怪談短歌

牧田紗矢乃

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006、寒がりな……

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 寒がりな 君の体に 掛けた布団
 いつまで経っても 冷たいままで



 好きな人の死というのは急に目の前に突き付けられてもなかなか受け入れられないものです。

 こうしたらいつものように起き上がってくれるんじゃないか。
 ああしたら微笑みながら名前を呼んでくれるんじゃないか。
 いろいろなことが頭を駆け巡ります。

 体がどんどん冷えていってしまう。
 そんな状況に置かれた主人公も、いつものように布団を掛けてあげなければという思いに駆られたのでしょう。
 しかし、その行動に対する“答え”はいつまでも冷たい布団。

 何とも言えない物悲しさが漂います。
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