INTEGRATE!~召喚されたら呪われてた件~

古嶺こいし

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第三章 使い方

ハンター試験.3

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やばい、なんか楽しくなってきた。

高揚感に包まれ始める。
これ確実にカリアやキリコの影響を受け始めてるな。調子に乗らないように注意しないと。

「……おおう」

次の対戦相手は白い毛玉だった。
額に一角を持ち、白いふわふわに包まれた丸いフォルム。つぶらな瞳。そして、特徴的な長い耳。

ワイト角兎ホーンビットの成獣でした。

何だろう、この威圧感。
三メートルの兎がこんなにも威圧感があるなんて。

てか、ええ…。

「……」

短剣を構え、少し近付いてみると耳と目が同時にこちらを向いた。
めっちゃ警戒されてる。

さて、どうしよう。

こんなに警戒されてるとやりにくいな。

「とりあえず様子見」

雷の矢をつがえて射った。

すると、角兎は当たる直前に大きく跳躍した。
矢は脚を掠めたが、どうも効果は薄い。威力を弱めすぎたか?

「お?ーー!!」

慌ててその場から逃げると角兎の巨体が降ってきた。
地面にめり込む前足。
軽く揺れる地面。

「こっわ!」

こいつオレの事踏み潰すつもりだったのか。

角兎がこちらを見て片足を地面にダンッ!と叩き付けた。それだけでヒビが入る地面。

これ蹴られたら骨折れますね。

『ビィーーーー!!』

角兎が姿勢を低くした。

そして思い切りこちらに跳んできた。
身体能力を上げて高く跳ぶ、足元に風が巻き起こって角兎の巨体が素通りすると、そのまま角兎は壁にと激突した。

自爆したか?

そう思ったが、角兎は突き刺さった角を忌々しそうに振り回し、闘技場の壁を破壊した。

うっわー!怖いわー!

あれも刺さったら終了ですね。
わかります。

フルフルと頭を振る角兎。
通常の大きさならば可愛らしいであろうそのしぐさで、角に突き刺さったままだった壁の 破片が吹っ飛ばされていた。

『ブッブッ!』

角兎がまたしても片足ダンッ!

さて、そろそろ攻撃に移らないとな。

角兎の驚異はあの巨体のタックルと蹴りと角だ。噛み付きとかもあるけれども、基本の攻撃はその三つに絞られる。と、するならば、その三つを封じれば攻撃のチャンスがあると言うことだ。

「せっかくだし、練習がてら使ってみるか」

深く息を吸い、長く息を吐き出す。

じわじわと体の表面に魔力が集まってきた。
それを体内のエネルギーの塊、氣で巻き込んでいく。

こちらに向かってくる角兎を見据えながら、オレは角兎の顔目掛けて回し蹴りを叩き込んだ。
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