22 / 152
第一章 ホールデンにて
メル友ゲット
しおりを挟む
一時解散ということで遠征の準備をするためにノノハラとコノン、そしてシンゴの姿が消え、最初から準備が出来ていたオレとユイが残る。
先程貰った剣をベルトに差して木剣とぶつからないように固定する。なんとなく左側がやたら重たく感じてしまい、仕方がないので木剣の方を右側のベルトに差すことにした。二刀流でもないのに二刀流の気分だ。
そんなオレを暇なのかユイがずっと観察していた。視線が気になる。
「なぁ、それって兵士達が遠征の時に着てる服だよな」
「そうですよ。訓練混じって参加してたら何故か一式プレゼントされました。似合ってませんか?」
「似合いすぎてなんも言えねーのが困るわ。これじゃ、もう、勇者の服なんかゴチャゴチャしてて着れないだろ」
そう言ってユイが自分の勇者装の装飾品を指差す。キンキンキラキラしやがって、マントも上質な素材なのかも知れない。見ただけで想像できる手触り感。多分触ったら止められなくなりそうだ。
「オレもそう思います。てか、それにしてはユイさんの服、皆と少し違いません?」
「ああ、弄った」
ドヤ顔で言うユイ。弄っていいのか、それ。
ベルトの調整も終え、やることが無く暇になったのでスマホを取り出すとユイが目の色を変えた。
「なにそれ、すげー!俺のところにあるのに似てるな!」
「スマホですよ。携帯電話って知ってます?」
「知ってる知ってる!名前は違うけど俺も持ってるぜ!ほらこれ」
胸ポケットからユイのスマホがこんにちわ。
見た目は軍事用ですかってくらいゴツい。対してこちらはケースでコーティングしているものの何だか頼りない。もしスマホグランプリみたいなのがあったら一撃でやられてしまうだろう。
「携帯情報端末、略してケータンって言うんだけどな。うちの国長いこと鎖国していたもんで周りの国と比べて意味の分からない進化を遂げたから、それに似たケータン見たの初めてだわ」
「ケータン言うんですか。ていうかそれ分かります、うちの国もケータイ…携帯電話略してケータイって言うんですけど、独特な発達をしたせいかどこの国とも違うケータイになっちゃって、ガラパゴスケータイなんて呼ばれちゃってるんですよ」
「へえ!違う世界なのに同じ現象が起きてるなんて凄いな!いやー、良い情報だ。なぁ、もし出来たらで良いんだが、手紙の固定番号交換しないか?」
「メアドですね!良いですよ!しましょうしましょう!赤外線あります?」
「あるある、どっち送る?」
「じゃあオレからで…」
お互い興奮状態で赤外線を送り、貰う。まさか出来るとは思わなかったので感激だ、アドレスがなんかバグってるが試しに送ってみて届いたので成功と言えよう。
異世界初のメル友である。
「ノノハラもコノンもイケタニもケータン持ってなかったからさ、諦めてたよ」
嬉しそうなユイ。
多分オレも同じような顔してるだろう。
その時、扉の向こうから再び足音が聞こえてきた。準備が出来たようだ。
先に入ってきたのはノノハラ。
ノノハラは何故かこちらを見て眉を潜めた。
「男同士でなにやってんの。キモい」
酷い。
先程貰った剣をベルトに差して木剣とぶつからないように固定する。なんとなく左側がやたら重たく感じてしまい、仕方がないので木剣の方を右側のベルトに差すことにした。二刀流でもないのに二刀流の気分だ。
そんなオレを暇なのかユイがずっと観察していた。視線が気になる。
「なぁ、それって兵士達が遠征の時に着てる服だよな」
「そうですよ。訓練混じって参加してたら何故か一式プレゼントされました。似合ってませんか?」
「似合いすぎてなんも言えねーのが困るわ。これじゃ、もう、勇者の服なんかゴチャゴチャしてて着れないだろ」
そう言ってユイが自分の勇者装の装飾品を指差す。キンキンキラキラしやがって、マントも上質な素材なのかも知れない。見ただけで想像できる手触り感。多分触ったら止められなくなりそうだ。
「オレもそう思います。てか、それにしてはユイさんの服、皆と少し違いません?」
「ああ、弄った」
ドヤ顔で言うユイ。弄っていいのか、それ。
ベルトの調整も終え、やることが無く暇になったのでスマホを取り出すとユイが目の色を変えた。
「なにそれ、すげー!俺のところにあるのに似てるな!」
「スマホですよ。携帯電話って知ってます?」
「知ってる知ってる!名前は違うけど俺も持ってるぜ!ほらこれ」
胸ポケットからユイのスマホがこんにちわ。
見た目は軍事用ですかってくらいゴツい。対してこちらはケースでコーティングしているものの何だか頼りない。もしスマホグランプリみたいなのがあったら一撃でやられてしまうだろう。
「携帯情報端末、略してケータンって言うんだけどな。うちの国長いこと鎖国していたもんで周りの国と比べて意味の分からない進化を遂げたから、それに似たケータン見たの初めてだわ」
「ケータン言うんですか。ていうかそれ分かります、うちの国もケータイ…携帯電話略してケータイって言うんですけど、独特な発達をしたせいかどこの国とも違うケータイになっちゃって、ガラパゴスケータイなんて呼ばれちゃってるんですよ」
「へえ!違う世界なのに同じ現象が起きてるなんて凄いな!いやー、良い情報だ。なぁ、もし出来たらで良いんだが、手紙の固定番号交換しないか?」
「メアドですね!良いですよ!しましょうしましょう!赤外線あります?」
「あるある、どっち送る?」
「じゃあオレからで…」
お互い興奮状態で赤外線を送り、貰う。まさか出来るとは思わなかったので感激だ、アドレスがなんかバグってるが試しに送ってみて届いたので成功と言えよう。
異世界初のメル友である。
「ノノハラもコノンもイケタニもケータン持ってなかったからさ、諦めてたよ」
嬉しそうなユイ。
多分オレも同じような顔してるだろう。
その時、扉の向こうから再び足音が聞こえてきた。準備が出来たようだ。
先に入ってきたのはノノハラ。
ノノハラは何故かこちらを見て眉を潜めた。
「男同士でなにやってんの。キモい」
酷い。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~
mimiaizu
ファンタジー
迷宮に迷い込んでしまった少年がいた。憎しみが芽生え、復讐者へと豹変した少年は、迷宮を攻略したことで『前世』を手に入れる。それは少年をさらに変えるものだった。迷宮から脱出した少年は、【魔法】が差別と偏見を引き起こす世界で、復讐と大きな『謎』に挑むダークファンタジー。※小説家になろう様・カクヨム様でも投稿を始めました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる