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二章・二人旅といきまして
『レッドマンティス』
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「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい!気を付けてね!」
奮発して菓子やら色々購入して、更には水浴びが出来る宿に移動して準備完了。
あとは、オレがさっさと仕事を終わらせて帰ることのみ。
おお…。
思わず感嘆の声が漏れた。
「これがポートですか」
見た目マンホール。
鉄の丸い板には複雑な模様が掛かれている。
いわゆる魔方陣ってやつ。
「かなり小型ですが、たくさん設置できる分便利なんです」
と、オブザーバーパーティーのリーダーである、アウレロが説明をしてきた。
昨日はかなり興奮してヤバい人ってイメージだったが、落ち着けば普通の人だった。
好青年的な。
仲間は右から
イーサン、魔術師。
ウージョンカ、魔術師。
エリナ、魔術師。
オズワット、魔術師である。
アウレロは片手剣と小盾を装備してはいるけれど、役職が把握しきれない。
万能型なのか。
ちなみに足を骨折した人は盾職のカラカジョさんで、アウレロ曰く階段で転んで落ちたのだと。
痛い。
「小型。じゃあ大型もあるんですね」
「首都の方に大型があります。けれど、使っている情報はあまり聞きませんね。一度に30人は飛ばせるそうです」
「へぇ」
量産してくれないかな。
出来るならば低価格で。
「では行きます!」
ポートを操作するスタッフの案内のもと、アウレロから順に飛ばされていく。
現地での時間誤差は15分ほど進んでいるとのこと。
「ゆっくりと装置の真ん中に立ってください。荷物ははみ出さないようにお願いします」
はみ出したら飛ばされた瞬間泣き別れになるんだろうか。
想像して鳥肌が立ったので何回か確認した。
よし、大丈夫だ。
「それでは」
ブン、と電子音的な音がした瞬間、体に上から下へと猛烈な圧が掛かった。
押し潰されそうな、それでいて足元が不安定、
気付いたら床がない。
景色は砂嵐で、なんか気持ち悪いなと思った辺りでようやく足元に床の感触が現れた。
「……ォェ」
吐くかと思った。
辺りを見回すと、皆座り込んでいる。
どうやら俺と同じく気持ち悪いらしい。
思いがけない副作用に手軽になったら気軽にポート使おうとは思わなくなった。
皆復活し、アウレロが先頭で進んでいく。
その後ろを俺が盾を構えながら進み、後ろは魔術師が固める。
「レベリング観測対象はなんなんですか?」
「ああ、ジャイアント・レッドマンティスです」
ジャイアント・レッドマンティス※体高4メートルの大カマキリ。全体的に赤いのが特徴。
「……レベルCなのでは?」
近づかなければなんとかなるやつ。
主な退治方法は遠距離攻撃か、水攻め。もしくはタンカーに頑張って貰っている間に足を切断である。
「それが、ここ最近レベルC以上の個体が増えてまして、更に繁殖期なのでメスだった場合さらにレベルを上げないといけないんです」
「なるほど」
子育て中のメスはヤバい。
鬱蒼としげる背高草を魔法で無理やり道を開けて進んでいく。
こんなに植物が巨大ってことは、ここの森は相当な危険度の森に違いない。
気を付けていこう。
ザクザクとどんどん奥へと向かって歩いていく。
この時点で、レベルCではないな、とうっすら思っていた。
もっと高危険度の妖魔だ。
妖魔のランクは冒険者と似ており、低い順からF、E、D、C、B、A、そして最高ランクのS。
SSもあるにはあるのだが、これは神枠に分類される。
これの意味は、対峙するにも烏滸がましい的な感じだ。
人が一人で津波に挑んでどうにかなるか?無理だろ?諦めて逃げろっていう意味合いのランクである。
このランクは危険度もあるけど、厳密にいえば、この妖魔のランクと冒険者のランクが合致か凌駕すればそのクエストを受けられるって事。
俺はBなので、危険度Bクラスまでなら依頼を受けることが出来る。
できるけど、やりたくはない。
Bっていうのは動物の身体能力に複数の武器持ちで、頭脳が人間みたいな奴ばっかりだから。
盾職一人でいったところで泥沼化して死ぬ。
「見えました、アレです」
アウレロが草の隙間から見える物体を指差す。
ここは崖の上になっていて、ちょうど見下ろした辺りに赤いカマキリがいた。
ジャイアント・レッドマンティスだ。
背丈は平均よりもやや高い。
そのレッドマンティスの周辺の木を下から上へと視線を滑らすと、上の方に繭が見えた。
レッドマンティスの卵だ。
「先視隊の話では、あのレッドマンティスは周辺の村を襲って家畜を食べているらしいです。子供が生まれたら、家畜はもちろん人も襲うでしょう」
「そうだな…」
レッドマンティスは人を食う。
昔、セドナとこいつを倒しにいった際、危うく食われ掛けた。
ちょっとしたトラウマだ。
「では、トキさん」
「ん?」
「よろしくお願いいたします」
「は?」
なにが?
おい聞いてないぞ。
俺が単騎でレッドマンティスに突撃して、その戦い方を観察してレベリングするなんて。
まぁ、四人の魔術師達に装甲魔法(※防御力が上がり、怪我をしにくくなる。)を掛けて貰っているから死ぬ心配とかはないんだけど。
「それでも怖いもんは怖い」
アウレロさんは俺に変な首飾りを手渡し草むらのなかに消えてしまった。
一定時間経過か、やばそうな時に発動するって言われたけど、なんなのこれ。
見た目はとっても小さい懐中時計。
指針はあるけど、数字のところには謎の文字が掛かれている。
魔法陣か?
「さて、やるか」
「行ってらっしゃい!気を付けてね!」
奮発して菓子やら色々購入して、更には水浴びが出来る宿に移動して準備完了。
あとは、オレがさっさと仕事を終わらせて帰ることのみ。
おお…。
思わず感嘆の声が漏れた。
「これがポートですか」
見た目マンホール。
鉄の丸い板には複雑な模様が掛かれている。
いわゆる魔方陣ってやつ。
「かなり小型ですが、たくさん設置できる分便利なんです」
と、オブザーバーパーティーのリーダーである、アウレロが説明をしてきた。
昨日はかなり興奮してヤバい人ってイメージだったが、落ち着けば普通の人だった。
好青年的な。
仲間は右から
イーサン、魔術師。
ウージョンカ、魔術師。
エリナ、魔術師。
オズワット、魔術師である。
アウレロは片手剣と小盾を装備してはいるけれど、役職が把握しきれない。
万能型なのか。
ちなみに足を骨折した人は盾職のカラカジョさんで、アウレロ曰く階段で転んで落ちたのだと。
痛い。
「小型。じゃあ大型もあるんですね」
「首都の方に大型があります。けれど、使っている情報はあまり聞きませんね。一度に30人は飛ばせるそうです」
「へぇ」
量産してくれないかな。
出来るならば低価格で。
「では行きます!」
ポートを操作するスタッフの案内のもと、アウレロから順に飛ばされていく。
現地での時間誤差は15分ほど進んでいるとのこと。
「ゆっくりと装置の真ん中に立ってください。荷物ははみ出さないようにお願いします」
はみ出したら飛ばされた瞬間泣き別れになるんだろうか。
想像して鳥肌が立ったので何回か確認した。
よし、大丈夫だ。
「それでは」
ブン、と電子音的な音がした瞬間、体に上から下へと猛烈な圧が掛かった。
押し潰されそうな、それでいて足元が不安定、
気付いたら床がない。
景色は砂嵐で、なんか気持ち悪いなと思った辺りでようやく足元に床の感触が現れた。
「……ォェ」
吐くかと思った。
辺りを見回すと、皆座り込んでいる。
どうやら俺と同じく気持ち悪いらしい。
思いがけない副作用に手軽になったら気軽にポート使おうとは思わなくなった。
皆復活し、アウレロが先頭で進んでいく。
その後ろを俺が盾を構えながら進み、後ろは魔術師が固める。
「レベリング観測対象はなんなんですか?」
「ああ、ジャイアント・レッドマンティスです」
ジャイアント・レッドマンティス※体高4メートルの大カマキリ。全体的に赤いのが特徴。
「……レベルCなのでは?」
近づかなければなんとかなるやつ。
主な退治方法は遠距離攻撃か、水攻め。もしくはタンカーに頑張って貰っている間に足を切断である。
「それが、ここ最近レベルC以上の個体が増えてまして、更に繁殖期なのでメスだった場合さらにレベルを上げないといけないんです」
「なるほど」
子育て中のメスはヤバい。
鬱蒼としげる背高草を魔法で無理やり道を開けて進んでいく。
こんなに植物が巨大ってことは、ここの森は相当な危険度の森に違いない。
気を付けていこう。
ザクザクとどんどん奥へと向かって歩いていく。
この時点で、レベルCではないな、とうっすら思っていた。
もっと高危険度の妖魔だ。
妖魔のランクは冒険者と似ており、低い順からF、E、D、C、B、A、そして最高ランクのS。
SSもあるにはあるのだが、これは神枠に分類される。
これの意味は、対峙するにも烏滸がましい的な感じだ。
人が一人で津波に挑んでどうにかなるか?無理だろ?諦めて逃げろっていう意味合いのランクである。
このランクは危険度もあるけど、厳密にいえば、この妖魔のランクと冒険者のランクが合致か凌駕すればそのクエストを受けられるって事。
俺はBなので、危険度Bクラスまでなら依頼を受けることが出来る。
できるけど、やりたくはない。
Bっていうのは動物の身体能力に複数の武器持ちで、頭脳が人間みたいな奴ばっかりだから。
盾職一人でいったところで泥沼化して死ぬ。
「見えました、アレです」
アウレロが草の隙間から見える物体を指差す。
ここは崖の上になっていて、ちょうど見下ろした辺りに赤いカマキリがいた。
ジャイアント・レッドマンティスだ。
背丈は平均よりもやや高い。
そのレッドマンティスの周辺の木を下から上へと視線を滑らすと、上の方に繭が見えた。
レッドマンティスの卵だ。
「先視隊の話では、あのレッドマンティスは周辺の村を襲って家畜を食べているらしいです。子供が生まれたら、家畜はもちろん人も襲うでしょう」
「そうだな…」
レッドマンティスは人を食う。
昔、セドナとこいつを倒しにいった際、危うく食われ掛けた。
ちょっとしたトラウマだ。
「では、トキさん」
「ん?」
「よろしくお願いいたします」
「は?」
なにが?
おい聞いてないぞ。
俺が単騎でレッドマンティスに突撃して、その戦い方を観察してレベリングするなんて。
まぁ、四人の魔術師達に装甲魔法(※防御力が上がり、怪我をしにくくなる。)を掛けて貰っているから死ぬ心配とかはないんだけど。
「それでも怖いもんは怖い」
アウレロさんは俺に変な首飾りを手渡し草むらのなかに消えてしまった。
一定時間経過か、やばそうな時に発動するって言われたけど、なんなのこれ。
見た目はとっても小さい懐中時計。
指針はあるけど、数字のところには謎の文字が掛かれている。
魔法陣か?
「さて、やるか」
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