「ヤバっ」
落ち葉の上に、ドサッと落ちた。
先生が、こっちにゆっくり向かってくるのが見えた
すぐに、立ち上がると先生に背を向けて、走り出した。
「魔法陣《スクロール》はもったいないけど、逃げるしかない!」
『はぁ、僕が後で回収しておくよ』
ザクザクと、後ろから先生が迫ってきている音が聞こえる。
    どーーーん!!!!
「って、ぎゃあああぁぁ!」
 いきなり、後ろから爆音が聞こえて、叫んだ。
ヤバっ、加速の魔法を使ってるんじゃね!!
遊び半分で、昔、加速の魔法陣《スクロール》を使った記憶《加速しすぎて、家の壁をぶち抜いた記憶》が蘇る。
 左のパーカーのポケットから、非常用の俊敏上昇の魔法陣《スクロール》を取り出すと、自分に俊敏上昇のバフをかけた。
 この時、アラン・クロウは気づいていないが、たまたま、先程、魔法陣《スクロール》に結びつけていた魔力導線にも、魔力がいっていた。

アランは木の間を、縫う様に高速移動をしていく

これをすると、3日ぐらい筋肉痛になるんだよなぁ
その事を、少し憂鬱に思いながら、全力疾走する。「うわっ!」
木の根に足を引っかけて、派手にこけた。
「痛たたたたた」 
 膝を擦りむいているらしい、制服のスカートに、少し血が滲んでる。
 木で体を支えながら、起き上がると、
なんとそこには、そこには、そう、そこには我が家が目の前にあった。
「ラッキー!!」
『僕が、魔法で誘導していたんだよ」
 逃げることで、頭がいっぱいだったので存在を忘れかけていた白い鴉《レイブン》の声が聞こえた。
「いやー、ラッキー、さっさと炬燵に入ろっと」
炬燵の甘やかな暖かみを体中が欲している。
『感謝の言葉は?』
 たまたまなんだから言わなくて良いよねー 
レイブンをいつも通り無視しながら自宅に入った。
「たっだいまー」
ここに住んでいるのは今の所自分だけなのにいつもなんとなく、ただいま、と言ってしまう。
 玄関近くの水がタプタプに入った水瓶《みずがめ》から、柄杓《ひしゃく》で水をすくうと、擦りむいた右膝を洗った。
「いてて」
『ヒール、多分大丈夫だと思うけど傷は塞がった?』
「うん、塞がった。」
 擦り傷が一応治ったがまだ右膝がしんじんする。
靴を適当に玄関でほっぽり出すと、炬燵へ直行した
「うーん、落ち着くぅ」
   炬燵で寝転がりながら、常時冷却魔導機器《リフリジレイター》に手を伸ばして中から板チョコを取りだした。
 板チョコを齧りながらボーッとしていると、
『アラン、今日の晩御飯は何が良い?』
  まだ、一度も使ってないキッチンから、レイブンの声が聞こえる。
「お前は私の母上か!!」
鴉のくせに。やけに家庭的な生き物の事はほっといて、次元収納袋を取り出すとインク瓶と羽根ペンを取り出した。
 パーカーの左ポケットから、緑色の魔方陣《スクロール》を取り出すと自分の正面に置く。
そして、インク瓶を開け、羽ペンの先をインクの中につけ、インクに自分の魔力を注ぎ込んだ。
それを、緑の魔方陣《スクロール》の上にインクを一滴落とす。
緑色の魔方陣《スクロール》が淡く黒色に輝く
「よしっ、こちらチョコミンティー、」
出来るだけ、落ち着いた声を出した。
「こちら、キングリーン、四月二日の情報開示を要求します。」
 落ち着いた声が返ってくる。
机の上に適当に放ってある、羊皮紙に今日の出来事を書き、魔法陣の中に入れていった。
_____チョコミンティー________________________
    今日は、疲れた。
______キングリーン____________________________
そうか、自分も少し疲れた、そっちは何があった?______チョコミンティー________________________
    そうだな、久しぶりに全力疾走したよ
  足を擦りむいてしまった。
_______キングリーン____________________________
  お大事に、、、ヒールをする前に傷口は洗ったかい?
_______チョコミンティー_______________________
   洗ったよ、
 ところで、そっちは何があったの?
________キングリーン__________________________
    人が穴に埋まってたから助けてあげたんだよ

    あとは、他人に自分から喋りかけれたんだ!
_________チョコミンティー_____________________
 おめでとう! 
 しかも、自分から人を助けに行ったのか! 
  すごい進歩じやないか!

 魔法陣の向こうから「ふふっ」と嬉しそうに笑う声が聞こえた。
_________キングリーン_________________________
 ありがとう。
_____________________________________________
 
 「では、四月二日の情報開示を終了する」
  二人の会話が、書かれた羊皮紙が返ってくるとともに、落ち着いた声が聞こえた。
「では、また明日」
そう、落ち着いた声で自分も返す。
「うん、では、また明日」
その声を区切りに、炬燵の上の緑の魔法陣《スクロール》は輝きを失った。
  それにしても、キングリーン頑張ってるなぁ、、
そうともいながら、炬燵の中で寝転がると、自然と欠伸がついて出た。
「ふぁー、ねむ。」
 30秒後、もうアランはすやすやと眠ってしまっていた。

 ________________________
  時々、学校あるあるをおまけに書いときます!
 シリアス展開はまだまだ後ですが、次の話も読んでやってください(*´∀`*)
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